東京都心の桜の名所バリアフリー情報 車椅子観桜お薦めスポット

東京都心部の主な桜の名所から、車椅子で観桜ができるお薦めスポット、少し注意が必要なスポット、車椅子では苦戦するスポットを紹介します。

サクラテラス

「車椅子での観桜お薦めスポット」

・東京ミッドタウン

ミッドタウンガーデンは、アップダウンの少ない舗装散策路から桜を楽しめます。檜町公園内の散策路は多少アップダウンがあるので、坂道が苦手な人は避けてください。

東京ミッドタウンの桜

例年桜の開花時期にイベントが開催されます。近年は桜のライトアップが行われます。

東京ミッドタウンの桜

・国立劇場

車椅子で散策できる前庭には「神代曙」など10種の希少種桜が植栽されています。開花の時期には「国立劇場さくらまつり」が開催され、お茶の無料サービスや、太神楽の上演などのイベントが開催されます。

半蔵門 国立劇場

・皇居東御苑

苑内には様々な種類の桜があります。「本丸」方面は坂道を上りますが、「二の丸庭園」周辺はフラットな舗装路から桜を鑑賞できます。体力の範囲で、無理のない観桜を楽しめます。

皇居東御苑の桜

・上野恩賜公園

お薦めは「上野の山」のお花見エリアではなく、「不忍池」周辺です。フラットな舗装路から桜を楽しめます。

不忍池

・芝公園

芝公園および増上寺一帯、フラットな舗装路から車椅子で桜を楽しめます。特に港区芝公園はフラットな構造です。

芝公園および増上寺一帯

・代々木公園

「桜の園」は舗装散策路からでも桜を楽しめます。また園内各所に桜があり、そして散策路に限らず、芝生エリアもフラットな路面が多いので、ルートを選べば車椅子で移動しながら桜を楽しめます。

代々木公園

・明治神宮外苑

神宮球場の周囲は、舗装路から桜を楽しめます。

明治神宮外苑

「御観兵榎」周辺は、路面は未舗装ですが、桜が楽しめるスポットです。車椅子では路面のデコボコに気をつけてください。

明治神宮外苑

・日比谷公園

園内通路の再整備が進み、デコボコした路面は減少しました。「三笠山」の斜面路以外は、車椅子で園内を散策できます。園内各所に桜がありますが、心字池周辺などが観桜ポイントです。

日比谷公園

・隅田公園

隅田川沿いに伸びる細長い公園です。園内はフラットで、車椅子で観桜を楽しめます。

隅田川沿いに伸びる細長い公園

・八重洲さくら通り

東京駅前から伸びる通りです。歩道を通りながら頭上の桜を楽しめます。

「車椅子では少し注意が必要なスポット」

・播磨坂さくら並木

その名の通り、坂道のさくら並木です。車椅子で通行すると、かなり力が必用です。体力に自信のある方向きの観桜スポットです。

・新宿御苑

多数の桜の品種が植栽され、長い期間お花見が楽しめる都内を代表する桜の名所です。

実際に車椅子で観桜に行くと、園内の移動ルートは、傷みでデコボコがある舗装路や未舗装路面、荒れた芝生路面、アップダウンなどがあり、車椅子での移動は苦労します。イメージするよりも、園内散策は快適ではありません。

それでも無理のない範囲で、車椅子で観桜を楽しむことはできます。

・旧芝離宮恩賜庭園

園内に舗装路はありません。庭園のパンフレットには「車椅子通行可能ルート」として一周可能な案内が載っていますが、あくまで決定的な段差がないというレベルで、快適なバリアフリールートではありません。

・浜離宮恩賜庭園

庭園入口から園内にかけて舗装路はなく、砂利路面と小さな段差が連続して続きます。

庭園のパンフレットに「車椅子通行可ルート」が載っていますが、あくまで頑張れば車椅子で通行可能なルートで、必ずしも舗装路ではありません。

・グランドプリンスホテル高輪

庭園はバリアフリールートが整備されていますが、段差路もあるため全域を車椅子で散策することは出来ません。レストラン「ステーキハウス桂」附近までは車椅子で行くことができます。

