美術館の魅力は作品鑑賞だけではありません。素晴らしい景観を楽しめる美術館があります。車椅子に乗る障がいのある家族と一緒にお出かけが出来る、関東近県の景勝地に建つ、魅力的なバリアフリー美術館をまとめて紹介します。
《神奈川県》
「横須賀美術館」
観音崎公園の一角、東京湾を臨む高台に建つ美術館です。
屋上には展望テラス「ペントハウス」があり「恋人の聖地」に認定されています。また館内各所に海が見える窓があり、様々な場所で観音崎の風景と出会えます。
併設して眺めのレストランがあり人気です。前庭周辺からも眼前に広がる海を楽しめます。
「県立近代美術館・葉山館」
葉山一色海岸沿い建つ美術館です。美術館の中庭、併設するレストランなどから、葉山の海を眺望できます。
敷地内には屋外彫刻が展示される散策路があり、その一部区間からも一色海岸を臨みます。
美術館自体が素敵な建築デザインです。海と調和した贅沢な景観が楽しめます。
《千葉県》
「市原湖畔美術館」
高滝湖畔に建つ美術館です。四季折々の湖の景観が楽しめます。
美術館はリノベーションされた面白いデザイン建築です。美術館屋上までスロープ路があり、屋外アートに囲まれながら高滝湖を眺望します。
独立棟のレストランからは、窓いっぱいに高滝湖が広がります。
《群馬県》
「富岡市立妙義ふるさと美術館」
妙義山を眼前に見る高台に建つ美術館です。
1Fの展示室では「妙義山を描く絵画展」の入選作が展示されています。そして3Fには「展望写生室」があり、本物の妙義山をインドアから眺望することができます。ここからは冬の妙義山を温かく眺めることができます。
前庭は公園のように整備され、妙義山をバックに、富岡市街方面までを眺望することが出来ます。
「富弘美術館」
わたらせ渓谷鐡道が走る渡良瀬川の上流。美しい自然に包まれた草木湖畔に建つ美術館です。
館内のカフェや休憩室の窓から、湖の景観を眺望できます。
また美術館の周囲は舗装された散策路があり、アップダウンはありますが車椅子で散策がある程度は可能です。屋外からも車椅子で草木湖の眺めを楽しむことができます。
《茨城県》
「天心記念五浦美術館」
五浦海岸の高台、太平洋を見渡す景勝地に建つ美術館です。
絶景を楽しむことを計算して設計された美術館です。美術館の窓から見える風景は一枚の絵画の様です。館内のカフェからも、大海原を楽しめます。
建物の両脇に二つの屋外展望広場「鷗雲広場」と「滄海広場」が整備されています。車椅子で断崖絶壁からの絶景を楽しむことができます。
「茨城県立近代美術館」
水戸の千波湖を臨む高台に建つ美術館です。
1Fのロビー空間は大きな窓がある設計で、窓越しに千波湖が輝きます。
《静岡県》
「MOA美術館」
熱海の山の上に建つ美術館です。
本館ロビーからは、熱海の海、そして相模湾を眺望します。条件が良い日は、伊豆七島を臨みます。
MOA美術館は基本的にはバリアフリー施設ですが、山の傾斜地にあり、一部車椅子では利用できない箇所があります。
《山梨県》
「四季の杜おしの公園内の美術館」
富士北麓の忍野村にある「四季の杜おしの公園」内の美術館で、一つの棟に「岡田紅陽写真美術館」と「小池邦夫絵手紙美術館」が入ります。入館料は二館共通券です。
真正面に富士山を抱く立地で、美術館はそれを計算した設計です。館内からの富士山ビューポイントは二カ所。「岡田紅陽写真美術館」内の小窓から眺める富士山。そして二つの美術館の間にある企画展示ホールの大きな窓から仰ぐ富士山です。
屋外の公園スペースからも、もちろん富士山を楽しめます。
いずれも素晴らしい環境にあるバリアフリー美術館です。車椅子で美しい風景を楽しむことが出来ます。
(本稿は2020年7月に執筆しました)