コロナ対策 令和2年4月2日付 障害児支援施設に関する国からの連絡

厚生労働省から「学校の臨時休業に関連しての障害児通所支援事業所の対応について」各都道府県などに対し事務連絡が発出されました。ポイントは以下になります。(原文から意訳しています)

〇感染拡大警戒地域では縮小または休業

学校の一斉臨時休校が検討される地域の放課後等デイサービス事業所および児童発達支援事業所は、状況によっては通所サービスの提供を縮小する、または臨時休業を検討していただきたい。

そしてサービスの縮小、休業を実施した場合には以下に配慮することが記されています。

・サービスを縮小する場合、保護者が家にいることが可能な家庭には、市町村が利用を控えるように要請する。ただし各家庭の支援の必要性については十分に検討すること。

・障害児と保護者が安心して家にとどまることが出来るように、事業所は電話や訪問により次のような支援をおこなっていただきたい。

家庭状況、健康状況の確認、普段の通所ではできないコミュニケーション、通所をスムースに再開するためのサポート。

そしてこれらの支援を行った際の時間は、別に定める基準にのっとり報酬に加算できる。

・障害児と保護者のストレスが高く、緊急対応が必要な場合は、自治体と事業者で柔軟に対応していただきたい。

・電話や訪問、緊急対応などを実施する際には、別途に連絡している感染拡大防止策を参考に安全に万全を期していただきたい。

現時点の状況では、東京、大阪など都市部を中心に、障がい児を支援する放課後等デイサービス事業所および児童発達支援事業所が、縮小または休業となる可能性があります。

《生きるちから舎ニュース 2020年4月3日》

感染拡大防止 重度重複障がいのある家族との日常生活の問題と対応状況

新型コロナウイルス感染拡大により、障がいのある家族との日常の生活が大きく変わることがあり得ます。多くの家族に起こりえる問題について、2020年4月初旬時点での行政の対応方針などを紹介します。

〇特別支援学校の休校が長引く

一般の児童生徒と同様に「放課後等デイサービス」の利用などが推奨されています。障がいのある児童生徒に関係する、主な国の行政指針は以下になります。

・各施設の実情に応じて、通常の定員の枠を超える受け入れをしてもよい

・医療的ケア児などは、介護(高齢者福祉)施設への受け入れも含めて自治体で調整する

・各施設での看護職員不足には、休校中の特別支援学校の看護職員にも協力を要請する

放課後等デイサービスを利用するには、本人の医ケアの内容や、新しい環境への適用能力などが問題になります。

〇通所施設の職員が感染したため休業になった

受け入れ可能な近隣の施設があれば、一時的な利用が斡旋されます。しかしながら、現実的には受け入れ余力のある障がい者通所施設があり、利用者もすぐに馴染めるケースは稀かと思われます。

国から指針としては、休業になった通所施設が、居宅などに訪問サービスを行った場合にも報酬の対象に出来るとされています。いつもの通所施設に、濃厚接触者に指定されていない動けるスタッフがいる場合は、在宅サービスを利用できる可能性はあります。

〇感染が怖くて福祉作業所へ通勤できない

公共の交通機関などを利用して通勤している場合です。

通常時の指針では、在宅勤務は障がいの状況により、通勤が出来ない状況にある人だけが認められますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からでも、在宅勤務を認める連絡が国から発信されています。

作業所が業務変更可能で、本人の環境変化対応が可能であれば、在宅勤務が成立する可能性はあります。

〇外出自粛でルーティンのお出かけが出来ない

行政からの指針では、通常は移動支援サービスを提供している事業者が、移動サービスの時間の短縮、あるいは在宅でのサービスを行った場合でも、サービス実績に計上できるとしています。

長期間自宅にこもりきるのは大変です。障がいの状況とルーティン化しているお出かけの内容次第ですが、感染リスクが低いコースであれば、予防に気を配り、お出かけをすることも検討の余地はあるかと思います。

特に知的、コミュニケーション面で重度の障がいがある人の場合、外出自粛が大問題になる家庭があるはずです。一律的な解決策はありませんが、感染リスクが無いお出かけ企画を実情に応じて考案するしかありません。

