茨城県日立市の「鵜の岬」は、太平洋に少し突き出た断崖絶壁にある、人気の国民宿舎を核にしたシーサイドリゾートです。車椅子で利用できる施設、できない場所があります。現地のバリアフリー状況を紹介します。
「鵜の岬」とは鵜飼の「海鵜」を捕獲する場所です。一般公開される断崖に抜けるトンネルがあり、その先が鵜を捕獲する絶壁です。このトンネルは車椅子で通行できます。ここで捕まった鵜は、その後長良川などで、鵜飼の鵜として一生人間につかわれます。2023年5月時点では、周囲が崩落する危険があるため、トンネルは通行禁止でした。
地形は岬というほどではありません。海沿い一帯の区画が緑豊かな散策エリアで、多彩な施設や観光ポイントがあります。
県営国民宿舎、別棟のレストラン、日帰り温泉、コンベンションセンター、海の散歩道、森の遊歩道、谷の散歩道、スイレン池とアヤメ池、遊具広場「わんぱく砦」、そして海鵜の飼育ケージ。このような観光施設があります。「国民宿舎鵜の岬」は、日本一予約が難しいと自称しています。
アクセスは車が便利です。駐車場は6か所あります。スイレン池やわんぱく砦など公園ゾーンの利用はP1へ。宿舎やレストランの利用ならP2からP4。日帰り温泉の利用ならP5かP6が便利です。宿舎利用で障がいのある宿泊者は、身障者用駐車区画を予約していただけます。事前にフロントに相談してください。
施設のバリアフリー状況です。宿舎はバリアフリールームがあり、1Fパブリックゾーンにはバリアフリートイレがあります。一般的なサイズの個室でウォシュレット付き便器が備えられています。
ランチ営業がある別棟レストランは広々してフラットなお店で、車椅子で利用できます。ただし店内のトイレにはバリアフリートイレはありません。
太平洋を眺めながら食事が楽しめます。
日帰り温泉施設はバリアフリートイレ有り、エレベーター有り、浴室内は手すりを配備。完全車椅子対応ではありませんが、バリアフリーレベルは高いお風呂です。
スイレン池周辺及び海鵜の飼育ケージは車椅子で行くことができます。
ところどころに段差があるので、車椅子ではルートを選ぶ散策になります。
スイレン池は花が咲き、鯉ぎます。
車椅子で苦戦するのは海・森・谷の各遊歩道です。すぐに段差があるので、行けるところまでの利用になります。P3の横から回り込むルートで進めば「愛と絆の鐘」がある展望台に車椅子で行くことができます。
展望台から鵜捕獲トンネルまでは車椅子で通行できますが、その先は段差ルートになるので、車椅子では同じルートを引き返してください。
宿舎の人気が高い素敵なシーサイドリゾート地です。だたし「鵜の岬」エリア内の散策路はいずれも途中に段差があり、車椅子では行ったり来たりのルートになります。
日立市みなと町にある「道の駅日立おさかなセンター」を別稿で紹介しています。是非ご覧ください。
(本稿は2023年5月に加筆しました)