巨大ミュージアム国立歴史民俗博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

千葉県佐倉市、江戸時代初期に築かれた「佐倉城」跡地一帯が「佐倉城址公園」として一般開放されています。

国立歴史民俗博物館(歴博)は、その公園内の約13万平方メートルの敷地に建つ、延べ床面積約3万5千平方メートルの規模を有する巨大ミュージアムです。1981年に開館しました。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

なお佐倉城址公園の詳しいバリアフリー情報は、別稿「千葉県 佐倉城址公園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

京成佐倉駅から徒歩15分の案内ですが、小高い山の上にあることもあり、車椅子利用者は車でのアクセスが便利です。佐倉城址公園と共用の無料駐車場があります。

身障者用駐車区画は第一駐車場に2台分あります。混雑時は第一駐車場に「満車」の掲示が出ることがありますが、出入口に最も近い場所にある身障者用駐車区画は空いている可能性はあります。確認して利用してください。

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

身障者用駐車区画から歴博のエントランスまで、200m近くの距離があり、この間に屋根はありません。エントランス近くに車を寄せられない構造なので、傘がさせない車椅子利用者は、天候の安定した日の来館をお薦めします。

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

昭和50年代に誕生した施設なので、駐車場からエントランスまでは、あまりバリアフリーではありません。

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

車道と歩道は段差がある構造なので、段差解消箇所を選び進みます。そして車道を横断します。

エントランスまでは階段路で、段差回避スロープが設置されています。

エントランスの出入口は自動ドアです。館内は改装されてバリアフリーですが、古い構造が残る箇所もあります。

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

館内に入ると正面に受付があります。国立歴史民俗博物館の入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者が無料に減免されます。受付で障害者手帳を提示して入館手続きを行います。

複数名の介助者が必要な重度障がいがある人は、必要な複数の介助者が無料対象になります。詳しくは歴博にご照会ください。

展示室は常設が6室、企画展示室が2室。そしてレストランとミュージアムショップがあります。

歴博は3フロア構造です。受付のフロアが1F です。この高さに「第1展示室」から「第3展示室」まであります。

「第4展示室」からは地階(BF)フロアです。「第3展示室」から「第4展示室」への車椅子での移動は、エレベーターを利用します。スタッフの誘導に従ってください。

「第4展示室」から「第6展示室」、そして2つの企画展示室までの観覧を終わると、一般見学者はエスカレーターで中間階(MF)に上がります。このMFにレストランとミュージアムショップがあります。車椅子利用者は、エレベーターを利用してMFか1F出口に移動します。

バリアフリートイレは館内3箇所にあります。最初のトイレは、1Fのエントランスホールの横、有料エリアに入る手前にあります。次がBFの「第6展示室」を出たところ、すべての展示を見終わった地点です。もう一つは、MFにあります。

歴博は巨大ミュージアムです。かなり端折って見学しても、「第1展示室」から「第6展示室」まで1時間半から2時間ほどかかります。この間にバリアフリートイレはありません。もちろん急ぎの場合は観覧を中断して最寄りのトイレに行くことは出来ますが、「第1展示室」に入る前に、1F のトイレを借りておくことをお薦めします。

歴博のバリアフリートイレは、古い設備を改修しながら使用されています。そのため1Fのトイレは面白い構造です。また大きな洗面台がないなど、設備的に少し癖があります。実用には耐えるトイレですが、今どきのバリアフリートイレとはイメージが異なるトイレがあります。

1Fにある3つの展示室間の移動ルートは、緩いスロープ路です。そして次の展示室に入る手前に、休憩スペースと一般トイレがある構造です。休憩スペースには飲料の自動販売機が設置されています。

BFの第4展示室から第5展示室への移動ルートは、屋根の下ですが中庭を臨む屋外を通行します。中庭横に屋外休憩コーナーがあります。

開館以来、各展示室は改装されています。現時点で最も新しいのは「第1展示室」で2019年にリニューアルオープンしました。この展示室は、車椅子で見難い展示はありません。

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

しかし「第2展示室」と「第3展示室」には、車椅子から見えないタイプのケース展示が相当数あります。横面がガラスではなく、上からしか見えないタイプのショーケースが多用されています。

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

「第4展示室」から「第6展示室」は、車椅子から見えない展示は若干数です。

国立歴史民俗博物館 バリアフリー情報

歴博は「第2展示室」と「第3展示室」のケース内展示が、車椅子からみた場合バリアフリーではありません。ただし全体の展示ボリュームからすれば、車椅子で見難い展示はごく一部だといえます。

MFのレストランは、フラットな床面で可動式のテーブル席です。車椅子で利用できます。

ミュージアムショップはフラットな構造ですが、通路幅は十分ではありません。混雑していなければ車椅子で利用できます。

膨大な展示がある巨大ミュージアムです。丁寧に見学すると、どれだけ時間があっても足りません。トイレ、水分補給、食事のタイミングなど、ご自身、あるいはご家族の障がいの状況に応じて、無理のない時間での観覧を計画してください。

(本稿は2020年8月に書き直しました)

早稲田大学内のミュージアム 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都新宿区の早大キャンパス内には、「演劇博物館」「早稲田大学歴史館」「會津八一記念博物館」があります。3館とも入館無料です。それぞれのバリアフリー状況を紹介します。

