伊豆半島 車椅子で訪ねるバリアフリー観光スポット ドライブ情報

海と山、温泉に恵まれた伊豆半島には、景勝地や観光施設が多々あります。しかしながら、車椅子では利用が制限される観光名所も少なくありません。障がいのある家族と一緒に安心してお出かけが出来る、バリアフリーな観光スポットと、車椅子で立ち寄れる休憩施設がある、お薦めのドライブコースを紹介します。

 

「東伊豆のバリアフリードライブコース」

MOA美術館

東海岸を南下するルートです。伊豆半島の出発地点は熱海。熱海はアップダウンが激しい街で車椅子での散策は快適ではありません。

熱海の山の上に建つ美術館です。障害者用駐車区画があり、観覧料の障害者減免制度があります。

館内は概ね車椅子で利用できますが、斜面に建つ構造のため、低地部にある一部の施設は階段でしか利用できません。

MOA美術館

熱海城

MOA美術館から海岸沿いに約6km移動します。

施設内容には好き嫌いがあると思いますが、熱海では希少な車椅子で利用できる観光施設です。トリックアート館も含めて利用料の障害者減免制度があります。6F天守閣展望台には、障害者用トイレが設置されました。

ただし熱海城施設内には、車椅子向きではない企画もあります。

熱海城

道の駅伊東マリンタウン

熱海城から海岸沿いに約18km南下します。

海に面する大型観光施設です。2フロア構造ですがエレベーターがあり、物販店、飲食店は車椅子で利用できます。短距離の歩行が可能で、多少の段差はクリアできる方なら、海を眺める足湯も楽しめます。

道の駅伊東マリンタウン

城ケ崎海岸門脇吊橋

伊豆高原一帯は趣味性が高い小さなミュージアムがいくつかありますが、車椅子利用者に幅広くお薦めできる観光地は「門脇吊橋」です。

伊東マリンタウンから海外沿いに約17km南下します。

車椅子で荒波が打ち寄せる海岸の上空散歩が出来ます。最寄りの駐車場から車椅子でアクセスできます。ただし周囲を巡るルートは途中に段差があるので、車椅子では来た道を引き返すルートになります。

高所恐怖症の方は、吊橋の上は少し怖いかもしれません。

城ケ崎海岸門脇吊橋

伊豆アニマルキングダム

熱川、稲取には魚料理自慢のグルメ店がありますが、エリア全般あまりバリアフリーではありません。

このエリアで、車椅子で立ち寄れる観光施設は「伊豆アニマルキングダム」です。城ケ崎海岸から約20km。海岸沿いを進み、少し内陸に入ります。

施設内容は好き嫌いがあると思いますが、伊豆アニマルキングダムのアニマルゾーンは、車椅子で動物を見ることができます。プレイゾーン、スポーツゾーンは、基本的に車椅子向きの施設ではありません。利用料金は障害者減免制度があります。

 

河津峰温泉大噴湯公園

伊豆アニマルキングダムからは約14km。

河津から内陸に向かった先にある大噴湯公園は、車椅子で温泉の大噴湯を楽しめる無料施設です。見る場所によっては、ずぶ濡れになります。

駐車場には障害者用駐車区画があるフラットな公園で、園内に障害者用トイレがあります。

大噴湯は1時間に一度発生します。時間を計算して利用して下さい。

河津峰温泉大噴湯公園

 

「中伊豆のバリアフリードライブコース」

道の駅伊豆ゲートウェイ函南

伊豆半島の中央部を南下するコースです。

伊豆ゲートウェイ函南は、伊豆の入口にある道の駅です。新しい施設なので基本的なバリアフリー要件は十分に満たしています。車椅子で気持ちよく利用できます。

道の駅伊豆ゲートウェイ函南

めんたいパーク伊豆

伊豆ゲートウェイ函南の隣接地にある明太子工場に併設された施設です。この施設も新しいので、バリアフリーレベルが高く、車椅子で問題なく利用できます。工場見学コース、工場の直売所、フードコート、2Fには子供の遊び場があり、富士山を臨むテラスがあります。

