茨城県の汽水湖「涸沼(ひぬま)」の畔に建つ大型宿泊施設で、東京都休養ホーム事業の宿泊先になっているバリアフリー施設です。日帰り温泉やランチ営業があるので、宿泊しなくても利用できます。2016年に「インフォメーションプラザ」が誕生。涸沼の自然を知ることができます。
メイン棟は本館と新館があり、レストラン、展望大浴場、そして客室があります。バリアフリールームは1Fに3室あり、和室8畳とツインベッドで最大6名まで宿泊できます。
屋外施設は、多目的グランド、プール、庭園、パターゴルフ場、グランドゴルフ場などがあります。また体育館「スポーツプラザ」があり、バドミントン、卓球、フットサル、スポーツ吹矢が楽しめます。
広い敷地に施設が点在する構造で、駐車場は6カ所用意されています。
メイン棟のバリアフリー状況です。段差のある個所にスロープを設置して、バリアフリー改修した施設です。エントランスは段差回避スロープがあります。
車寄せから階段を上がるルートには屋根がありますが、スロープ上には屋根はありません。
出入口は自動ドアです。
館内に入るとフロントがあり、その先のロビーへは段差がありますが、スロープが設置されています。
レストランはその奥。段差のないフラット構造で、可動式のテーブル席です。
眼前に涸沼を眺望しながら、車椅子で食事を楽しめます。
1Fのパブリックスペースにバリアフリートイレが1つ用意されています。今回取材時の状況は、ウォシュレットやユニバーサルベッドなどはない、シンプルな設備のトイレでした。
展望大浴場は2Fで、エレベーターはあります。浴場内は車椅子のための特別な装置はありませんが、手摺の設置など一般的なバリアフリー設備は用意されています。
屋外の状況です。フラットな地形なので、敷地内の車椅子での移動は可能です。舗装通路が整備されています。
涸沼に面して遊歩道が整備されています。「船溜」の横から遊歩道に上がるスロープの手前にはポールがあり、間隔が狭く車椅子では通行できませんでした。
インフォメーションプラザのバリアフリー状況です。インフォメーションプラザは独立棟の施設です。エントランス正面は階段ですが、段差回避スロープが用意されています。入館無料です。
建物の外向きにトイレがありますが、バリアフリートイレはありません。
館内はワンフロアでフラットな構造です。涸沼に生息する鳥類など動植物の写真や、涸沼の歴史や文化を紹介する展示があります。ガイドスタッフが、展示の解説をしていただけます。
涸沼の名産は「ヤマトシジミ」。涸沼全域の沿岸部で採れます。スタッフの解説によると、東日本大震災による津波の影響で、涸沼の水質はむしろ改善され、シジミにとっては良好な状態になったそうです。資源保護のためシジミ漁は平日のみ実施。小舟による漁を見学したい方は、平日の午前中を狙ってください。
インフォメーションプラザの屋根は、ヤマトシジミのイメージということです。
いこいの村涸沼は、各所にある段差箇所にスロープが用意されています。車椅子で利用できる大型施設です。
県指定の名勝広浦「涸沼広浦公園」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2020年7月に執筆しました)