茨城 涸沼自然公園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

茨城車椅子観光 涸沼自然公園 バリアフリー情報

茨城県茨城町の「涸沼自然公園」は、段差やアップダウンがある公園ですが、車椅子で散策が出来る湿地内の木道や園内を散策する舗装路があります。現地の状況を紹介します。

関東唯一の汽水湖「涸沼(ひぬま)」北岸の一角にある入園無料の公園です。涸沼を眺望する高台の展望台、ラムサール条約登録の湿地、さくらの丘などがあります。「あじさいの谷」では、季節には30種類1万株の紫陽花が咲きます。守られた自然のなか、天然記念物の固有種トンボなど絶滅危惧種の生息が多数確認されています。

自然公園なので、基本はバリアフリーではありません。飲料の自販機がある程度で、売店はない公園です。

涸沼自然公園の全体概要

アクセスは車です。約250台程度を収容する無料駐車場があります。未舗装の砂利路面の駐車場で駐車区画はなく、適当に車を停めて利用します。

公園入口の管理棟の前に、1台分だけ舗装された身障者用駐車区画があります。舗装されているのはここだけ。特等席のような駐車スペースです。

駐車場から園内へ入る箇所に公園の管理棟があります。駐車場からみて管理棟の右側にバリアフリートイレがあります。外から利用するビルドインタイプです。今回取材時は、トイレの設備はやや老朽化していましたが、広くて清潔なトイレでした。

公園内の他の公衆トイレにも、バリアフリートイレがあります。チェックした限り、設備面でベストのバリアフリートイレは管理棟のトイレです。

障害者用トイレの状況

舗装された身障者用駐車区画から管理棟へは、フラットな舗装路です。管理棟の中をくぐりぬけ公園内へ向かいます。ここに段差がありますが、段差回避スロープがあります。

そのまま園内のフラットな舗装路を直進します。横には花壇やシダレザクラがあります。

更に公園内を直進すると「若宮川」が流れ、その流域が湿地帯になります。ここに、池の中を車椅子で通行できる木製の歩道が設置されています。

歩道の広さは十分にあり、車椅子での通行に問題はありません。距離的にはたいした長さはありませんが、ラムサール条約登録湿地内を車椅子で通行出来ます。ただし経年劣化によって、木道にはところどころにデコボコがあります。慎重に車椅子を進めて下さい。湿地帯には貴重な植物が育ちます。水中は小魚が多数泳いでいます。「若宮川」を渡ると、公園のキャンプ場エリアに出ます。

管理棟から湿地帯へ

涸沼を一望できるスポットは、小高い丘の上です。複数の丘上りルートが設置されていますが、ほとんどのルートは段差がある未舗装路です。

丘への舗装路は1本です。このルートは勾配が急で車椅子での坂上がりは楽ではありません。ご自身や介助者の体力に応じて、登坂の是非はご判断ください。

坂を上りきると花壇があり、その付近から涸沼が一望できます。「展望広場」へはひどく荒れた未舗装面を進むので、車椅子利用者にはお薦めしません。

涸沼絶景ポイント

丘への舗装急坂路の途中、頭上にある橋は「イトトンボ橋」です。「イトトンボ」とは、1971年に涸沼のヨシ原で発見された天然記念物の固有種トンボ。絶滅危惧種に指定されています。

他にこのエリアで生息が確認されているレッドリストの昆虫は「オオルリハムシ」「ナゴヤサナエ」。鳥類では「オオワシ」「オオセッカ」「アマサギ」「カイツブリ」「ミサゴ」など。植物では「ミズアオイ」「ミズオオバコ」「タコノアシ」など。涸沼周辺は、絶滅危惧種が数多く生息する貴重なエリアです。

涸沼自然公園

「涸沼自然公園」は、湿地内の木道を車椅子で渡ることが出来ます。また坂を上ることが出来れば、涸沼の眺望を楽しむことが出来ます。

「涸沼」の畔に建つ大型宿泊施設「いこいの村涸沼」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年9月に一部修正しました)