千葉県佐倉市の「佐倉城址公園」は、車椅子で散歩ができる歴史空間です。
千葉の城下町、佐倉。国立歴史民俗博物館と繋がって広がる、佐倉城跡の公園です。
なお国立歴史民俗博物館の詳しいバリアフリー情報は、別稿「巨大ミュージアム国立歴史民俗博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」を参照してください。
駐車場から遊歩道が整備されているので、ほぼ全域を車椅子でお散歩することが出来ます。遊歩道を外れても、フラットに近い踏み固められた未舗装エリアなら、車椅子で移動することができます。
一部、砂で車椅子がスタックする場所などもあります。未舗装路は慎重に移動してください。
アクセスは車が便利です。佐倉の市街地には、ところどころ道が直角に屈折する箇所があります。これは敵の攻撃に備えた城下町の名残です。
車で歴史民俗博物館前から公園内に入ります。
駐車場、入園料とも無料の公園です。城址公園だけを利用するなら、第二駐車場の方が近くて便利です。公園混雑時は臨時駐車場として未舗装エリアが開放されます。
地形を生かして造られたお城の跡なので、全体としてはアップダウンがありますが、遊歩道を行くかぎりは、それほど極端な傾斜はありません。車椅子自力走行の人も、通行可能です。
公園内のお茶屋さんの横に公衆トイレがあり、男女別それぞれにバリアフリートイレが併設されています。入園無料の公園内の公衆トイレとしては、立派なトイレです。隣接する歴史民俗博物館は、障害者手帳の提示で本人と介助者1名が入場無料になります。館内にバリアフリートイレがあります。
公園内の茶室は「三逕亭(さんけいてい)」。バリアフリーではなく、段差を乗り越える必要があります。休日の日中は一服400円で、お茶と茶菓子を楽しめます。
佐倉の城主で一番有名人は、幕末開国派の老中、堀田正睦。この公園内に米国ハリス領事と、堀田正睦氏の像が並んで建立されています。二人ともほぼ同じ身長で像は造られています。
佐倉城は、1500年代前半に中世城郭としてつくられ、1600年代初頭に本格的に築城された平山城。江戸の東を守る要として、有力譜代大名が城主となった歴史あるお城です。
明治維新後は、城址に陸軍歩兵第二連隊、通称佐倉連隊が置かれ、昭和20年の終戦まで軍隊が置かれていました。現在の公園に整備されたのは、昭和50年代になってからです。
現在の城址の状態を見ただけでは解りにくいのですが、当時の城の復元図を見ながら「空堀跡」などをみると、城の構造の軍事的な意味が理解できます。
四季折々の花木が楽しめる公園です。隣接する歴史民俗博物館は国内最大規模の施設。併せて利用すると1日コースです。
歴史民俗博物館はバリアフリー施設で、レストランがあり、車椅子で観覧できます。歴史の城下町佐倉へ、時間に余裕をもってお出かけ下さい。
(本稿は2015年の取材に基づいています)