バリアフリーな世界文化遺産 韮山反射炉 車椅子見学ガイド

バリアフリーな世界文化遺産 車椅子で見学する 韮山反射炉

静岡県伊豆の国市の「韮山反射炉」は、整備されたコースから車椅子で見学ができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

韮山反射炉は2015年7月に「明治日本の産業革命遺産 」の構成資産として、世界文化遺産に登録されました。

それを契機に観光施設として整備が進み、2016年12月にガイダンスセンターがオープンして、バリアフリー施設に生まれ変わりました。

2016年12月にガイダンスセンターがオープン

周辺道路と駐車場の状況です。アクセスは車が便利です。周辺道路は再開発で拡幅されました。以前に比べて多くの車の来場に耐えられます。

無料駐車場も整備されました。第一駐車場がバス12台、普通車65台を収容。第二駐車場が普通車86台収容です。

今回取材時は、第一駐車場内の一般駐車区画5台分が身障者用駐車区画に指定されていました。したがって駐車スペースは普通サイズです。隣接する「観光物産館」も改装されています。

周辺道路と駐車場の状況

駐車場からガイダンスセンターに向かいます。フラットな舗装路面なので車椅子での移動に問題はありません。

バリアフリートイレは「ガイダンスセンター」の中の無料エリアに1つ用意されます。広くて綺麗なトイレです。

車椅子でガイダンスセンターへ

韮山反射炉の見学は有料ですが、障がい者減免制度があります。2017年の取材時は、本人と介助者2名までが無料に減免される制度でした。2019年現在、伊豆の国市役所の公式HPでは「本人と介助者1名」が無料と案内されています。

ガイダンスセンターの受付で、障害者手帳等を提示して減免手続きを行います。

障害者減免制度あり

ガイダンスセンター内のバリアフリー状況です。ガイダンスセンターの外壁は鉄をイメージした銅板仕上げです。センターの内部はバリアフリー仕様。車椅子での利用に大きな問題はありません。

展示室にはパネル、写真、一部は実物の展示、製造された大砲の再現品の展示などがあり、反射炉に関わることをガイダンスします。

「映像ホール」ではビデオによるガイダンス。8分間の映像紹介を見て、理解を深めてから反射炉見学に行きます。ビデオをみると反射炉の理解が深まります。映像ホール内には特別な車椅子用のスペースはありませんが、車椅子での利用は可能です。

ガイダンスセンター内のバリアフリー状況

反射炉の見学方法です。ガイダンスセンターから反射炉へ向かう道、および反射炉周辺のルートはバリアフリーです。緩い傾斜はありますが、一般的な車椅子利用者なら移動に問題のないレベルです。自由に反射炉を見学します。

ガイダンスセンターでの予習によって、反射炉の構造や各パートの役割が理解できます。

ガイダンスセンター内のバリアフリー状況

反射炉から離れても、有料エリア内はバリアフリーな散策路が続きます。一帯が小さな公園のように整備され、奥に進むと小さな滝があります。車椅子で滝と記念撮影が出来ます。

周辺エリアの散策

出口は隣接する「反射炉物産館」方面にあります。一般利用者は逆行出来ない回転柵の出口の利用ですが、車椅子をみてスタッフが別の開き戸の出口を開けてくださいました。

出口の先に土産屋兼食事処の「反射炉物産館」があります。この施設の専用駐車場にも、身障者用駐車区画が2台分ありますが、わざわざ車を移動させる距離ではありません。

「反射炉物産館」は古い施設を増設した構造で、出入口にはスロープがあります。スロープから食事処の入口に入ります。食事処はフラットで可動式のテーブルと椅子なので、車椅子での利用は可能です。

そこから土産コーナーに移動できます。土産コーナーにばバリアフリートイレがあります。土産コーナー内の通路幅は一般的なサイズで、混雑していなければ車椅子での利用は可能です。

出口から反射炉物産館へ

隣接した建物の2Fがイベント会場になっています。2Fなのですが、屋内からではなく、健常な人も裏の坂道を上って向かいます。この坂道の傾斜は急で車椅子では苦戦します。

この急な坂道を登ると「反射炉と富士山、二つの世界遺産が見える絶景スポット」と案内される場所があります。ご自身の体力、介助者の協力具合などで、坂を上るべきか否か判断して下さい。

急坂を上れば絶景ポイント

「韮山反射炉」は車椅子で見学ができるバリアフリー施設です。

伊豆の国市の道の駅「伊豆のへそ」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年7月に加筆修正しました)