三重県 海の熊野古道 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

伊勢路から熊野三社へ向かう三重県内の「海の熊野古道」には、海岸沿いに車椅子で利用できるバリアフリーな施設があります。本稿では「鬼ヶ城センター」「道の駅熊野」「道の駅パーク七里御浜」「道の駅紀宝町ウミガメ公園」のバリアフリー状況を紹介します。

「鬼ヶ城センター」

熊野の玄関口にある「鬼ヶ城」は、海岸沿いに奇岩、巨岩、千畳敷などがある岩場です。散策ルートが整備されていますが、段差があり車椅子では通行できません。

「鬼ヶ城センター」は、2013年に開業した施設です。1Fがお土産ショップ、2Fがレストラン、3Fが団体用食事処。駐車場には身障者用駐車区画が2台分設定。バリアフリートイレは1Fと3Fに配置。施設全般やや通路が狭いの難点ですが、一般的な車椅子利用者なら十分に利用可能な観光施設です。

海の熊野古道バリアフリー情報

3フロア構造の施設で、2Fへはスロープのみ、3Fへはエレベーターが利用できます。2Fへのスロープは車椅子で利用できる緩い傾斜路です。

施設の横に海を眺める小規模な展望デッキがあります。2Fレストランには海を見渡す展望テラス席があり、3Fにも小さなテラススペースがあります。施設内の各所から、熊野の海の眺望を車椅子で楽しむことが出来ます。

海の熊野古道バリアフリー情報

鬼ヶ城の観光スポット、奇岩「獅子岩」。鬼ヶ城センターから車で紀伊勝浦方面へ移動してすぐの場所にあります。小規模な駐車スペースがあり、車からでも奇岩「獅子岩」を観ることができます。

海の熊野古道バリアフリー情報

「道の駅熊野・花の窟」

「花の窟」とは、神々の母である「イザナミノミコト」の御陵といわれる巨石のことです。この巨石を御神体とする「花の窟神社」は、日本書紀に記された日本最古の神社。この神社の隣接地に2012年に開業した施設が「道の駅熊野・花の窟」です。「花の窟」は世界遺産登録。ここは神代から現在まで続く聖地です。

海の熊野古道バリアフリー情報

道の駅施設から参道を通り「花の窟神社」へ進みます。この参道は50mほどの未舗装路ですが、固く踏みしめられた道なので、乾いていれば車椅子での通行は可能です。社務所である「参龍殿」には小さな資料室のような部屋もあり、神事の様子などが掲示されています。「参龍殿」を通り抜けるとご神体である巨石「花の窟」の前にでます。ここまで車椅子での移動に大きな問題はありません。

海の熊野古道バリアフリー情報

ご神体は見上げるような巨石です。高さ約45m。そこから大綱がご神木に繋がれています。参拝場所は窟の前。極めてシンプルな参拝場です。「花の窟」の前の参拝空間は未舗装ですが、ここも固く踏みしめられているので車椅子での参拝は可能です。

海の熊野古道バリアフリー情報

「道の駅パーク七里御浜」

海沿いの熊野古道浜街道にある道の駅です。熊野三社へは車で1時間圏内。施設のキャッチコピーは「熊野古道・熊野三社へのキーステーション」です。道の駅なので、2Fには観光情報センターがあります。

海の熊野古道バリアフリー情報

1988年に開業した大型施設で、基本設計がバリアフリーではありません。屋外駐車場側からアクセスすると段差ルートを通るので、車椅子では施設内に行けません。車椅子利用者は、身障者用駐車区画がある1F屋内駐車場に車を停めてください。

海の熊野古道バリアフリー情報

車椅子では、屋内の業務用エレベーターを利用して上下階移動をします。1Fは荷捌き場で店舗は無く、スーパーなどショップは2F、3Fはレストランとジュース工場です。

2Fのお土産コーナーは「浜街道」。3Fのジュース工場で生産されたみかんジュースが販売されています。他に地元の銘菓、名酒、海産物などが並びます。車椅子で買い物ができるお店です。

海の熊野古道バリアフリー情報

「道の駅紀宝町ウミガメ公園」

紀宝町の井田海岸、別名「七里御浜」はウミガメの産卵で有名です。その海岸の目の前に「紀宝町ウミガメ公園」があり、道の駅として登録しています。ここはウミガメの保護、啓発活動の拠点。車椅子でウミガメに会える公園です。

海の熊野古道バリアフリー情報

「紀宝町ウミガメ公園」のメイン棟は「ふれあいパーク」。屋内にプールがあり、大きなウミガメが泳いでいます。他にも水槽が幾つも有り、別種の亀や各種の魚類も飼育されています。この施設は無料で利用できます。

海の熊野古道バリアフリー情報

別棟で物産館があります。1Fがショップで2Fが食事処です。やや古い印象を受ける施設ですが、エレベーターはあります。物産館は車椅子で利用でます。

海の熊野古道バリアフリー情報

三重県内の「海の熊野古道」海岸沿いのバリアフリー施設の概況です。施設を選べば車椅子で、海の熊野古道観光が楽しめます。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

熊野三社の一つ新宮市の「熊野速玉大社」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

南紀串本 橋抗岩と虫喰岩 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

和歌山県南紀串本にある約40本の岩柱が850mも続く名勝「橋抗岩」は、ビュースポットに道の駅が整備されて、車椅子で観光することができます。「高池の虫喰岩」も、同様に道の駅が整備されています。2つの奇岩観光のバリアフリー状況を紹介します。

