洗足池 大田区立勝海舟記念館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都大田区南千束、洗足池の畔に建つ有形文化財「清明文庫」をリノベーションして、2019年に「勝海舟記念館」が開館しました。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

大田区立勝海舟記念館 車椅子利用ガイド

洗足池は海舟お気に入りの場所。晩年は別荘として「洗足軒」を建て、この地に永眠することを願い、自身がデザインした墓石の下で洗足池の畔に眠っています。

海舟に関する図書の収集、閲覧、講義の開催などを目的に、昭和8年に洗足池の畔に開館したのが「清明文庫」です。この建物を増築、リノベーションして誕生したのが「大田区立勝海舟記念館」です。

大田区立勝海舟記念館 車椅子利用ガイド

アクセス方法です。洗足池駅から徒歩6分の案内です。周囲はアップダウンがある地形なので、坂道に弱い車椅子利用者は注意してください。

一般来館者用の駐車場はありませんが、身障者用駐車スペースが1台分用意されています。記念館裏側の入口にあり、予約制ではなく、空いていれば自由に利用できます。身障者用駐車スペースからは、裏口から2枚の自動ドアを通過して館内にバリアフリーに入ることができます。

大田区立勝海舟記念館 車椅子利用ガイド

1F裏口側にバリアフリートイレが1つあります。スペースは一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、跳ね上げ式のユニバーサルベッドが備えられています。ユニバーサルベッドの長さは短いタイプで、150cm程度です。

大田区立勝海舟記念館 車椅子利用ガイド

勝海舟記念館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して、入館手続きを行います。

展示室は1Fと2Fで、一般来館者は階段で移動します。増築部分にエレベーターが設置されているので、車椅子利用者はスタッフの案内に従い、エレベーターを利用して下さい。

大田区立勝海舟記念館 車椅子利用ガイド

階段以外は、車椅子で鑑賞できない決定的な段差がある展示箇所はありません。車椅子目線で見難い展示もほとんどありません。

1Fのミュージアムショップは、とても狭い売り場です。それでも空いてれば車椅子で利用可能です。

1Fの見どころです。中央部にある「海舟ブレイン」は、様々な資料から海舟の残した言葉を、次から次に紹介するハイテク展示です。今回取材時、10分以上見学しましたが、同じ言葉は紹介されませんでした。全体のコンテンツ数は分かりませんが、相当な数の言葉が紹介されています。

「時の部屋」は小さな空間ですが、車椅子で利用できます。「咸臨丸」の航海を紹介するCGが壁面も利用して上映されます。今回取材時のコンテンツは、上映時間9分で見応えがありました。

2Fの見どころです。海舟の胸像がある「旧貴賓室」と、講義などが行われていたホールがあります。

大田区立勝海舟記念館 車椅子利用ガイド

ホールに設置された大型ビジョンで、海舟を紹介するビデオがリピート放映されていました。車椅子で問題なく鑑賞できます。

今回取材時は3本のコンテンツが紹介されていました。海舟の人生、江戸無血開城までのヒストリー、洗足池の四季が学べました。

大田区立勝海舟記念館 車椅子利用ガイド

コンパクトなミュージアムですが「大田区立勝海舟記念館」は、バリアフリー面での配慮がある、車椅子で利用できる施設です。

画家の川端龍子の自宅とアトリエがある「大田区立龍子記念館」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年8月に執筆しました)

大森海苔のふるさと館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都大田区の「大森海苔のふるさと館」は、2008年に開館した車椅子で見学ができるバリアフリーな入館無料の資料館です。施設名称は海苔の故郷が大森であることを意味しています。大森が海苔の大産地として発展し、江戸時代の終わり、大森から海苔づくりが全国に広がりました。

人工の浜辺を再現した「大森ふるさとの浜辺公園」内にある施設です。アクセスは平和島駅から徒歩15分の案内。車椅子利用者は車の利用が便利です。駐車場は大森ふるさとの浜辺公園駐車場を利用します。有料駐車場で、駐車料金の障がい者減免制度はありません。身障者用駐車スペースが設けられています。

大森海苔のふるさと館

これとは別に同駐車場内に、大森海苔のふるさと館の来館者専用身障者用駐車スペースが1台分あります。通常は入口にポールが立ち駐車できないようになっています。利用したい場合は大森海苔のふるさと館へ事前連絡をして下さい。ここに駐車しても大森ふるさとの浜辺公園駐車場の出庫ゲートで駐車料金がかかります。