・椿山荘

椿山荘の庭園バリアフリールートは、ホテル棟の1F庭園出入口から、下りは「冠木門」まで、バンケット棟方面は滝までの範囲です。庭園全域が傾斜面で、散策路はほぼすべて坂道です。

・小石川後楽園

園内に舗装路はありません。車椅子でまわれる範囲は限定的です。部分的に砂利が深いところ、階段、車椅子では絶対に通行できない未舗装路などがあります。

しかしながら、銘木「枝垂桜」は、園が定める「車いす通行可ルート」にあります。

小石川後楽園

・六義園

「しだれ桜」は入口の目の前なので、この桜だけをみるならストレッチャーの方でも可能です。園内はほぼ平坦な砂利道の連続ですが、デコボコのある橋や山になっている箇所があります。少し無理をして砂利道を進めば、車椅子で園内の80%くらいを回遊できます。

・清澄庭園

園内に舗装路はありません。未舗装路ながら車椅子で通行可能なルートは、お庭の約半分です。入場口からみて「大泉水」の反対側にある「涼亭」の先までが、砂利路面に苦労はしますが車椅子でなんとか移動できる範囲です。

・旧古河公園

庭園への入口を抜けると、すぐに砂利道になります。この付近は車椅子でどうにもならないほどの砂利ではありません。洋館にむかって砂利道を進みます。洋館の南側からは階段になります。

洋館の裏側を通る「馬車道」は、庭園のガイドブックでは「車椅子利用可(要介助者)」となっていますが、荒れた路面の未舗装路で車椅子での通行は苦労します。

・北の丸公園

北の丸公園までのルートはアップダウンのある通路を移動することになります。坂道を通行できる人であれば、お花見散策は可能です。千鳥ヶ淵が有名ですが、北の丸公園内にも桜はあります。

北の丸公園

・外濠公園

飯田橋から四谷まで約2km断続的に続く外濠沿いの散策路です。土手の上の歩行者専用路は、出入口に段差がある箇所や、車椅子が通行できない車止めがある箇所があるので、車椅子で散策できる範囲は限定的です。傾斜路は通りますが、市ヶ谷駅川から土手は、三輪田学園付近まで車椅子で散策できます。

外濠公園

土手の下の車道、または外堀通りの歩道からは、車椅子で桜を楽しめます。

外濠公園

飯田橋側であれば、サクラテラスからはバリアフリーに観桜ができます。

サクラテラス

・靖国神社

参道は距離のある傾斜路で、神門内の桜エリアは未舗装路面があります。また周辺エリアはアップダウンがあり、どの方面からアクセスしても坂道を通ります。

開花のピーク時は駐車場が満車になることが多く、周辺道路に観光バスが停まる影響もあり、道路が大渋滞することがあります。

・六本木ヒルズ

毛利庭園周辺は車椅子で観桜できます。

六本木ヒルズ

人気の「六本木さくら坂」は、車椅子ではつらい傾斜路です。体力に自信のある方だけの観桜です。

六本木ヒルズ

・目黒川沿い

川沿いの散策路への出入口が段差の箇所が多々あります。大混雑している状況だと、段差のある出口に押し出されるような状況になります。段差の無い箇所を選び、その時の混雑状況に応じたルートを考えて観桜する必要があります。

