渋谷区立松涛美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

渋谷区立松涛美術館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

住宅街に建つ小さな区立美術館「松涛美術館」は、美術館自体が建築芸術です。車椅子からみた施設のバリアフリー状況を紹介します。

神泉駅から徒歩5分の案内です。坂道に建つ美術館なので、どういうルートでアクセスしても、傾斜路を通ることは避けられません。それでも車椅子では通行できない坂ではありません。

美術館に来館者用の駐車場はありません。身障者用の車両で来館する場合は、エントランス前での一時駐車が認められるケースもあります。事前に連絡をして、利用状況を伝えて、案内に従ってください。ただし美術館の目の前で車を降りても、庇は無いので雨の日は濡れる構造です。

1977年に開設が決定された美術館です。凝った設計のため8億円の建設予算では足りなくなり、一部設計を修正、また予算を増額して1981年に開館しました。

老朽化対策で、2013年に大規模改修工事が行われました。館内のバリアフリートイレは設備更新されています。

しかし改修の大方針が当初設計通りの姿を残すことにあったので、エントランス周辺はバリアフリーとはいえない状態です。前庭からエントランスにかけてはやや傾斜があり、少しデコボコがある路面です。それでも車椅子での移動は可能です。館内はバリアフリー面での大きな問題はありません。

渋谷区立松涛美術館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

外壁に使用されているのは、赤みがかった花崗岩です。ポーチを抜けて1Fに入るとすぐに受付があります。

建物はB2から2Fまでの4層構造で、建物中央部に4層を貫く楕円の吹き抜けがあり、最下層B2には噴水が設置されています。中央吹き抜け部は全てガラス面になっているので、建物の内側から太陽光を引き込みます。

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1Fに中央吹き抜け部に架かる渡り廊下のような橋があります。狭く不整形な敷地、住宅街立地という制約の中で考案された独特な設計です。建物内のエレベーターは1基で、バリアフリートイレはB1と2Fにあります。

B2は多目的ホール、B1が第一展示室、1Fは受付とギャラリースペース、2Fが第二展示室他となっています。

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常設展がない美術館で、企画展が年に5本ほど開催されます。展示入れ替え期間は、2週間程度休館期間があります。企画展の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。その他に区民のための展示会やお茶会など特別イベントが不定期開催されます。

渋谷区立松涛美術館の館内はバリアフリーです。車椅子で問題なく企画展を鑑賞できます。

東京の個性的な美術館を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2016年5月の取材に基づいています)