「道の駅」は車椅子で利用できる施設ですが、現地のバリアフリー状況はそれぞれです。車椅子目線での情報と施設の特徴を紹介します。
本稿は茨城県の県北(北茨城市、高萩市、常陸太田市、常陸大宮市、日立市、那珂市、ひたちなか市、大子町、東海村)にある「道の駅」情報です。開業年が新しい順に紹介します。なお道の駅の名称をクリックすると、より詳しいバリアフリー情報ページにリンクします。ご参照ください。
2016年開業。段差が全くないバリアフリー設計の施設です。身障者用駐車区画は3台分あり、施設の正面ではなく横側に配置されています。
バリアフリートイレは計3つあります。24時間トイレ棟には、男女別トイレの入り口にそれぞれバリアフリートイレを配置。異性介護でも利用でき、同性介護で異性側のバリアフリートイレを使用しても問題ありません。メイン棟の中の屋内トイレにもバリアフリートイレがあります。
屋内施設の主な構成は、直売所、フードコート、レストラン、CVSです。出入口は自動ドア。車椅子で利用しやすいフラットで広い通路。ビュッフェレストランも一般的な車椅子利用者なら、大きな問題はなく利用できます。
屋外施設もバリアフリー。イベント広場、こども広場とも、車椅子での利用は可能です。トマトハウスは栽培ハウスで、要予約で収穫体験が出来ます。利用者の障がいの状況によりますが、概ねバリアフリー仕様になっています。
2016年開業。施設全域、段差が全くない構造です。身障者用駐車区画は4台分。トイレは別棟と屋内の2カ所あり、それぞれにバリアフリートイレが用意されます。
「かわプラザ」と称していますが、久慈川沿いの立地で「親水広場」を整備。その一角には「ドクターヘリポート」が設置されています。川に向かってバリアフリー歩道が整備され、河原のすぐ手前まで車椅子で行くことができます。
敷地面積は55,884㎡と広く、直売所、食事処に加えて小規模ながらフードコートを備えています。
直売所内はフラットで通路幅は広く、車椅子で買い物ができます。
力を入れている特産品は「エゴマ」。「えごま油」を絞る加工場が施設内に併設されています。生絞り「えごま油」から、えごま油入りのジェラートやパンなど、名物を目指して常陸大宮産の「エゴマ」の加工品が販売されています。
フードコートや食事処からは久慈川の雄大な風景を臨むことができます。展望コーナーが2Fに設けられていますが、2Fへは階段のみです。
施設建物の裏、久慈川を臨む高台には「バーベキュー場」があり、手ぶらでバーベキューが楽しめます。大きな段差はありませんが、テーブルと椅子は固定式です。
施設建物の横には、屋根付きで舗装された広い「イベント広場」、大型遊具もあるある芝生の「公園」、更に「体験農園」まであります。どこに行くにも段差の無いバリアフリー設計です。
「道の駅常陸大宮」は、「次世代の道の駅」として、中継地ではなく、旅の目的地になることを目指しています。
道の駅登録されたのは2014年ですが、「日立おさかなセンター」としては1992年から営業しています。トイレとその周辺の駐車場を整備して「道の駅」になりました。そのため車椅子では苦労する古い設備も現存しています。
新設した独立棟のトイレにはバリアフリートイレを1つ用意。広くて設備もよく、冬季は暖房が入ります。
駐車場は施設前と施設後方の2か所に分かれ、どちらにも身障者用駐車区画があり、計7台分が用意されます。
施設後方の新設トイレ近くの駐車場が整備されたばかりなので綺麗ですが、機能的にはどちらもそれほど違いはありません。どちらからでも施設前までは段差を回避して行くことができます。
施設は3つに分かれます。第一センターは1F鮮魚店街と2Fに飲食店、第二センターは平屋の飲食店街、第三センターが1Fの飲食店と鮮魚店になります。
第二センターは駐車場と同じ高さで、寿司屋などの飲食店や青果店などが並びます。店舗前に段差がある店が多いのですが、寿司屋には段差回避スロープが設置されました。
第一と第三センターは50cmほどかさ上げされた敷地に並んで建っています。第一と第三センターに車椅子で行くには、幅が狭く傾斜が少し急なスロープを利用します。
第三センター2Fの飲食店へは階段のみです。1Fの鮮魚店街は、通路幅があり車椅子で利用できます。
