新宿東口側、靖国通りの下にある地下街「新宿サブナード」は、1973年に開業しました。それ以後、本格的なバリアフリー改修は行われていません。靖国通りの歩道に「新宿サブナード」への入口が多数ありますが、すべて階段です。エレベーターはありません。
2023年にJR新宿駅から地下鉄新宿三丁目駅をつなぐ地下通路と「新宿サブナード」の連結箇所にエレベーターが設置されました。これによって車椅子で「新宿サブナード」にアクセスできるルートが大きく変わりました。
2023年6月現在、周囲は工事中です。
エレベーターが1基、稼働しています。
この他の車椅子でアクセスできるルートを紹介します。
○西武新宿PePeルート
昔からあり、数年前までは車椅子で行く唯一のルートであったのが「西武新宿PePe」B2からのルートです。
「西武新宿PePe」には1系統2基のエレベーターがあります。西武新宿駅の降車口からの利用なら2Fで、それ以外の場合は1Fでエレベーターを利用してください。
1F・2Fともにエレベーター乗降場所周辺には決定的なバリア構造箇所はありませんが、やや狭く人が多いので快適に車椅子で利用できるエレベーターではありません。そしてこのエレベーターは混むことが多く、2基中の1基が「車椅子・ベビーカー優先」になってはいますが、健常者の利用が多いエレベーターです。
B2でエレベーターをおりて「西武新宿PePe」地下出口へ進みます。右手に進むと段差なく「新宿サブナード」に行くことが出来ます。
○LABI新宿東口館ルート
大きなビジョンが目立つ、ヤマダ電機の「LABI新宿東口館」B2からのルートです。現時点では、このルートが最もお薦めです。
地上路から「LABI新宿東口館」1Fへ入館してください。エレベーターはメイン系統が3基、そしてB3と1F間だけを結ぶ系統が1基あります。どちらも車椅子で利用できますが、混雑時は比較的空いているB3と1F間だけを結ぶ1基のエレベーターの利用をお薦めします。1Fの乗り場は靖国通り側の入口に近い場所です。B2でおりると「新宿サブナード」連絡口の近くに出ます。
「LABI新宿東口館」B2連絡口から「新宿サブナード」へ出る箇所は、サブナードが傾斜路になっています。そのため連絡通路の約半分には段差があります。車椅子ではフラットな連絡通路の右側半分を通り、「新宿サブナード」へ出るようにしてください。
○三平ストア新宿店ルート
通路が狭くて混雑していることも多く、且つあまり利用すると営業妨害になる可能性もあるので積極的にはお薦めしませんが、三平ストア新宿店の1Fからエレベーターを利用して「新宿サブナード」へ行くことが出来ます。
1Fは靖国通りに面し段差なく店内に入店できます。左手奥にある2基のエレベーターで地階の食品売り場へ下ります。食品売り場内の通路を車椅子で通り抜けると、「新宿サブナード」に出ます。
○駐車場ルート
車で利用する場合は、サブナードB2地下駐車場からエレベーターで「新宿サブナード」に上がることができます。このエレベーターは駐車場とサブナード間だけで、地上には連絡しません。
身障者用駐車スペースは複数箇所用意されています。また駐車料金は身体障害者手帳等の提示で30分無料に減免されます。
○バリアフリートイレの利用方法
「新宿サブナード」には1つバリアフリートイレがあります。このトイレのドアはロックされています。ドア横にあるインターフォンで利用したい旨を連絡すると、リモート操作でロック解除されます。トイレに入り手動で内側からカギを閉めて利用します。
出るときはトイレ内の指定のボタンを押し、手動のカギを開けます。利用後にドアが閉まると、オートロックがかかります。
○サブナード内のバリアフリー状況
サブナード内の通路は、一部傾斜はありますが、目立つ段差はありません。ショップやグルメ店のバリアフリーレベルはそれぞれですが、概ね車椅子で利用できるお店が多い状況です。「新宿サブナード」自体は、車椅子で利用できる地下街です。
「新宿サブナード」は車椅子でのアクセスルートが限定的です。本稿が参考になれば幸いです。
別稿でJR新宿駅を起点にして、段差が無く、且つ雨に濡れずに車椅子で行くことが出来る地下通路の範囲を紹介する「車椅子で行く新宿地下通路バリアフリー情報 雨に濡れずにどこまで行けるか」を掲載しています。こちらもご参照ください。
(本稿は2023年6月に加筆しました)