三島 佐野美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

静岡県三島市にある1966年に開館した美術館です。バリアフリーの概念がない時代の建物ですが、改装されているので車椅子で観覧できます。

佐野美術館 車椅子観覧ガイド

アクセスは三島田町駅から徒歩3分の案内です。車利用の場合は、来館者用無料駐車場が計50台分用意されています。身障者用駐車スペースは、建物正面に屋根なしで1台分あります。横幅は余裕がありますが、前後のスペースには余裕がない駐車区画です。後部からスロープ乗降する車は、他のスペースを利用してください。

佐野美術館 車椅子観覧ガイド

美術館エントランスは階段構造で、横に段差解消折り返しスロープが設置されています。

佐野美術館 車椅子観覧ガイド

見た目よりも傾斜角度は緩く、車椅子で問題なく通行できるスロープです。

佐野美術館 車椅子観覧ガイド

今回取材時は、美術館の入口と出口が別に指定されていました。入口は自動ドアで、出口は開閉式の手動ドアです。出入口から館内にかけて床面に段差はありません。館内全域がバリアフリー仕様です。

佐野美術館は2フロア構造で、1Fが受付、ミュージアムショップ、講堂、事務所など。2Fに3つの企画展示室と1つの常設展示室がある構造です。年間で7本程度の企画展と、併設してコレクション展が開催されます。

1Fの受付で観覧手続きを行います。佐野美術館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人は無料、介助者2名まで半額に減免されます。1F受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。

バリアフリートイレは、1Fの男性用トイレの横に用意されています。スペースはやや狭いものの、一般的な車椅子は十分に入ります。手すりのあるウォシュレット付きとトイレでした。オストメイト、ユニバーサルベッドはありません。

佐野美術館 車椅子観覧ガイド

館内にはエレベーターが1基あります。前向きに入り、反対側からそのまま出ることが出来る、車椅子で利用しやすい両面扉のエレベーターです。かごは一般的なサイズで、普通の車椅子なら十分に収容します。

2F展示室はフラットな構造で、展示室内の車椅子での移動に問題はありません。今回取材時に開催されていた企画展では、車椅子から見難い、気になる展示はありませんでした。車椅子で観覧しやすい美術館です。

美術館に併設して、回遊式日本庭園と「隆泉苑」があり、美術館開館時間中は庭園が開放され、自由に散策することができます。

佐野美術館 車椅子観覧ガイド

しかし、日本庭園は車椅子ベビーカーでの散策は困難な構造です。写真は美術館側の入口付近ですが、すぐに飛び石が敷かれた散策路や砂利路面、未舗装デコボコ路面になります。その奥にも段差路が多々ある構造です。

佐野美術館 車椅子観覧ガイド

佐野美術館 車椅子観覧ガイド

日本庭園の散策は困難ですが、美術館はバリアフリー改装済みです。三島の佐野美術館は車椅子で観覧できるバリアフリー施設です。

伊豆国一の宮「三嶋大社」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年5月に執筆しました)

伊豆国一の宮 三嶋大社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

静岡県三島市にある古社です。創建年は不明。古くからこの地に鎮座。奈良時代の古書に記録があるそうです。そして社名の三嶋が三島の地名になりました。伊豆に流された源頼朝が崇敬し、その後も武門武将に崇敬された神社です。

三嶋大社はバリアフリーではなく、車椅子での参拝は苦戦します。現地の状況を紹介します。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

アクセスと駐車場の状況です。三島田町駅から徒歩7分の案内です。周辺は極端なアップダウンがない地形で、車椅子での移動は可能です。大社の周辺や参道付近には、お土産店、飲食店などが並びます。

参拝者用有料駐車場があります。駐車料金は小型車で1時間200円。駐車料金の障がい者減免制度はありません。収容台数は68台。ブルーペイントされた身障者用駐車スペースは屋根なしで2台分。横幅は余裕がありますが、後ろのスペースには余裕がない駐車区画です。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

駐車場からお土産屋「大社のよりどころ」付近までは、舗装路面が整備されています。「総門」の横までは問題なく車椅子で移動できます。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

境内のバリアフリー状況です。三嶋大社の境内は、ほぼ全域が車椅子ベビーカーでの移動に苦戦するタイプの砂利路面です。「総門」「神門」の門の下は段差構造で、段差回避スロープはありません。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

そして本殿の拝殿、賽銭箱の手前に2段あります。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

「大社のよりどころ」付近から、極力砂利路面を避けて舗装路面を通行し、決定的な段差を回避するルートは以下です。

「宝物館」の前の舗装路面を通行します。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

「宝物館」エントランスへは舗装路面が通じますが、本殿方面は途中で途絶えます。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

ここから先は砂利路面を無理して通行します。そのまま境内を正面からみて右端を進み「芸能殿」の横を通行します。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

さらに直進して「伊豆魂神社」の参道入口の横を通行します。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

「神門」を左に見ながら、本殿域の塀の右側にそって悪路を進むと、決定的な段差のない本殿域への通り抜け箇所があります。ここも小さな段差と傾斜路があるので、車椅子で慎重にクリアしてください。決定的な段差を回避して本殿域に入ることができる箇所はここだけです。

本殿域は車椅子がスタックするレベルの深い砂利路面です。「神門」から「舞殿」正面までと、「舞殿」裏側から「本殿」までの区間に舗装路面があります。この舗装路面にたどり着くまでは、深い砂利路面を無理して横断します。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

車椅子で三嶋大社に参拝するには、どうしても深い砂利路面を横断し、小さな段差と傾斜路を乗り越える必要があります。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

本殿を正面に見て、本殿域の左側に御朱印がいただける社務所「客殿」があります。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