目黒川

・池上本門寺

小高い山の上に建つお寺です。車利用で高台にある参拝者用駐車場に停めるか、池上会館内のエレベーターを利用して境内に進みます。

境内はアップダウンやデコボコした路面があります。車椅子での移動は快適ではありませんが、多少の無理をすれば車椅子で桜を楽しめます。

池上本門寺

「車椅子では苦戦するスポット」

・旧岩崎邸庭園

正門から受付までは、車椅子で進むのが困難な、深い砂利路面の長い上り坂のアプローチです。その先も砂利路面が続きます。車椅子での移動は困難です。

ただし庭園に入れば、未舗装路ですが、固い路面なので車椅子での移動は出来ます。

・飛鳥山公園

その名の通り山の公園です。車椅子で上るには「アスカルゴ」を利用しますが、桜の開花時期はたいへん混雑します。

また、山の上の公園スペースは未舗装路面が多く、舗装通路の路面も経年劣化でデコボコがあり、傾斜があります。車椅子で快適に移動出来る公園ではありません。

・アークヒルズ周辺の桜並木

アークヒルズ自体はバリアフリー施設です。カラヤン広場周辺や、アークさくら橋から、スペイン坂の桜並木を上から眺めることが出来ます。

桜並木がある桜坂、スペイン坂、泉通りは急坂で、車椅子での通行は困難です。アークヒルズ周辺の桜並木散策は、体力に自信のある方にもお薦め出来ません。

ただし隣接する赤坂インターシティAIRのお庭は、車椅子で観桜が楽しめるバリアフリー歩道が整備されています。

赤坂インターシティAIR

ご自身やご家族の障がいの状況に応じて、都心の桜の名所にお出かけください。

(本稿は2021年3月に加筆修正しました)

文京小石川 播磨坂 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都文京区にある桜並木が有名な坂道です。

播磨坂 車椅子散策ガイド

坂ですが、車椅子での通行が出来ないほどの傾斜ではありません。道路両脇はもちろん、道路中央部に歩道が整備され、流水施設、ベンチ、オブジェなどがあり、散策が楽しめます。

播磨坂 車椅子散策ガイド

文京区の高台。住所は小石川。同じ高台の隣町が小日向(こひなた)になります。

播磨坂 車椅子散策ガイド

播磨坂の周囲1km圏内にある主な小学校をあげると、「学芸大附属竹早」「筑波大付属」「お茶の水大附属」と名門校があります。最寄駅は茗荷谷です。

播磨坂 車椅子散策ガイド

「播磨坂」とは、いかにも江戸時代からありそうな坂の名前ですが、戦後の区画整理で誕生した道です。有名な桜並木も、1960年の植栽。江戸時代に「松平播磨守」の上屋敷があったので、「播磨坂」と命名されました。

播磨坂 車椅子散策ガイド

計画道路「環状三号線」の一部として開発された坂道ですが、「環状三号線」計画はとん挫。この「播磨坂」だけが完成して終わった計画道路です。そのため、周囲の道路とは全く異質な幅広道路で、ここだけなぜこんなに立派な道なのか、不思議な存在感が面白い坂道です。

播磨坂 車椅子散策ガイド

純粋な道幅では、坂上で交わる「春日通り」よりも「播磨坂」のほうが、幅広道路です。そのため歩道幅は余裕があり、車道にはパーキングメーターが設置され、さらに道路中央部にも散策歩道がある、スペース的に贅沢な坂道となっています。

播磨坂 車椅子散策ガイド

人気のピークは「文京さくらまつり」期間。この期間は、歩行者天国が実施されます。

1960年に植えられた桜並木も、今や古木。貫禄の桜並木です。

桜の季節は、道路中央部の歩道はお花見宴会エリアになり混み合いますが、両脇の歩道、歩行者天国の歩道を通れば、満開ピークの時期でも、車椅子での通行が困難なほどの混雑ではありません。

桜の季節を外せば、混雑とは無縁な散歩道です。パーキングメーターも、満車になることはあまりありません。

播磨坂の坂下方面を進むと「小石川植物園前」の交差点。この交差点で交わる「千川通り」も、パーキングメーター設置路線です。

播磨坂 車椅子散策ガイド

播磨坂の中央部の散策路は、坂上が「洋風ゾーン」、坂下が「和風ゾーン」とされ、意匠が異なります。

播磨坂 車椅子散策ガイド

道路中央部の歩道は、1995年に整備されたもの。歩道の切れ目の段差や、車両侵入防止用の出っ張り棒など、現在のバリアフリーの常識からみれば、やや不自由な設計設備はあります。それでも、1995年の設備としては上等なバリアフリー設計です。公衆トイレにはバリアフリートイレがあります。

