静岡県三島市の「三島スカイウォーク」は全長400mの歩行者専用吊橋。車椅子で利用できる観光施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。開業は2015年。吊橋の正式名称は「箱根西麓・三島大吊橋」です。
アクセスは車が便利。無料駐車場が用意されます。身障者用駐車区画は、駐車場奥の土産店の前に屋根付きで5台分あります。駐車場のスタッフに車椅子利用の旨を相談して下さい。誘導していただけます。
トイレは身障者用駐車区画の近く、駐車場の奥にあります。トイレの名称は「ラグジュアリートイレ」。バリアフリートイレは入口に1つと、男女別トイレの中にもそれぞれあります。機能面、設備面、スペース面いずれも素晴らしいトイレでデザインもお洒落です。
トイレの近くに、土産店、カフェ、レストランがあり、いずれも段差解消などバリアフリー化が施され車椅子で利用出来ます。
ショップやトイレは無料エリアです。その先は有料エリアで入口に「南ゲート」があります。
三島スカイウォークの利用料金は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。南ゲート窓口に障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。そして吊橋へ向かいます。この間のルートはフラットな舗装路で車椅子での移動に問題はありません。
開業から吊橋の利用方法は「車椅子は介助者同伴」でした。これが2018年7月に撤廃され、現在は介助者なしでも利用できます。ベビーカーの利用も禁止でしたが、これも撤廃されました。またペットカートのふたを開けた状態での利用も認められました。「雨の日でも傘の利用は禁止」「日傘の利用は禁止」のルールは現時点では変っていません。
車椅子で吊橋を渡ります。各種の対策で安全を確保している吊橋です。また風の影響で揺れない工夫が施されています。
それでも、実際にはかなり揺れます。足が悪い人が、途中で動けなくなった人を見かけました。その日その時の条件で揺れ方は変りますが、揺れる400mの吊橋を往復する観光であることは理解して、ご自身やご家族の障がいの状況に応じた利用の可否を判断してください。
吊橋を渡った先は「北エリア」です。2017年に取材した時点では、展望台、展望デッキ、散策路「kicroの森」は段差構造で、車椅子での利用は無理でした。展望デッキに向かう上り坂通路の途中に、立て看板で「車椅子での絶景ポイント」という案内がありましたが、駿河湾は見えない場所でした。その後に「クリフチャレンジャー」ほか、新施設が誕生しています。
南エリアに戻ります。高台にある無料エリアの「スカイガーデン」へはエスカレーターで上ります。エレベーターはありません。
車椅子では「車」で行きます。土産店のスタッフに「スカイガーデン」行きたい旨を相談して下さい。車の車種、ナンバー等を確認し、「スカイガーデン」スタッフへ連絡をしていただけます。
駐車場から出て、車で箱根方面へ向かい、案内のない農道に入り「スカイガーデン」へ向かいます。敷地入口にゲートがあり、スタッフが開けて待っています。
詳述は省きますが、施設の成り立ちが吊橋と「スカイガーデン」では違うという事情があります。
「スカイガーデン」のバリアフリートイレは、車椅子が入るかギリギリの狭いトイレです。
「三島スカイウォーク」は介助者なしで車椅子利用ができます。ただし揺れるので、利用の可否については慎重に判断してください。
三島市にある「佐野美術館」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2019年7月に加筆修正しました)