社務所に行くには境内の深い砂利路面を横断する必要がありますが、「客殿」自体は舗装路面で段差のない、車椅子で利用できる構造です。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

「大鳥居」と「総門」の間に「神池」があります。この周囲も砂利路面で、部分的に舗装路が整備されている状況です。路面状況はバリアフリーではありませんが、そこには美しい景観があります。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

写真は、北条政子が勧請したとされる「神池」の中にある「厳島神社」です。無理をしない範囲で、「神池」周辺を参拝してください。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

バリアフリートイレの状況です。駐車場に隣接して2か所公衆トイレがありますが、2か所ともバリアフリートイレはありません。トイレには「車いすの方は、社務所または宝物館のトイレをご利用ください」と掲示されています。今回の取材では、バリアフリートイレを借りませんでした。社務所、宝物館のバリアフリートイレの現況は不明です。

三嶋大社 車椅子参拝ガイド

三嶋大社の車椅子参拝は、砂利路面を横断する必要があるので苦戦します。それをクリアできても、拝殿前には段差があります。無理のない範囲で、参拝してください。

三島駅前にある国の天然記念物及び名勝指定「三島楽寿園」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年5月に執筆しました)

三島楽寿園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

静岡県三島市三島駅前にある、国の天然記念物及び名勝指定の三島市立公園です。面積は約75,474㎡。富士山の溶岩「三島溶岩流」の上に立地した富士山世界文化遺産の一部であり、世界ジオパーク認定の伊豆半島のジオサイトの一つです。

明治23年に小松宮親王が別邸として造営。昭和27年から市立公園として三島市が運営しています。

そのような施設なので、もちろん全面的なバリアフリー公園ではありませんが、少し頑張れば車椅子である程度は散策ができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

三島駅南口から徒歩3分の案内です。楽寿園の「駅前入園口」は駅前。電車利用で車椅子での来園は可能です。

車利用の場合、車椅子利用者に限り、「駅前入園口」内に駐車することができます。駅前入園口は、一般車両が侵入できる雰囲気ではありません。見るからに歩行者専用の歩道とエントランス前空間があり、その奥は移動式のフェンスが閉じられています。今回取材時は、フェンスの手前にスタッフがいたので、車から車椅子利用の旨を申告しました。フェンスに「車椅子の方はこの電話番号に連絡してください」という掲示があります。スタッフがいないときは、閉じられたフェンスの前まで車両を進め、そこで電話をして誘導を受けてください。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

移動式フェンスは園のスタッフが開閉します。駐車料金は今回取材時点で200円。指定の場所に駐車すると、スタッフから2枚の用紙が配布されます。内1枚に200円と記載があり、その用紙を園受付に提示して駐車料金を支払います。もう1枚は、帰りの出庫の前に受付に渡します。それが合図になり、出庫時の移動フェンスの開閉をスタッフが行います。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

楽寿園は有料の施設ですが、入園料の障がい者減免制度があり、障害者手帳等の提示で本人と介助者1名の入園料が無料に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けてください。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

バリアフリートイレは、園内4か所のトイレの内、2か所のトイレに各1つ用意されています。写真は「南トイレ」です。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

園内の散策路は、ほぼすべてが砂利路面の未舗装路です。舗装路面はごく一部、例外的にある程度です。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

したがって車椅子やベビーカーでの移動は、快適ではありません。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

さらに園内は三島駅側の北側が高く、小浜池がある南側が低い、高低差がある構造です。そして部分的には砂利が深い場所があり、小浜池の周囲を中心に決定的な段差や車椅子では渡れない橋などがあるルートもあります。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

園内散策路の概況は以上ですが、決定的な段差路を回避して、少し無理をすれば、ほぼ園内全域を車椅子で移動できました。固い路面で砂利が薄いことが多く、見た目よりは車椅子が動く路面です。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

特に小浜池の周囲は、高低差が少ないことで、予想よりも楽に車椅子が移動できました。もちろん車椅子に砂利路面の小さな衝撃がくるので、快適な移動ではありませんが。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

楽寿館の内覧は段差構造のため車椅子では不可です。入口付近から外観を見学します。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

入口の横に、楽寿館の由緒などを解説した趣のある掲示版があり、車椅子から読むことができます。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

しかしながら、楽寿園の景観のハイライトの一つ、小浜池越しに見える楽寿館は、散策路から車椅子で楽しめます。見る価値のある光景です。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

園内2か所に「お休み処」があります。段差解消されている入口があるので、車椅子での利用は可能です。写真は「お休み処桜」の段差解消入口です。テイクアウトコーナーでは、シロップかけ放題のかき氷や、手作り搾りたてレモネードなどが販売されていました。車椅子用テーブル席の用意など、特別なバリアフリー対応はありません。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

楽寿園は格式高い伝統ある庭園ですが、「のりもの広場」や「どうぶつ広場」、アスレチック遊具などがある公園です。下の写真はその広場の一部の様子です。未舗装砂利路面ですが、少し無理をすれば車椅子で移動可能です。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

ジオパークとしての見どころを紹介します。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

園内の散策路を歩くと「いこいの松エリア」「小浜の森エリア」「常盤の森エリア」があり、溶岩と植物が織りなす景観を楽しむことが出来ます。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

近年は渇水がすすみ、その対策が現在検討されているということでした。

三島楽寿園 車椅子散策ガイド

駅前立地の天然記念物にして名勝、世界文化遺産のジオサイトです。楽寿園はバリアフリーとはいえませんが、少し無理がきく人なら、車椅子でここにしかない景観を楽しむことができます。

全長400mの歩行者専用吊「三島スカイウォーク」の情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2021年5月に執筆しました)