播磨坂 車椅子散策ガイド

このエリアは、文京区がバリアフリー化に力を入れています。

播磨坂の周辺の横道を少し散策してください。まだ周辺全域ではありませんが、段差のない完全バリアフリー歩道に改修されているエリアがあります。

基本的には傾斜地なので、車椅子での散策にはやや苦労がありますが、小石川の住宅街の散策を、バリアフリー歩道で楽しめます。

播磨坂 車椅子散策ガイド

「播磨坂」及びその周辺エリア以外の、文京高台エリアの坂道は、車椅子での散策を積極的にはお薦めできません。

例えばお隣町の小日向エリアの坂は、傾斜が急、あるいは途中で階段になる、歩道が狭い又は無いなど、土地勘なくスマホ頼りに車椅子で移動すると、ひどい目にあう可能性が高いエリアです。特に音羽方面に行くと、行き止まりが頻発します。

播磨坂 車椅子散策ガイド

車椅子で安心して散策できる文京の坂「播磨坂」。段差地形に興味のある車椅子利用者に、お薦めできる坂道です。

(本稿は2020年10月に加筆修正しました)

古河桃まつり 古河公方公園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

毎年3月下旬から4月上旬にかけて開催される、茨城県古河公方公園の「古河桃まつり」(2020年は中止になりました)は、混雑する人気イベントです。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

古河桃まつりは

古河公方公園(古河総合公園)は徒歩圏に駅はありません。桃まつり期間中は、古河駅と公園をむすぶ有料の臨時シャトルバスが運行されます。

公園に駐車場はありますが、桃まつり期間中の、特に週末はすぐに満車になり、周辺道路まで渋滞します。そのため少し離れた市役所や市民球場の駐車場が無料開放されます。

車椅子利用者の場合、やはり公園の駐車場の利用が便利です。今回取材した時は、休日の14時に車で公園近くに到着し、公園駐車場への入場まで20分かかりました。

公園駐車場入口に到着すると、誘導のスタッフがいるので車椅子利用の旨を申告相談してください。複数箇所に身障者用駐車区画が用意されているので、空いている場所に誘導していただけます。

古河総合公園

古河総合公園

通常期は無料の公園駐車場ですが「桃まつり」期間は有料になります。料金は後払いで、駐車料金の障がい者減免制度はありません。

古河桃まつり 古河公方公園 車椅子で鑑賞バリアフリー情報

公園のトイレの桃まつり期間中、休日午後の状況です。

バリアフリートイレは2か所。正面入口近くの「管理棟」と、「御所沼原」横のトイレにあります。

古河桃まつり 古河公方公園 車椅子で鑑賞バリアフリー情報

古河桃まつり 古河公方公園 車椅子で鑑賞バリアフリー情報

どちらのトイレも女性用トイレが大行列で、それに連動してバリアフリートイレも、女性用トイレの一つとして大行列になっていました。バリアフリートイレがないトイレ棟は「桃林」の近くに2棟あります。

古河桃まつり 古河公方公園

桃林のバリアフリー状況です。桃林エリアのメイン通路は舗装路で、車椅子で問題なく通行できます。

古河公方公園(古河総合公園)

桃林内の通路、および「桃まつり」のメイン会場になる広場は未舗装路面です。それでもデコボコは小さいので、頑張れば車椅子で通行可能です。

古河公方公園(古河総合公園)

古河公方公園は「桃林エリア」と「御所沼エリア」に分かれます。

「桃林エリア」の半分以上は桃の林です。公園全体では30%程度の面積が桃の林になります。全体で22.4haの公園ですから、桃林が7haから8haあります。

古河桃まつり 古河公方公園 車椅子で鑑賞バリアフリー情報

この地が江戸時代に、桃の木の植林が盛んであったことが始まりです。ただし現在の公園の桃の木は、すべて戦後に植えられたものです。

古河桃まつり

「御所沼エリア」には移築された古民家があり、未舗装ですがフラットで固い路面なので、車椅子で外観は見学できます。

古河桃まつり 古河公方公園 車椅子で鑑賞バリアフリー情報

古河桃まつり 古河公方公園 車椅子で鑑賞バリアフリー情報

古河桃まつり 古河公方公園 車椅子で鑑賞バリアフリー情報

古河桃まつりは車椅子で鑑賞可能です。週末に行く場合は、道路とトイレの渋滞に注意して下さい。

古河市の「道の駅まくらがの里こが」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2016年と2020年の取材に基づいています)