めんたいパーク伊豆

韮山反射炉

伊豆ゲートウェイ函南、めんたいパーク伊豆から約7kmの距離です。

世界遺産登録を機に、バリアフリーな観光施設になりました。観覧料の障害者減免制度があります。屋内のガイダンスルーム、反射炉の見学コースとも、車椅子で利用できます。

韮山反射炉

道の駅伊豆のへそ

韮山反射炉から約5km南下します。

伊豆半島のほぼ中心地にある道の駅です。一般的な道の駅とは少しイメージが違いますが、車椅子で利用できます。イチゴをテーマにしたお土産棟は新しい施設です。それ以外は、やや年季の入った設備です。

道の駅伊豆のへそ

道の駅天城越え

道の駅伊豆のへそから約20km南下します。

施設としては新しくはありませんが、車椅子で休憩ができます。ショップの名称は「わさびの里」です。

 

河津七滝

道の駅天城越えから約12km、山中の道を南下し、河津ループ橋を下ります。

七滝のすべてを車椅子ではまわれませんが、無料駐車場から初景滝までは車椅子で遊歩道を散策できます。少し無理をすれば、初景滝の滝壺に車椅子で近づくことが出来ます。

河津七滝

 

「南伊豆のバリアフリードライブコース」

道の駅開国下田みなと

下田を起点に南伊豆を東から西へ向かうコースです。

下田の道の駅です。歴史ある商業施設で、店舗内通路幅は広くはなく、出入口は手動ドアが多く、近年のバリアフリー設計ではありませんが、車椅子で利用できます。

障害者用駐車区画が集中して用意されているのは、1Fの中央部です。

道の駅開国下田みなと

弓ヶ浜

下田中心部から約10km。

砂浜そのものは車椅子では散策できませんが、隣接する休暇村を休憩施設として利用しながら、美しいカーブの海岸線を車椅子で眺めることができます。見るだけになりますが、立ち寄る価値があります。

弓ヶ浜

石廊崎オーシャンパーク

弓ヶ浜から約10km、伊豆半島の南端を走ります。

断崖絶壁の石廊崎に車椅子で近づけるバリアフリー観光施設です。駐車場は有料です。

石廊崎灯台までのルートは、アップダウンが激しく車椅子ではかなりハードですが、オーシャンパークのデッキからでも、伊豆半島最南端の景観を楽しむことができます。

この施設が誕生したことで、車椅子で石廊崎エリアに入ることが出来ようになりました。

この先、西伊豆方面へ海沿いの道を走ると、空と海と岩礁を眺望する絶景パーキングが複数個所あります。

石廊崎オーシャンパーク

「西伊豆のバリアフリードライブコース」

道の駅花の三聖苑伊豆松崎

松崎を起点に西伊豆を北上するルートです。

西伊豆エリアは道路整備が不十分で、渋滞していなくても移動時間が想像以上にかかることがあります。そして車椅子で休憩ができる施設の数は限られます。施設はあまり新しくはありませんが、道の駅伊豆松崎は貴重な存在です。

道の駅花の三聖苑伊豆松崎

黄金崎クリスタルパーク

松崎の道の駅から約17km。夕日が美しい伊豆西海岸です。

有料のミュージアムと無料で利用できるショップ、レストランがあります。このエリアでは、車椅子で立ち寄ることができる希少な施設です。

 

土肥金山

黄金崎から海岸沿いに約12km北上します。ルートの途中に「恋人岬」のパーキングエリアがあります。

金山を再現した観光坑道と資料館がある観光施設です。企画の内容は好き嫌いがあると思いますが、車椅子で観光ができる構造です。入場料の障害者減免制度があります。

 