大森海苔のふるさと館

大森海苔のふるさと館のエントランスに向かいます。エントランス周辺はフラットな舗装路面です。

大森海苔のふるさと館

館内への出入口は一か所です。車椅子で問題なく利用できます。

大森海苔のふるさと館

2枚の自動ドアを通り館内へ入ります。

大森海苔のふるさと館

入口に貸し出し用の車椅子が置かれています。

大森海苔のふるさと館

大森海苔のふるさと館は3フロア構造の施設です。1Fは展示室、ライブラリー、体験学習室。2Fは展示室と講座室。3F は休憩コーナーと展望テラスです。

バリアフリートイレは1Fにあります。

大森海苔のふるさと館

スペースは一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

大森海苔のふるさと館

1Fの展示は「海苔のまち大森の記憶」。昭和33年に造船された全長13ⅿの海苔舟が展示されています。

大森海苔のふるさと館

大田区に唯一残る本物の海苔舟です。観覧スペースから車椅子で問題なく見学できます。

大森海苔のふるさと館

1Fのライブラリーでは海苔に関する情報を本やPCで閲覧できます。テーブルは可動式で、PC台の下は車椅子の足が入る構造です。

大森海苔のふるさと館

エレベーターで2Fへ上がります。一般的なサイズの車椅子は利用できるサイズのエレベーターです。

大森海苔のふるさと館

2Fは海苔に関する技術、歴史など様々な情報が紹介される展示室です。1000点以上の海苔関係の資料があり、内881点が国の重要有形民俗文化財に指定されています。すべての展示を車椅子から観覧できます。

大森海苔のふるさと館

船、養殖道具、作業道具、作業着など、往時の資料が丁寧な解説とともに展示されています。大森は日本の海苔発祥の地。1700年代の前半、江戸時代享保年間の頃、大森界隈で海苔の養殖技術が開発され、それが江戸末期に日本全国に伝わり、明治になって各地で海苔の生産が始まったそうです。海苔のふるさとは大森です。

大森海苔のふるさと館

大森の海の変遷を知る貴重な写真が展示されています。全盛期の大森海苔養殖場は、ほぼ現在の羽田空港全域です。羽田空港全てが海苔の漁場でした。大森の海苔生産の歴史は、1962年に終わりました。

大森海苔のふるさと館

エレベーターで3Fへ上がります。休憩コーナーはフラットでスペースに余裕があるので、車椅子で利用できます。

大森海苔のふるさと館

手動ドアを開けて展望テラスに移動できます。段差はありません。

大森海苔のふるさと館

小さなテラスに花壇があります。テラスはフラットで、車椅子で利用できます。

大森海苔のふるさと館

展望テラスから、大森ふるさとの浜辺公園を眺めることができます。

大森海苔のふるさと館

大森ふるさとの浜辺公園のバリアフリー状況を紹介します。大森海苔のふるさと館が建つのは「ふるさとの広場」の横で、人工砂浜などがあるエリアは「浜辺橋」を渡った先のエリアになります。

大森海苔のふるさと館

大森海苔のふるさと館の前に、砂浜などへの行き先掲示板が設置されています。

大森海苔のふるさと館

園内の散策路は傾斜が緩い舗装路面です。車椅子で散策できます。

大森海苔のふるさと館

ややアップダウンがある散策路もあります。

大森海苔のふるさと館

砂浜までは少し距離がありますが、海沿いまではすぐに着きます。

大森海苔のふるさと館

公園に船舶が係留されています。

大森海苔のふるさと館

大森ふるさとの浜辺公園のトイレ棟に、バリアフリートイレがあります。

大森海苔のふるさと館

大森海苔のふるさと館は、江戸から昭和にかけての海苔養殖の歴史を学ぶ大人が楽しめる展示があります。車椅子で観覧できるバリアフリーなオンリーワン資料館です。

東京のユニークな博物館を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年7月に書き直しました)

東京港野鳥公園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都大田区にある、東京湾の埋め立て地に蘇った野鳥の楽園「東京港野鳥公園」は、車椅子でバードウォッチングを楽しめる公園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

最寄りの駅は東京モノレールの流通センター駅です。大森駅、平和島駅からのバスもあります。また無料駐車場があり身障者専用区画があります。

公園前の道から入口までが急坂路です。一般駐車場は坂の下ですが、身障者用駐車区画は、急坂の上の公園入口の前に用意されています。したがって車でのアクセスが最も便利です。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