○道の駅くしもと橋抗岩のバリアフリー状況

「道の駅くしもと橋抗岩」は、橋抗岩を眺めるベストポジションにあります。駐車場の収容台数は50台超で、身障者用駐車区画は2台分あります。

トイレ棟にバリアフリートイレがあります。造りは古いトイレですが、設備は更新されて綺麗で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

駐車場から、施設の海沿いから、橋抗岩をバリアフリーに見学することができます。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

商業施設としては小型な道の駅です。トイレ棟の他に、ソフトクリームなどを販売するテイクアウト系飲食店と観光情報コーナー、そしてショップがあります。ショップの規模は中規模クラス。串本の物産品などが並びます。通路幅にはそれほど余裕はありませんが、極端な混雑がなければ、一般的な車椅子での利用は可能です。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

干潮の時間帯は、道の駅の外側から海に出て橋杭岩に近づくことができます。しかし道の駅施設から海に出るルートは階段なので、車椅子では海には行けません。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

橋抗岩は、本州最南端の町串本町の紀伊大島に向かい、橋の杭のような奇岩が並ぶ名勝です。岩の数は約40本。その距離約850m。弘法大師が一夜にして建てた橋の杭、という伝説がある国指定天然記念物です。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

現地には橋抗岩の科学的な解説板があります。要約すると、約1500万年前におこった大規模なカルデラ噴火により噴出したマグマが、波の浸食で堅い部分だけが残ったとのこと。見事な自然の造作です。

○道の駅虫喰岩のバリアフリー状況

紀伊半島には巨岩奇岩が数多くあります。その中で橋抗岩と同様に道の駅が整備され、車椅子で観光できる奇岩「虫喰岩」のバリアフリー状況を紹介します。

高池の虫喰岩

国の天然記念物指定、虫に喰われたような巨大な奇岩、古座川町の「高池の虫喰岩」は、全高が約60m、幅が100mほどの巨大な岩です。1500万年ほど前に噴出したマグマが、風化により表面に穴があいた自然が生んだ奇岩です。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

道の駅は「高池の虫喰岩」の道を隔てた正面にあります。道の駅の駐車場から虫喰岩を観ることができ、道を渡って虫喰岩に更に近づくこともできます。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

道の駅認定を受けているので、24時間利用できるトイレが有り、バリアフリートイレがあります。物販コーナーは平日休業。原則土日祝だけの営業です。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

南紀エリアは、太古の自然活動が生んだ奇岩の景観を車椅子で楽しめます。その中でも「橋杭岩」と「虫喰岩」は、道の駅が整備されて、車椅子で観光ができる奇岩です。

なお南紀白浜のバリアフリー情報は、別稿「南紀白浜 車椅子観光ガイド 主な観光地のバリアフリー情報」を参照してください。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

能登 白米千枚田 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

能登半島の代表的な観光スポット、輪島市白米町の棚田、通称「白米千枚田」は、その見事な景観を車椅子で眺めることができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

白米千枚田の車椅子での鑑賞ポイントは「道の駅千枚田ポケットパーク」です。車で道の駅を目指してください。

道の駅千枚田ポケットパークが出来る前は、大型バスが道に車を停めて観光していたそうです。あまりにもひどい、ということで、駐車スペースが先に造られ、2013年に駐車場を増設、レストハウスを新設、そして展望台が造られて、車椅子で観光できる施設になりました。

車で道の駅を目指す

大人気の観光スポットです。荒天の日以外は、オールシーズン混んでいる可能性があります。崖の上の狭い敷地にある道の駅なので、絶対的なスペースは広くはありません。普通車の収容駐車台数は50台ほどしかなく、大型観光バスが停まります。

身障者用駐車区画は、駐車場の入口からすぐの場所に2台分あります。混雑時は駐車場誘導スタッフがいるので、駐車場入口で車椅子利用の旨を申告相談して下さい。空いていれば、身障者用駐車区画を利用できます。

白米千枚田」を高台から眺めます

駐車場にそって、崖の上が細長く展望台になっています。段差はなくバリアフリーに車椅子で進める展望台です。団体客がいると混雑しますが、細長いのでどこかにスペースがあるはずです。千枚田を車椅子で観られるポジションに進み、美しい棚田を鑑賞して下さい。

海沿いの傾斜地に広がる「白米千枚田」を高台から眺めます。ガイドブックなどに掲載されている風景が車椅子で楽しめます。棚田に下りるルートもありますが階段です。車椅子では展望台から眺めてください。

細長い構造の展望台

道の駅は絶対的なスペースが狭い施設なので、トイレ、売店、食事処、いずれもスペースに余裕がありません。混雑時は車椅子での利用はやや苦戦します。それでも基本設計はバリアフリーです。

食事処はセルフサービス方式で、「白米千枚田」でとれたお米のおにぎりが、販売されています。

「白米千枚田」は、稲作の担い手が無く、一時は休耕田になりかけたそうです。現在ではボランティアが参加して、その景観が維持されています。

白米千枚田」でとれたお米のおにぎりが

混雑しているとやや苦戦しますが、「白米千枚田」は車椅子での観光が可能です。

能登半島のバリアフリーな観光スポット、七尾市の「花嫁のれん館」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2017年5月の取材に基づいています)