浜松のスイーツ・コミュニティ「nicoe」車椅子利用ガイド バリアフリー情報

静岡県浜松市浜北区の「nicoe(ニコエ)」は、うなぎパイの春華堂が開設した「お菓子の新しい文化とスタイルを日本中に発信していく提案型のスイーツ・コミュニティ」です。そして車椅子で利用できるバリアフリー施設です。現地の状況を紹介します。

「nicoe」がある「浜北」は、東名の浜松西Ic、新東名の浜松浜北Icのいずれからも約10km。新東名と東名の中間にあたる場所です。

周辺は「きらりタウン」という名称の高台の開発地。パン屋や美容院、カフェなど、小さいながらもお洒落なショップが点在する面白いエリアです。

「nicoe」は、そのような浜北に、総工費31億円をかけて2014年7月に開業したお菓子のテーマパークです。

「nicoe」は、入場は無料。屋内店舗から屋外広場まで、素晴らしいバリアフリー設計です。綺麗なバリアフリートイレが用意されています。車椅子での利用に大きな問題はありません。

浜北スイーツ・コミュニティの立地背景

徒歩圏に駅はありません。車でのアクセスが便利です。110台を収容する無料駐車場があります。身障者用駐車区画は計4台分あり、そこから施設内へ全く段差の無い通路を通り移動できます。

スイーツ・コミュニティの新しいお菓子のブランドの提案は2つ。パイがテーマの「coneri(こねり)」と和菓子の「五穀屋」です。グルメの提案が、調理工程が見えるライブキッチンの「THE COURTYARD KITCHEN(ザ コートヤード キッチン)」。

子供向けの遊び場の提案が無料で利用できる「プレイグランド082(おやつ)」。

「春華堂」ブランドからの提案は、高級菓子「うなぎパイVSOP」。夜のお菓子を超えた「真夜中のお菓子」です。

うなぎパイだけでも、組み合わせの提案が多数。うなぎパイ以外のお菓子の提案も多数。

作りたての「わらび餅」、焼き立ての「どら焼き」と、春華堂からの新しい提案があります。

館内には座ってお菓子をいただけるイートインコーナーが複数箇所あり、ほとんどのコーナーは車椅子で利用できます。このような提案があるスイーツ・コミュニティです。

館内はディスプレイなどにも提案があります。和菓子の練り切りの見本展示は、写真を撮る人が続出する人気ディスプレイ。

和菓子の練り切りの見本展示

イートインスペースの大型モニターでは。ショップのスタッフがアバターに変身。画面にタッチして遊べます。

バリアフリートイレの前の床には、子供向けのプロジェクションマッピングが天井部から投影されています。

「nicoe」とは、にこにこ(笑顔)の「nico」と縁(えん)の「e」をつなげたネーミングです。「nicoe」は車椅子で利用できるバリアフリー施設です。

春華堂工場にある「浜松うなぎパイファクトリー」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2015年8月の取材に基づいています)

浜松市楽器博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

静岡県浜松市、アクトシティ浜松D棟の「浜松市楽器博物館」は、車椅子で利用できる専門博物館です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

1995年の開館。質量ともに驚きのコレクションです。どうやって手に入れたのか想像もつかないレアな楽器があります。展示楽器は約1300点です。

受付を通り館内に入場すると、音声イヤホンガイドの無料貸し出しコーナーがあります。「長時間滞在者(2時間)向け」の音声ガイドだという案内。世界の楽器を一堂に集めた2時間コースの博物館です。

浜松アクトシティ

車椅子でのアクセスルートです。浜松アクトシティD棟の1FとB1の2フロアにある公立の博物館です。

アクトシティ浜松は、浜松駅と直結します。2F連絡デッキを通り、車椅子で駅からアクセス出来ます。途中に屋根の無い区間があるので、雨天の移動は注意して下さい。

地上路からもアクセスできます。D棟は最も駅から遠い場所に建つので、駅から徒歩10分の案内になっています。

車利用の場合は、浜松アクトシティの地下駐車場の利用が便利です。各棟の地下に有料駐車場があります。楽器博物館の利用による駐車料金の減免サービスはありません。浜松アクトシティの地下駐車場には、身障者用駐車区画があります。駐車料金の障がい者減免制度はありません。

車椅子でのアクセスルート

博物館の入口はアクトシティD棟の1Fです。バリアフリートイレはD棟1Fロビーのトイレにあります。博物館内にはバリアフリートイレはありません。車椅子利用者は、入館前にトイレを利用してください。

浜松市楽器博物館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

館内1Fのメインは「アジアの楽器」。入口正面にあるバリ島の「ガムラン」に圧倒されます。楽器というよりは演奏する舞台、あるいは巨大な装飾品です。その演奏の様子が映像で流れています。小さな画面、小音量ですが、それでも迫力が伝わってきます。

この一台だけではなく、何台も超大型楽器が展示されています。この楽器群をどこで買って、どうやって運んできたのか。ここにあること自体が不思議な、特殊な楽器たちです。

にあるバリ島の「ガムラン

1Fのもう一つのコーナーは「電子楽器」。初期のシンセサイザーや電子ピアノなどの展示です。昭和の頃の電子楽器たちが大切に展示されています。エレクトーン、ハモンドオルガン。もちろんエレキギターもあります。

「電子楽器」の奥には防音された「体験コーナー」があり、自由に楽器を鳴らせます。主に子供向きの企画ですが、触ったことのないラテン系の楽器、変わった楽器がいくつもあるので、大人も音楽遊びを楽しめます。

