「道の駅」は車椅子で利用出来る施設ですが、現地のバリアフリー状況はそれぞれです。車椅子目線での情報と施設の特徴を紹介します。
本稿は埼玉県の東部・中央地区(行田市、加須市、羽生市、久喜市、蓮田市、幸手市、宮代町、白岡市、杉戸町、鴻巣市、上尾市、桶川市、北本市、伊奈町、さいたま市、春日部市、草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町、川口市、蕨市、戸田市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、ふじみ野市、三芳町)にある「道の駅」情報です。開業年が新しい順に紹介します。
なお道の駅の名称をクリックすると、より詳しいバリアフリー情報ページにリンクします。ご参照ください。
「道の駅はにゅう」(羽生市)
2007年開業。群馬県との県境にある、利根川の雄大な風景が美しい道の駅です。
独立トイレ棟と商業施設棟で構成されます。
トイレ棟にバリアフリートイレを2つ用意。身障者用駐車区画はトイレ棟の前に2台分あります。
商業施設棟には直売所と食事処が入ります。
産直ショップは、農産物以外ではお煎餅やカステラなどのお菓子類が充実。マグロの刺身などの魚介類も扱っています。埼玉北部の利根川域はお米の生産が盛ん。特産の大利根米を販売しています。
羽生市が創作した最近の名物は「いが饅頭」。酒饅頭にお赤飯をかぶせたようなお饅頭で、この道の駅でも販売されています。
産直ショップの店内はやや狭い設計で、通路幅も十分ではありません。空いていれば大丈夫ですが、混雑すると車椅子での買い物はやや苦戦します。
店内の奥にある食事処は、ラーメン類中心の小さなお店です。食券方式のセルフサービスで、テーブル席が5卓とカウンター席が。空いていれば車椅子でも利用できます。
「道の駅庄和」(春日部市)
2005年の開業当時は庄和町でしたが、開業後約半年で春日部市と合併しました。
施設は直売所などが入る本館、フードコートの別館、交通情報・観光情報が流れる情報館、独立トイレ棟で構成されます。
身障者用駐車スペースは2台分。駐車スペースの上には屋根が無く、駐車スペース2台分の間に屋根があります。
トイレ棟は2014年に改装されました。バリアフリートイレはトイレ棟内と、本館の中にあります。
本館内のバリアフリートイレは、トイレの横の事務所に声をかけて利用してください、という案内が表示されています。土足厳禁のスリッパに履き替えるトイレで、車椅子の車輪を備え付けの雑巾で拭いて利用します。トイレには「クレヨンしんちゃん」のスリッパが用意されています。
本館内のショップは、車椅子での移動がギリギリの通路幅です。春日部特産品、春日部地場産品も多々ありますが、そこだけにこだわらず全国の商品、産品が並びます。
フードコートの別館はプレハブ感覚の造り。やや急なスロープを上って入館します。中に入れば、車椅子でも移動ができる通路の余裕はあります。飲食では、他に屋外屋台4店舗が出店しています。
情報館はバリアフリーな構造で、出入口は自動ドア、内部は段差の無いフラット構造です。
「道の駅かぞわたらせ」(加須市)
2004年に開業した施設で、2019年4月にリニューアルオープンし、2020年4月に「きたかわべ」から「かぞわたらせ」に名称変更しました。
施設は商業棟、「スポーツ遊学館」、休憩棟、トイレ棟で構成されます。
身障者用駐車区画は、一般駐車場とは離れたトイレ棟の前にあります。
バリアフリートイレはトイレ棟内に1つ。そして「スポーツ遊学館」の2Fに1つあります。直売所棟内のトイレは一般用だけでバリアフリートイレはありません。
「物産店かぞ市場」と「お食事処さくら食堂」は、車椅子で利用しやすいバリアフリー施設です。床面はフラットで店内スペースに余裕があります。ショップとレストランの中間にある出入口が自動ドアです。
また商業棟前の中庭スペースは広々したバリアフリー空間です。
「三県境ショップ さいぐんと」は、埼玉県、栃木県、群馬県の物産店。出入口は段差がなく、店内はフラットで、スペースに余裕があり、車椅子での利用は可能です。元々スポーツ遊学館の業務であった、自転車やカヌーの貸し出し業務はこのショップで受け付けます。