早稲田大学内のミュージアム

早大キャンパスは通常期は出入り自由です。キャンパス内はスロープ対応などの改修が進み、ほぼ全域を車椅子で移動できます。

早大キャンパス

正面が階段構造の大隈記念講堂にも、車椅子用の出入口が設置されています。

早大キャンパス

○演劇博物館のバリアフリー状況

16世紀の英国の劇場を模した1928年築の「演劇博物館」もバリアフリー改修されました。3階構造ですがエレベーターが設置され、1Fにバリアフリートイレが新設されました。建物出入口には段差があります。

演劇博物館

手前に車椅子利用者用のインターホンが設置されました。スタッフに連絡をして簡易スロープを設置していただき、館内に入ります。

演劇博物館

各フロアの展示室は、一部の出入口に低いデコボコがありますが、すべて車椅子で観覧できます。

演劇博物館

○早稲田大学歴史館のバリアフリー状況

2018年3月に新しいミュージアムが誕生しました。早稲田キャンパス1号館1Fを改装して「早稲田大学歴史館」がオープン。その名の通り早大の歴史と人物を紹介する施設です。新しいだけにバリアフリーな歴史館です。正門側の入口にスロープがあります。

早稲田大学歴史館

館内はフラットな構造で、バリアフリートイレがあります。常設展示室は3つ。それぞれのエリア名は「久遠の理想」「進取の精神」「聳ゆる甍」です。他に企画展示室あり、大隈氏の肉声が流れる展示コーナーがあります。

カフェとミュージアムショップが併設されています。展示室内にあるクイズマシンに挑戦して早稲田博士になると、カフェの割引券が発行されます。

今回取材時は、早大OBと思われる方が肩が多数来場されていました。早稲田愛に溢れた目線で展示を見学しています。

早稲田大学歴史館

〇會津八一記念博物館のバリアフリー状況

3つ目のミュージアムは元図書館を改装して1998年に誕生した「會津八一記念博物館」です。正面入口は段差がありますが、横に段差回避スロープが設置されました。

會津八一記念博物館

館内は改装されてバリアフリー仕様です。2フロア構造ですがエレベーターがあり、バリアフリートイレがあります。展示室内もフラットでワイドな通路設定で、車椅子での見学に大きな問題はありません。

會津八一氏は、東京美術史研究家で歌人にして書人。早大OBであり、大学講師も勤めました。私財を投じて蒐集したコレクションが4千点。この會津八一コレクションも含め、早稲田大学所蔵のコレクションの総数は現在1万8千点余。それらが展示される博物館です。

日本美術、東洋美術を中心に、アイヌのコレクションも充実。その時々の企画展示、特集展示が行われます。学術的に価値の高い博物館です。

會津八一記念博物館

3ミュージアムとも、大学休業期間は休館など、開館スケジュールはイレギュラーです。HPで開館スケジュールを公開しているので、チェックして利用してください。

早稲田大学本庄キャンパス内にある「本庄早稲田の杜ミュージアム」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年12月に加筆しました)

大泉学園 東映アニメーションミュージアム 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都練馬区大泉学園の「東映アニメーションミュージアム」は、ワンピースや悟空と遊ぶ、小さな子どもから楽しめる施設で、車椅子で利用できます。

「東映アニメーションミュージアム」は2018年7月にオープンしました。大泉学園にある、東映アニメーション大泉スタジオの一部を使った一般公開施設です。入場は無料。入場時に簡単な記帳をすると、入館許可シールが配られ、目立つところに貼って入館します。施設はバリアフリーで、車椅子での利用は可能です。

ゲートから入場します。ゲートの横はミュージアムショップ。通路幅が広く車椅子で利用しやすいショップです。

前庭の正面にはキャラクター噴水。その右手に展示室へつながるスロープルートがあります。途中にお絵かき自由な黒板があり人気です。緑のお庭の中をスロープで進みます。

ここで車椅子利用上の注意点があります。このスロープの終点に少し段差があり、角度が急な段差解消機具がつけられています。普通のスピードで進むと、衝撃があるので注意してください。

展示室はそれほど広くはありません。パッとみてすべてが目に入る大きさです。フラット構造で車椅子での利用は問題ありません。館内にバリアフリートイレが用意されています。ただし幼児のいる家族連れに人気の施設なので、バリアフリートイレが混みあうことは予想されます。

展示の中心は、いま人気のあるキャラクターです。気が付いた範囲で、もっとも古いキャラクターは「おおかみ少年ケン」でした。

大泉学園駅からは少し遠い場所です。HPでは駐車場はなく公共の交通機関の利用が推奨されています。

「東映アニメーションミュージアム」は、駐車場のある大型商業施設「LIVIN大泉OZ」に隣接した立地で、2つの施設の正面エントランスは50mほどの距離です。また反対側の隣接地は「LIVIN大泉OZ」の提携駐車場です。現時点で「LIVIN大泉OZ」駐車場は1時間まで無料、千円の利用で3時間無料です。「LIVIN大泉OZ」は改装して、1Fに綺麗なバリアフリートイレが2つ設置されています。

「東映アニメーションミュージアム」は、アニメ好きの障がいのある子どもと、その家族のお出かけ先にお薦めできます。

東京にあるユニークな博物館を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年8月の取材に基づいています)