東京国立博物館の「法隆寺宝物館」は、トーハクの常設展入館料だけで観覧できる施設です。エントランスは段差回避スロープがあり、館内にはエレベーター、バリアフリートイレがあります。1999年竣工の建物ですがバリアフリー要件は満たしています。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

正面プラザからトーハクへ入ります。法隆寺宝物館は左手の奥。「鬼瓦」「黒門」を眺めながら車椅子で進んで下さい。

「黒門」は段差回避スロープ路があり、車椅子で近づくことができます。

池に浮かぶように建つ宝物館の造形は見事です。池の中を通るアプローチを進みます。入口手前の段差はスロープで迂回します。

自動ドアから館内に入ります。

展示室は2フロアにあり、1Fに3室、2Fも3室あります。日本最古の仏教古美術品などが展示される、トーハクのなかでも「法隆寺宝物館」は異質な美術空間です。

館内はフラットな構造で、1Fと2Fの展示室と中2階の資料室は、車椅子ではエレベーターで移動します。バリアフリー仕様のエレベーターです。

バリアフリートイレは1Fにあります。設備はシンプルなトイレです。

展示室内は物音一つしません。展示品保護のため、照明はおとされています。

しがって、知的、あるいはコミュニケーションの障がいがあり、声を出してしまうタイプの人、あるいは激しい動きを突然起こしてしまう人、こういうタイプの障がいのある人と一緒の鑑賞は、気をつかいます。この点はご留意ください。

伎楽面が展示される1Fの第3室は、作品保護のために金曜日と土曜日しか公開されません。

下の写真のような面が展示されています。そのほとんどは国の重要文化財です。

ここに並んでいる「宝物」は、明治11年に法隆寺から皇室へ献上されたもので、後に皇室から国に管理が移りました。

宝物と言えば「正倉院」が有名ですが、東大寺よりも古い法隆寺の宝物です。

コレクションの中心が正倉院は8世紀の宝物。「法隆寺宝物館」は7世紀の宝物。平均で100年ほど差があります。日本一古い宝物と出会える博物館です。

1Fに入店するレストランは「ホテルオークラ ガーデンテラス」。テラス席のある素敵なレストランです。フラット構造で移動式のテーブル席なので、車椅子での利用は可能です。やや出入口の通路幅は狭いのですが、一般的な車椅子なら通行できます。メニューはパスタ1,500円など。博物館内の上質なグルメ空間です。
宝物館は建築学会賞を受賞した建築物。建物自体も鑑賞してください。人工池越しに見る宝物館の正面全景は一枚の絵画の様。広々したフラット通路から眺めるので、車椅子を停めてしばらく鑑賞をしても人迷惑にはなりません。宝物館内からの景観も素敵です。

様々な美術館、博物館がありますが「法隆寺宝物館」の展示室は、どこにも似ていない独自の異空間。バリアフリーに日本最古の仏教美術に出会える場所です。
なお東京国立博物館内の各施設の詳しいバリアフリー状況は以下の別稿を参照してください。
〇東京国立博物館 平成館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報
〇東京国立博物館 東洋館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報
〇東京国立博物館 表慶館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報
〇東京国立博物館 日本庭園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報
(本稿は2022年8月に加筆しました)