第三センターは「みなと町横丁商店街」。飲食街には、鮮魚店で買ったものを自分で焼いて食べられる「浜焼きコーナー」、好きなネタを選んで買って丼にする「味勝手丼」、そして「立ち食い寿し」のお店があります。「浜焼きコーナー」「味勝手丼」とも可動式の席なので、空いていれば車椅子で利用できます。第一センターと第三センターの中央部を繋ぐ通路は、手動ドアをそれぞれ開閉して移動します。
車以外のアクセス方法です。JRの駅とおさかなセンターを結ぶ、「ひたちBRT」というバスがあります。廃線になった日立電鉄線の線路軌道を、バス専用の道路にして走る交通システムです。いわゆる「低床バス」で運行されています。
1998年に開業した施設ですが、2021年5月にリニューアルオープンしました。車椅子利用者への配慮が伝わってくる設備改良がおこなわれています。
広い区画の身障者用駐車スペースは2台分で屋根無しタイプ。駐車場から施設へはロングスロープで上ります。
トイレは独立棟と屋内があり、それぞれバリアフリートイレが1つ用意されます。
2フロア構造の道の駅で、エレベータがあります。1Fが直売所とお土産コーナー、そしてセルフサービスの食事処。2Fは天然日帰り温泉です。
1Fの情報コーナーやショップは、改装でスペースに余裕ができました。外部売場もスペースに余裕があり、車椅子での利用、買い物は可能です。
扱い商品は山の幸を中心に美味しいものが並びます。特産品はリンゴ。お肉ならシャモ。こんにゃく、蕎麦なども特産。「凍みこんにゃく」「奥久慈しゃも」などが並び「奥久慈茶」も自慢のブランド。大子町はお茶の栽培北限の地で、周辺にはお茶畑があります。
1995年開業。建築デザインが面白い道の駅です。ここは里見地区。里見牧場の乳製品などが特産です。
駐車場に身障者用駐車区画が2台分ありますが、一般駐車区画と全く同じサイズで乗車スペースの余裕はありません。道の駅施設は駐車場からは段差の上。車椅子では身障者用駐車区画の近くにある、折り返し構造のスロープで施設へ上がります。
施設建物はとても凝った設計で、お金をかけたことが解ります。モチーフは「傘」。バブル期にこの地区で「アンブレラ展」というイベントが開催されたことに由来します。良いものを大切に長く使っている施設です。
「道の駅さとみ」は、半独立型の公衆トイレ、観光情報コーナー、直売所、食事処という4つの施設で構成されます。
建屋への出入口は手動ドアの箇所もあります。「直売所」から「食事処」へはインドアで繋がる構造で、床面は基本的にフラットなので車椅子での移動に大きな問題はありません。
「直売所」の店内通路幅は一般的なサイズで、空いていれば車椅子での利用に大きな問題はありません。「食事処」はフラットな構造でバリアフリー、車椅子での利用は可能です。
1995年の開業。常陸大宮市の美和地区にあります。夜空の綺麗な星と、美味しい地産農産物、とりわけ「しいたけ」と「そば」が名産で、巨大な「しいたけ」のモニュメントがあります。
5台分の身障者用駐車区画があります。この施設は山の傾斜部を活用した構造で、駐車場が下部、施設が上部の構造です。そのため身障者用駐車区画から、車椅子で幅の狭い傾斜の歩道を上ります。
トイレは「満てんトイレ」と称し、天井に夜空の満天の星空の画を掲げ、入り口付近には往年の映画スターのポスターを貼り、清掃に心を配ることを是としています。バリアフリートイレは1つ用意されます。
商業施設の総称は「みわ★ふるさと館 北斗星」。農産物直売所「しんせんファクトリー」は規模の大きなショップです。この店舗のほぼ半分の床は緩い斜面になっています。車椅子では気をつけて利用してください。
他に名産品・お土産品コーナー「ショップほくとせい」と、「常陸秋そば」を提供する食事処「レストラン北斗庵」があり、小規模ですが車椅子で利用できます。
茨城県「道の駅」の紹介記事は、別に「茨城県県央編」「茨城県県西編」「茨城県鹿行編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。
現時点では茨城県の県南(石岡市、かすみがうら市、土浦市、つくば市、つくばみらい市、守屋氏、取手市、牛久市、龍ヶ崎市、稲敷市、阿見町、利根町、河内町、美浦村)には、「道の駅」登録された施設はありません。