道の駅くるら戸田

土肥から約18km北上します。この間の道は一部幅が狭く、カーブやアップダウンが激しくあります。

戸田の港から、少し内陸に入った場所にある道の駅です。このエリアでは希少な平坦な敷地にあります。戸田の深海魚をテーマにした、ミニ展示コーナーもあります。

道の駅くるら戸田

三津シーパラダイス

戸田から最短ルートで約20km、海沿い大瀬崎方面に迂回すると約25km走ります。

車椅子で利用できる水族館です。入館料の障害者減免制度があります。ただし施設全体、新しくはありません。バリアフリーレベルもそれなりです。

企画内容は一般的なもので、幅広い層が楽しめます。

 

沼津港

三津シーパラダイスから海沿いのルートで約13km北上します。

近年誕生した「港八十三番地」や「深海水族館」は、基本的にはバリアフリー仕様です。食事処のバリアフリー状況は店によりますが、可動式のテーブル席があるお店が複数あります。

展望水門「びゅうお」は、エレベーターで展望回廊に上がります。車椅子で利用できるバリアフリーな観光施設です。利用料は障害者減免制度があります。

沼津港

伊豆半島は一部を除き高速道路が整備されていません。また観光シーズンは、各所で渋滞が発生します。時間に余裕を持ったドライブコースの企画をお薦めします。

(本稿は2020年3月に執筆しました)

朝霧高原あさぎりフードパーク 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

静岡県富士宮市、富士山を仰ぐ朝霧高原にある「あさぎりフードパーク」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2019年12月の取材に基づいています。

 

○フードパークの概要

富士宮市が打ち出した「フードバレー構想」。これにそれぞれ現状に問題を抱えていた、地元の食品会社6社が手を挙げて実現した、官民一体の企画です。

約5万㎡の荒地を開墾して造られた施設で、工場を併設した独立棟の5店舗とレストラン1店舗が敷地内に並びます。

ショップの利用の他に、各工場では製造体験イベントなどが開催されます。

2012年の開業で全施設バリアフリー。富士山のすそ野に広がる地元企業6社による商業施設です。

朝霧高原あさぎりフードパーク 

○施設のバリアフリー状況

共同駐車場と、各店舗の横に駐車スペースが用意されています。

敷地内は緩やかな斜面の舗装路で、車椅子での移動は可能です。

各店舗はバリアフリー仕様で、障害者用トイレ、または兼用の大型トイレが用意されます。

広い敷地内に「朝霧乳業」「茶工房富士園」「上野製菓」「いも工房かくたに」「富士正酒造」「ビュッフェレストランふじさん+売店」が点在します。

「あさぎりフードパーク」から富士の頂上まで、遮るものはなにもありません。

あさぎりフードパーク

○各店舗の紹介

各店舗の状況を紹介します。

「朝霧乳業」は牛乳工場併設。この地に、本社、工場を移転しました。朝霧高原の牧場で放牧されている乳牛から搾られた生乳をここで製造し、県内に宅配出荷しています。

店内に入るとスロープで登った先が工場見学ゾーン。ガラス越しに牛乳の製造現場を見ることができます。

朝霧乳業

スロープを戻ると、ソフトクリームなどを座っていただけるイートインスペース付きのテイクアウトコーナー。そして試食コーナー兼物販コーナー。牛乳の他、各種チーズ、クッキーなどがあります。

