「道の駅」は車椅子で利用できる施設ですが、現地のバリアフリー状況はそれぞれです。車椅子目線での情報と施設の特徴を紹介します。
本稿は栃木県の南部(小山市、野木町、栃木市、佐野市、足利市)にある「道の駅」情報です。開業年が新しい順に紹介します。
なお道の駅の名称をクリックすると、より詳しいバリアフリー情報ページにリンクします。ご参照ください。
「道の駅にしかた」(栃木市)
2009年開業して、2014年にリニューアルをしている道の駅です。物産館、農産物直売所、食事処、トイレ棟の構成で、バリアフリートイレはトイレ棟と食事処の2か所に用意されています。施設全域に段差がないバリアフリー施設です。

身障者用駐車区画は2台分、敷地内入場口の近く、一般駐車場とは離れた場所に設定されています。屋根付き駐車場で、雨の日でもトイレ棟までは濡れずに行ける設計です。ただしこの身障者用駐車区画は周囲のスペースに余裕がありません。

「交流物産館さくら」と「農産物直売所 ふれあいの郷」は、店舗面積そのものにあまり余裕はありません。混雑していると車椅子での店内移動は楽ではありません。

「農村レストランふるさと一番」棟は、バリアフリー上の問題はありません。食事処の店内は広く、車椅子で利用できます。入口はテイクアウトのジェラートショップがあり、車椅子で購入できます。

施設のマスコットは、コシヒカリを手に持ったイチゴの妖精「キララちゃん」です。

「道の駅思川」(小山市)
2006年に誕生した大型施設。「小山ブランドの創生と発信」を担う施設です。

ショップ棟、レストラン棟、地域コミュニティ施設棟、トイレ棟で構成されます。身障者用駐車区画はトイレ棟の前に屋根無しで3台分あります。

バリアフリートイレは、トイレ棟内の男女別トイレの入口にそれぞれ1つ用意されます。

農産物や地元物産品を販売するショップ棟は「小山物語館」。店舗内はフラットな構造で車椅子での利用は可能です。物販売場の通路幅は平均的で、極端な混雑状況でなければ車椅子での店内移動は可能です。

レストラン「小山食堂さくら」は、エントランスから店内までスペースに余裕があるフラット構造で、可動式のテーブルと椅子席があり車椅子で利用できます。

トイレ棟の裏側に、電動遊具などがある子ども向けの小さな遊園地があります。

小山物語館の裏側は、現在は広いフリースペース「ワイワイ広場」です。

「道の駅みかも」(栃木市)
開業は2004年。2015年4月にリニューアルして、農産物直売所の什器が一新され、通路幅がワイドになりました。直売所と食事処が入るメイン棟と、独立したトイレ棟、そして別棟の無料休憩所で構成される施設です。

身障者用駐車区画はトイレ棟の前に3台分あります。バリアフリートイレはトイレ棟に1つ用意されています。佐野藤岡インターの近くで、観光シーズンの週末はとても賑わいます。

「新鮮野菜直売所・物産館」は、通路幅に余裕があり、少々の混雑なら車椅子での店内回遊は可能です。

食事処「レストランみかも」はセルフサービスですが、店内はフラットでスペースに余裕があり、可動式のテーブル席があります、車椅子で利用できます。

別棟の無料休憩所「みかも亭」は半分はお座敷席、半分はテーブル席、テーブル席なら車椅子で利用できます。直売所で買ったお弁当などを自由に食べることができます。

「道の駅どまんなかたぬま」(佐野市)
開業は2001年。日本の中心点に位置するので「どまんなか」と称しています。屋内施設は大きく2棟に分かれます。レストラン、フードコート、アイス屋、お土産ものなどがあるメイン棟と、団子屋などの屋台も併設された直売所棟です。

駐車場は施設の両側で、どちらにも身障者用駐車区画があり、合計で7台分身障者用区画が用意されています。混雑時は館内放送で「障がい者用駐車場は障がいのある人専用です」というメッセージが頻繁に流れます。駐車場から施設へのアクセスルートには段差はありません。

バリアフリートイレは、屋内と独立棟トイレの中、合計2つ用意されています。

メイン棟の通路はフラットで主なドアは自動ドアです。特に中華料理のレストランはバリアフリーで、車椅子での利用に大きな問題はありません。

直売所棟内はやや配慮に欠けた通路設定の箇所があり、混雑すると車椅子での店内移動は苦戦します。また直売所店内の南側は床面が外側に向かって少し下がっています。当然販売台もちょっと斜めになっています。わずかな傾斜なので、車椅子が動けないということはありませんが、注意して利用して下さい。

屋外は屋台が出店し、とても活気があります。敷地内には子供向けの遊び場や、無料の足湯施設があります。足湯は車椅子利用者への特別な配慮はありません。

季節毎にイベントが開催され、毎日がお祭りのような雰囲気の道の駅です。
(本稿は2019年1月に初稿を執筆しました)
栃木県「道の駅」の紹介記事は、別に「栃木県北編」「栃木県東編」「栃木県央編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。