「パン屋さん はあと」もフラットな構造です。ややスペースは狭くなりますが、混雑していなければ車椅子での利用は可能です。
「スポーツ遊学館」の3Fは展望台です。エレベーターが1基あり、車椅子で利用できるバリアフリー構造です。
24時間利用可能な休憩棟があります。フラットな構造で車椅子での利用は可能です。
「道の駅アグリパークゆめすぎと」(杉戸町)
道の駅登録は2002年ですが、供用は2001年。そもそもは農業体験施設として企画され、開園して1年後に道の駅になりました。
敷地総面積は102,000㎡。施設は、駐車場、公園、ショップ&レストラン、農園と、大きく4つに区分されます。
駐車場は広く、身障者用駐車区画は本館棟前に7台分用意。北側の離れた一角にも「北駐車場」という第二駐車場が用意されています。この「北駐車場」は未舗装ですがそれほどひどいデコボコではないので、車椅子でもなんとか利用できます。公園スペース側にも小規模ながら「南駐車場」用意されています。
駐車場前の独立トイレ棟が2019年2月にリニューアルオープンしました。バリアフリートイレが一つあります。他に食事処がある棟のインドアトイレに、バリアフリートイレが一つあります。
公園スペースには、原っぱ、池、丘、ふわふわドームなどの遊具類。バーベキュー広場から野外ステージまであります。舗装された通路が整備され、公園内を車椅子で散策ができます。
直売所は2016年にリニューアルしました。車椅子でのお買い物は可能ですが、スペースの余裕はそれほどありません。
食事処はセルフサービス方式。店内に入るとスペースが二手に分かれ、その一つは靴を脱いで上がるスペースです。
独立棟の「花屋」は営業を終了しました。花卉類は直売所で販売されています。
「農園」はバリアフリーではありませんが、専用の駐車場が用意されているので、車椅子でも様子を覗くことはできます。管理棟内にはバリアフリートイレがあります。
「道の駅童謡のふる里おおとね」(加須市)
1998年の開業。農産物直売所棟、食事処棟、トイレ棟で構成される施設です。敷地の中央に駐車場があり、混雑時は第二駐車場が開放されます。
また周辺の休耕田は「ホテイアオイ」が栽培されます。段差箇所を回避して迂回すれば、車椅子で周囲に行くことが出来ます。
この地は「たなばたさま」や「野菊」を作曲した下總皖一の故郷。それを記念した施設名称です。施設中央部に氏の銅像が立ちます。
身障者用駐車区画は、第一駐車場内のトイレ棟前にあります。一般的な駐車区画ではなく、路肩に設けられたブルーレーンです。
バリアフリートイレはトイレ棟に1つ。そして農産物直売所棟の中に1つあります。
トイレ棟は24時間利用の休憩所を併設しています。休憩所は車椅子で利用できます。
直売所の名称は「童謡のふる里おおとね農業創生センター」です。店内の通路幅は広くはありませんが、車椅子で利用できない決定的な問題はありません。
食事処「わらべ」は定食やうどんのお店。店舗までの動線はフラットで車椅子での移動に問題はありません。店内の席は、お座敷席とテーブル席があります。
「道の駅川口・あんぎょう」(川口市)
1996年開業。川口市の緑化産業の情報発信施設で、一般的な道の駅のイメージとは違う施設です。
5F構造の「川口緑化センター樹里安」という大きな棟と、隣接するイベント広場及びその周辺の独立棟産直ショップや自販機コーナー、トイレ棟などから構成されます。
身障者用駐車区画は、第一駐車場の施設出入口付近に1台分。第二駐車場に2台分。バリアフリートイレは独立トイレ棟と「川口緑化センター樹里安」3Fにあります。
「川口緑化センター樹里安」は、1Fが情報コーナーと軽食や自販機のコーナー、そして花木や資材売場、車椅子での利用が可能なフラット構造です。
エレベーターは1系統2基あります。2Fにはフラットでテーブル席のレストランと、川口安行の植栽の歴史に関する展示があるコーナー。5Fには屋内休憩スペースから窓越しに鑑賞する屋上庭園があります。
埼玉県「道の駅」の紹介記事は、別に「埼玉県北部・西部地区編」「埼玉県秩父地区」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。