千葉県市原市の「市原湖畔美術館」は、美術館自体がアートなバリアフリー美術館です。車椅子からみた現地の状況を紹介します。
2年がかりのリニューアルを行い、2013年に生まれ変わった美術館です。
高滝湖の眺望が素晴らしい。子どもが遊べる広場が楽しい。眺望抜群のグルメ店が美味しい。そして美術館自体が美しく、かつバリアフリーで、企画展やイベントが充実しています。幅広い層にお薦めできる美術館です。
圏央道の開通でアクセスが向上しました。無料駐車場は第3Pまであります用意。身障者用駐車区画は第1Pにあります。
駐車場から美術館へは舗装路。車椅子での移動に大きな問題はありません。
美術館、芝生広場、独立棟のイタリアンレストランの構成。舗装された周遊路があるので施設全域車椅子での移動が可能です。
幾つもの屋外オブジェ、湖面には水上彫刻も。美術館に入る前に、車椅子で屋外空間を楽しめます。「藤原式揚水機」を模した展望台は階段です。ここだけは車椅子で上ることができません。
美術館内へ入ります。受付はショップと一体になった構造です。
常設展の観覧料は障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。企画展もほとんどが観覧料の障がい者減免制度があります。
美術館は1F、B1が展示室、屋上が広場です。
1Fと2Fの企画展示室は、吹き抜けがあるアートスペースです。企画展によって様々な展示スタイルが可能なお洒落な空間です。
エレベーターが1基あり、車椅子で上下階移動ができます。
また1Fと屋上はスロープでもつながれています。
健常者の動線は1FとB1の移動は階段、したがって車椅子では通常とは違う動線になります。会場の移動ルートは、その時々の企画にもよるので、詳しくは現地でスタッフに確認してください。
バリアフリートイレは1Fに1つ、エントランスコートにあります。広くて清潔で設備も良いトイレです。
屋上はただの広場ではありません。スロープルートや階段ルートで複雑な動線を生み出し、そこには700本のチューブが林立。かき分けるように進むアートです。ただし車椅子では通行が無理な箇所があります。行けるところまでの利用になります。
別棟のレストランは湖畔に建つ抜群の眺望。とても素敵なのですが、出入口は手動ドアで、店内は細長で幅が狭い。車椅子では狭さに苦戦する可能性があります。現地で確認して利用の可否を判断してください。
常設展だけでも魅力的な美術館です。企画展の開催がない時でも、お出かけをお薦めできます。年に4回ほどの展示替えがあります。
展示の中心は市原に縁の深い深沢幸雄氏の作品が中心。展示室の雰囲気にもマッチした、素敵な常設展を楽しめます。
「市原湖畔美術館」は作品だけではなく、建物、広場、オブジェ、展望台、湖畔の眺望と、様々な楽しみがある美術館です。
(本稿は2020年9月に加筆修正しました)