佐原 伊能忠敬記念館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

車椅子で訪ねる佐原 伊能忠敬記念館 バリアフリー情報

千葉県香取市佐原にある「伊能忠敬記念館」は、佐原の偉人忠敬の業績と人柄が学べる資料館で、車椅子で観覧できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

なお佐原の古い町並み全体の詳しいバリアフリー情報は、別稿「車椅子で訪ねる水郷佐原 古い町並み バリアフリー情報」を参照してください。

佐原の古い町並みの中心地に建つ「伊能忠敬記念館」は1998年の開館。入口は段差構造ですが、迂回スロープが設置されています。館内にはバリアフリートイレがあり、ワンフロア構造の展示室はフラットな床面です。バリアフリー改修済みで、車椅子での観覧は可能です。

アクセスは車が便利です。佐原の町並みエリアで最大の駐車場「町並み観光駐車場」に隣接しています。駐車場の一番奥にある身障者用駐車区画からなら、「伊能忠敬記念館」入口まで50mほど。まるで専用駐車場のような位置関係です。

ただし駐車料金の障がい者減免制度はありません。無料駐車場を求めるなら、「三菱館」の裏側の「佐原町並み交流館」駐車場が、障がいのある観光客専用の無料駐車場です。

「伊能忠敬記念館」は障害者手帳の提示で、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。

展示は伊能忠敬の人物像を知るところから始まります。17歳で佐原の商家の養子になった忠敬。その商家は傾いていたそうですが、忠敬の努力と才覚で繁盛店に。隠居する前の忠敬は、現在の価値に換算して年収1億円の商業的な成功者だったそうです。

その後独学で測量を学んだ忠敬。引退して50歳で江戸に出て本格的な勉強を開始。その後、幕府から地図作成の依頼がきたものの、実は手当はほとんど出ない手弁当の仕事。それどころか、測量道具の購入、アシスタントの手配などは、忠敬がお金を出したということです。忠敬は志の人だった、というのが展示前半の解説ポイントです。

忠敬地図をはじめ、様々な資料を収蔵する「伊能忠敬記念館」。後半はそれらの展示がメイン。いわば忠敬の業績の展示です。ここにある忠敬資料は2,345点が国宝に指定されているそうです。これらの国宝資料は2か月で展示替えをしているそうです。

目玉展示の一つは、伊能図とランドサットの日本地図を重ねたデジタル展示。壱岐対馬や種子島屋久島などの島部まで含めて、伊能図の正確さに驚きます。忠敬は日本人として初めて、正確な子午線の距離を計算で割り出したそうです。展示されている古い測量道具を見ると、どうしてそのようなことが出来たのか、その努力と工夫に圧倒されます。

業績だけではなく、志をもった人間像の理解ができる「伊能忠敬記念館」。数々の国宝と出会えます。「伊能忠敬記念館」はバリアフリー改修済みで、車椅子で観覧できます。

(本稿は2018年7月の取材に基づいています)