利根川河口から40km遡った地、千葉県香取市佐原、水郷佐原あやめパークの隣接地に建つ博物館です。水郷佐原あやめパークの詳しいバリアフリー情報は、別稿「水郷佐原あやめパーク 車椅子観光ガイド バリアフリー情報」を参照してください。
県立中央博物館大利根分館のテーマは、利根川と水郷地帯の歴史、文化、民俗、そして農業と漁業及び生態系など。地域をテーマにした博物館です。
開館は昭和54年。それ以来大規模な改修は行われていない様子です。建物、設備、展示物はレトロな雰囲気が漂いますが、決定的な段差は回避できるバリアフリー改修は実施済みです。
アクセスは車が便利。30台を収容する来館者用無料駐車場があります。
身障者用駐車スペースは駐輪場の中に2台分用意されています。
左右のスペースは余裕がある駐車区画です。
身障者用駐車スペースから段差回避スロープを通り施設エントランスへ向かいます。
博物館の出入口にかけても、緩やかな段差回避スロープが設置されています。入口は自動ドアです。
千葉県立中央博物館大利根分館は有料施設ですが、入場料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。入口にある受付で障害者手帳を提示して減免措置を受けます。
バリアフリートイレはエントランスホールの横にあります。いまでは滅多に見かけなくなった、特殊な形状の便器が設置されている、シンプルな設備のトイレです。
エントランスホールから展示が始まります。翼竜が飛び、寄贈されたスバル360が佇みます。
第一展示室は常設展「地質時代~中世」です。この地域が霞ケ浦や鬼怒川・小貝川が流れ込む大きな入海だった時代の様子を紹介します。
どの展示も車椅子で観覧可能。通路幅に余裕がある展示室です。
第一展示室と第二展示室の間に「利根川にすむいきものたち」という、水槽が並ぶコーナーがあります。
水槽には固有種や外来種が入り、噛みつきガメの水槽には赤字で危険と表示されています。
少し通路幅は狭いコーナーですが、空いていれば車椅子で観覧できます。
第二展示室は常設展「近世~現代・民俗」です。江戸時代に利根川の東遷工事が行われ、水郷地方の入海は陸地化が進みました。そして十六島といわれた砂州は耕地に。利根川の流れの変化に伴う、民俗の進化を紹介します。
大型展示物もある車椅子で見やすい展示室です。第一展示室と第二展示室を観覧すると、水郷地帯の独特な歴史と文化、そして民俗が分かります。レトロな展示ですが、内容は本格的です。
この先の第三展示室は、企画展の会場。ここも段差がない、車椅子で観覧できる展示室です。
博物館敷地内に屋外展示物があります。エントランス横には黄色いポストと様々な石。
駐車場の横には水門や大型の治水機械。
その奥の池には、白鳥が住み、鴨が泳ぎます。
全体的にレトロ感はありますが、千葉県立中央博物館大利根分館は、車椅子で観覧できる専門的な博物館です。
(本稿は2021年7月に執筆しました)