B1の常設展示の状況です。B1へは、車椅子はエレベーターを利用します。1FとB1だけのエレベーターが1基あります。

B1も深いマニアックな楽器の世界が広がっています。「鍵盤楽器」のコーナー。ピアノのコーナーです。ピアノといってもこんなに様々な種類、方式、タイプ、デザインがあるのかと感動します。要所に解説があり、読むと勉強になります。ピアノは楽器の王様。人類の英知が詰っています。コーナーの出口近くに、自由に弾けるピアノがあります。次々に来館者が弾いています。

ピアノのコーナーです

B1の他のスペースには、オセアニア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパの楽器がエリア別に分類されて、大量に展示されています。馴染み深い楽器から、見たことがない楽器まで、物凄い数のコレクションが展示されています。

オセアニア、アフリカの一部の楽器は、ただの楽器というよりは宗教的な儀式祭事の道具です。どうやって手に入れたのか、不思議な楽器が並びます。

アメリカ、ヨーロッパの楽器。例えば「バンジョー」といってもこんなに種類があるのか、「ハープ」というのも様々な方式があるのか、と感嘆します。

ほとんどの展示は楽器の演奏音を聞けるヘッドフォンがあります。例えば「バンジョー」が10種類展示されていて、その中の一つだけがヘッドフォンで音色を聞ける、そういう展示になっています。ヘッドフォンをかけるのが嫌いな潔癖症の人は、自分で除菌対策を行って下さい。

「浜松市楽器博物館」は、車椅子で利用できる楽しい博物館です。好きな人なら旅行の目的地にするレベルの施設です。バリアフリー面に大きな問題はありません。

「アクトシティ浜松」の情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2015年8月の取材に基づいています)

アクトシティ浜松 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

静岡県浜松市の「アクトシティ浜松」は車椅子で利用できる複合施設です。バリアフリー面を中心に現地の状況を紹介します。

施設の全体概要です。1994年から1995年に開業した複合商業施設です。

A棟からD棟まで、4つの建物からなる複合施設です。A棟は文化ホール。立派なコンサートホールなどがあります。大ホールは四面舞台、中ホールはシャンデリア、パイプオルガンがあります。B棟は中層階まではレストランなどの商業店舗、高層階はホテルオークラです。C棟は展示イベントホール。D棟は「楽器博物館」と研修センターです。

施設の全体概要

浜松駅からのバリアフリー状況です。浜松駅からA棟、B棟、C棟、D棟まで、全ての2階部を繋いでいる歩行者用デッキがあります。ところどころに「動く歩道」が設置されています。車椅子での利用も無理ではありません。

車椅子で移動する際の3つの注意点です。駅ビル「メイワン」からデッキにつながるスロープは、車椅子では傾斜がきついスロープです。A棟からB棟に抜ける通路は屋根がありません。雨天は注意して下さい。B棟への入口付近がビアホールで、お客さんが大勢いると車椅子では通りぬけが難くなります。

浜松駅からのバリアフリー状況

駐車場のバリアフリー状況です。アクトシティの地下駐車場は4つの棟それぞれにあり、更に一部はB1とB2の2フロアあります。

どこに停めたのか解らなくなる人が多いようで、プラットフォームに「お客様が駐車された場所は、B2Fの赤色ゾーンです。お帰りの際は○○エレベーターを利用してください」と駐車箇所が記された「チラシ」が置いてあります。利用してください。

駐車場のバリアフリー状況

今回の取材では、A棟B2にある身障者用駐車区画を利用しました。4台分のスペースが設置されています。

このスペースは横の広さは余裕があり過ぎるくらい。通常の一般駐車区分の2倍はあります。後付設置の身障者用駐車スペースのようなので、一般駐車スペースの2台分を1台分に変えたのかもしれません。

駐車場のバリアフリー状況

施設内のバリアフリー概況です。設備のメンテナンスは実施されています。また部分改修でバリアフリー面も強化が進んでいます。ただし施設の規模に比べると、バリアフリートイレの数は多くはありません。

アクトプラザの飲食店は、確認できた限り車椅子で利用できる段差の無いテーブル席のお店が多いようです。浜松餃子をいただけるグルメ店もあります。

アクトタワー最上階は有料の展望回廊で車椅子利用できます。結婚式などで貸し切りになることもあります。

施設内のバリアフリー概況

アクトシティの歴史と現状を紹介します。浜松の貨物駅の跡地を核にして建設された複合商業施設です。バブル期に企画された複合商業施設で、完成した時にはバブルは崩壊していました。 コンセプトは「音楽の街 文化都市 浜松」です。

郊外の商業施設に顧客を奪われて、中心部が空洞化したドーナッツ現象の典型例として語られてきた浜松駅周辺部ですが、高層マンションの建設などにより、人の動きが戻ってきているようです。

そのような環境もあり、情報によると長い低迷期を脱して、近年少しずつですが、レストランやショップの売上、ホテル稼働率、オフィス入居率などが向上しているようです。ただ、ホールなどの文化施設の稼働状況は、まだ苦戦している模様です。

アクトシティの歴史と現状

アクトシティ浜松は1995年開業の施設ですが、メンテナンスされて車椅子で利用できる施設になっています。

東海道随一の絶景ポイントに建つ「道の駅潮見坂」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2015年8月の取材に基づいています)