東京港野鳥公園の入園料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。休園日は月曜日、祝日の場合は翌火曜日と年末年始です。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

園内の概要と車椅子お薦めコースを紹介します。公園は東西の2ブロックに分かれ、それぞれでバードウォッチングなど自然観察が楽しめます。

園内の通路はすべてがバリアフリーではなく、未舗装路や急坂路の箇所もあります。車椅子利用者にお薦めしたいのは「ネイチャーセンター」屋内からのバードウォッチングです。入口から「ネイチャーセンター」までのルートのバリアフリー状況を詳しく紹介します。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

入園すると最初に芝生広場があります。この横にトイレ棟がありバリアフリートイレがあります。ネイチャーセンター内にもバリアフリートイレがあります。

ネイチャーセンターまでは大部分舗装通路が整備されていますが、芝生広場の周回路のごく一部分は未舗装路で、雨上がりは車椅子がドロドロになるリスクがあります。デコボコはひどくないので、路面が乾いてれば車椅子での通行に大きな問題はありません。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

舗装通路を通り「いそしぎ橋」を渡り、東エリアに進みます。その先に、左が舗装路、右が未舗装路の分岐点があります。

左の舗装路を進むとその先に「東観察広場」があり「東淡水池」の様子を観察することができます。ただしその先「ネイチャーセンター」までは、やや傾斜角度が急な下り坂を通ることになります。

坂道が嫌いな人は、右の未舗装路に進むと緩やかな傾斜路です。未舗装ですがデコボコはそれほどひどくはありません。このルートを通ると「東観察広場」には行きません。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

東観察広場は観察用の壁がある露天施設で、壁には様々な高さののぞき穴があり、多数の望遠鏡が設置されています。車椅子からの高さでも覗くことが出来る高さの穴があります。

露天屋外の観察場なので、静かにするのがルールです。声がでるタイプの障がいのある人と一緒の場合は、この点はご注意ください。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

「ネイチャーセンター」は下り坂の先にあります。ここはバリアフリー施設です。エレベーターがあり、冷暖房完備で、車椅子で快適に屋内から自然観察が出来ます。

建物は4フロア構造。エントランスフロアは2Fで、大きなガラス張の観察ルームです。バリアフリートイレはこのフロアにあります。1階下の1Fフロアもほぼ同様の構造。より低い位置から「潮入りの池」を車椅子から観察できます。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

両フロアには望遠鏡が多数あり自由に使用できます。またレンジャーやガイドスタッフがいるので、聞きたいことがあれば質問が出来ます。野鳥以外にも、例えば跳ね上がる魚や湿地の蟹などの観察も出来ます。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

「ネイチャーセンター」の1Fと2Fはバリアフリー環境ですが、他の2フロアは車椅子利用上の問題があります。

3Fは展望室で「東淡水池」方面を高所から観察できます。ただし窓ガラスの位置がやや高く、車椅子からの目線では空を見上げることになります。

地階は湿地に面したフロア。湿地内に通路があり歩き回ることができます。この湿地観察通路は幅が狭く、一般的な車椅子は通行不可。車椅子での通路からの観察は出来ません。フロア内部からの湿地観察になります。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

2018年4月。11ヘクタール干潟が広がりました。新しい干潟は前浜干潟。観察用の「前浜干潟観察デッキ」が新設されました。ただし「ネイチャーセンター」から先は、激しいデコボコはありませんが未舗装路です。

「2号観察小屋」と「1号観察小屋」へは、やや急な傾斜がある未舗装路を通ります。いずれも無理をすれば車椅子でも通行できるレベルです。

車椅子でお出かけバリアフリー公園情報~東京港野鳥公園

西エリアのバリアフリー状況です。「西淡水池」がある公園西エリアへは、身障者専用駐車区画の横から、比較的傾斜の緩い未舗装路で「自然生態園」まで進むことができます。「3号観察小屋」と「4号観察小屋」にかけても未舗装路で多少のアップダウンがありますが、無理をすれば車椅子でもなんとか通行できるレベルです。

「ネイチャーセンター」屋内からのバードウォッチングは、一年中、車椅子利用者にお薦め出来ます。「東京港野鳥公園」は、一部の未舗装路を通行できれば、車椅子で自然観察が楽しめるバリアフリー施設です。

千葉県習志野市の「谷津干潟自然観察センター」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年5月の取材に基づいています)