店内全域車椅子での利用に問題はありません。

朝霧乳業

「茶工房富士園」は静かなお茶屋。スタッフが試飲のお茶を淹れています。

お茶処静岡の富士宮自家農園で栽培したお茶をここで生産。超高級品から普段使いのお茶まで、種類は豊富です。

小さなイートインスペースがあり、ソフトクリームなどをいただけます。

茶工房富士園

「上野製菓」は和菓子屋。併設の工場は「あさぎり工房」。豊富な試食を用意しています。

名物は羊羹。大福、饅頭、サブレなど品数豊富です。冬場は「肉まん」が登場します。

上野製菓

「いも工房かくたに」の名物は「切干芋」と「芋けんぴ」。富士宮産のさつまいもを使用し、併設の工場で生産しいています。

「芋スープ」「芋コロッケ」や「大学いも」などをその場でいただく、小さなイートインスペースがあります。

いも工房かくたに

「富士正酒造」は店舗棟と酒造の二棟建て。本社と酒造をこの地に移転しました。

朝霧高原は酒造りに適した気候ということ。お酒のブランドは複数あり、伝統的なものから、ラベルデザインがモダンなブランドもあります。もちろん試飲があります。

「ビュッフェレストランふじさん+売店」は、バイキングレストラン。地産地消の美味しいメニューで高い評価があります。出店各店舗のお土産品なら売店で。「あさぎりフードパーク」全体のインフォメーションもこちらにあります。

ビュッフェレストランふじさん

○車椅子での散策

広い「あさぎりフードパーク」ですが、季節の良い好天の日なら、車椅子での散策に問題はありません。

厳冬期や荒天の日は、利用する店舗の横に車を停めて利用すると便利です。

隣接して「道の駅朝霧高原」があります。道の駅と「あさぎりフードパーク」間の車椅子での移動は可能です。

「ビュッフェレストランふじさん」の横に、富士山を眺望するビューポイントが用意されています。

朝霧高原あさぎりフードパーク 

広い施設に店舗が点在していますが、車椅子で散策出来ます。「あさぎりフードパーク」は、富士山と美味しいものを楽しめるバリアフリー施設です。

西伊豆の道の駅 くるら戸田 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

静岡県沼津市、天然の良港西伊豆戸田に、2015年にオープンした道の駅です。施設の概要と車椅子からみた現地のバリアフリー状況を詳しく紹介します。

なお本稿は2019年12月の取材に基づいています。

道の駅 くるら戸田

○戸田へのアクセス

西伊豆は鉄道がありません。

そして戸田は、周囲を山に囲まれた漁港の町です。

どの方向から車でアクセスしても、つづら折りの山間ルートを通ります。

港から続く狭い平地部に「道の駅くるら戸田」はあります。

戸田ではとても貴重な車椅子で利用できるバリアフリー施設です。

戸田にあるもう一つの観光施設「駿河湾深海生物館(戸田造船郷土資料博物館)」は、御浜岬の突端にある有料施設です。内部はリニューアルされたものの、入口が階段構造のため、車椅子での利用はできません。

駿河湾深海生物館(戸田造船郷土資料博物館

○「くるら戸田」施設の概要

市役所窓口や高齢者施設など、公共施設の要素が強い施設です。

商業施設としては、日帰り温泉、無料の足湯、お土産コーナー、軽食コーナー、歴史・観光展示コーナーなどがあります。

道の駅 くるら戸田

施設全般フラット構造でスペースに余裕があり、車椅子で利用できます。

道の駅 くるら戸田

日帰り温泉は車椅子のための特別な設備はありませんが、一般的なレベルのバリアフリー仕様です。

道の駅 くるら戸田

○駐車場の状況

普通車42台を収容する駐車場があり、障害者用駐車区画は屋根無しで2台分用意されます。

道の駅 くるら戸田

○障害者用トイレの状況

24時間利用できるトイレが1つ。館内には1Fと2Fそれぞれに1つ障害者用トイレがあります。館内の1Fと2Fトイレには、ユニバーサルベッドが用意されています。

道の駅 くるら戸田

道の駅 くるら戸田

○バリアフリーな展示コーナー

物販と飲食は、比較的小規模な施設です。むしろ特徴的なのは、歴史・観光展示コーナーです。

道の駅 くるら戸田

難破したロシア船の新造船に協力した歴史、吊るし雛などの民俗文化、名産の高足蟹や深海魚の解説など、充実した展示があります。

道の駅 くるら戸田

戸田の歴史民俗資料館機能を有した道の駅です。

道の駅 くるら戸田

軽食コーナーでは深海魚メニューがあり、館内のフリーテーブルなどでいただくことが出来ます。道の駅くるら戸田は、車椅子で利用できる施設です。