〇医ケアに必要な消毒液が手に入らない

消毒液に関しては、国から市町村に対して、医療的ケア児がいる家庭に必ず必要量を届けるように通知されています。市町村の担当窓口に相談してください。

現時点で、医療用のマスクについては行政も調達困難です。

〇介護をしている家族が感染してしまった

国からの指針では、障がいのある人は濃厚接触者に指定されます。そのため、家族が入院しても、ショートステイなどの利用は禁止されます。

24時間ヘルパーをつけるなど、行政と相談して何らかの手段で在宅での介護生活が継続できる体制を確保するしかありません。

〇障がいのある本人が感染した

感染陽性者について、障がいの有無にかかわる国の指針はありません。

2020年3月に千葉県の障害者施設で発生した集団感染の事例では、軽症の感染者は施設内に隔離して病床が作られました。これは県の判断です。重症化した人は病院へ搬送されています。

重度重複障がいのある人の闘病を、楽観的に想像できる家族がいるわけがありません。何としてでも感染させない努力をするしかありません。

感染拡大防止は長期戦が予測されています。重度重複障がいのある家族との生活に関わる新しい情報が入りましたら、紹介させていただきます。

《生きるちから舎ニュース 2020年4月2日》

新型コロナ感染 重度重複障がい者に関わる国の通達内容

2020年4月1日現在、厚生労働省から多数の通知や連絡等が発出されています。多くは一般的な内容です。

その中から、障がいと共に生きる家族に必要な情報を抜粋して紹介させていただきます。

分かりやすくするために、原文から意訳した表現に変更していることをご承知おきください。

〇家族が感染してしまったら

・医療的ケア児の保護者が感染した場合、本人は濃厚接触者なので通所施設やショートステイは利用できない、訪問看護や居宅介護の利用を検討する

〇本人が発熱したら

・訪問系サービスは、利用者に(コロナ感染ガイドラインに抵触しないレベルの)発熱の症状があっても、事業者側で十分な感染予防対策をして、必要なサービスを継続的に提供する

〇施設の人手不足対策

・社会福祉施設で職員の確保が困難になった場合は、同業の法人間で連携する、または関係団体へ相談して職員の応援をえるなど、必要な対応を検討していただきたい

・福祉事業者が人員基準で定められる有資格者を確保できなくなった場合でも、市町村が認める者であればサービスに従事してもよい

・放課後等デイサービス、重度障害児、医療的ケア児を受け入れている事業所で看護職員が確保できない場合は、地域の同業者と連携する、臨時休業中の特別支援学校の看護職員に協力を要請する、ほかの事業者に受け入れを要請する、などを検討していただきたい

〇施設での定員を超過した受け入れ

・放課後等デイサービスの利用者数は定員を超えても構わず、上限値は国では決めないので、各施設の実情に応じて判断すること

〇特別支援学校の休校対策

・臨時休校によって放課後等デイサービスの利用を希望する特別支援学校の幼児児童生徒は、高齢者介護事業所も対象にして市区町村が受け入れ先を調整すること

〇福祉事業者サービス内容の変更について

・移動支援サービスにおいて、外出時間の短縮、あるいは外出を自粛して自宅などで支援を行った場合も、実施主体である市町村が認めれば、移動実績として計上してよい

・近隣で感染が発生している、あるいは職員が感染したなどの事由で、通常の通所福祉サービスを休業している事業者が、利用者の居宅などで支援活動を行った場合、市町村の判断で報酬の対象としてよい(放課後等デイサービスにも、ほぼ同様の連絡があります)

〇福祉事業者サービス時間の変更について

・感染拡大防止のために、支援サービスの時間が規定よりも短縮した場合でも、報酬を算定してよい(20分未満でも30分、重度訪問介護の場合は1日3時間未満でも報酬算定可能、など)

〇入居施設で利用者が濃厚接触者になった場合

・入居の濃厚接触者の入浴は、個人専用の浴室でない場合は不可で、清拭で対応し、使用したタオルは徹底的に消毒すること

〇就労事業の運用ルール変更

・就労移行支援事業所、就労継続支援事業所は、利用者と月一回以上の体面による支援を行う義務があるが、市町村が認めれば電話でもよい

・A型B型とも福祉作業所の在宅勤務は障害の特性によってのみ認めていたが、感染防止の観点からでも市町村は認めてよい

〇就労事業者への経営支援策

・経営不振なA型事業者は、経営改善計画の策定が義務付けられているが、コロナが原因による経営不振と市町村が認める場合は、計画の提出を延期できる

・コロナによる経営不振で賃金支払いが困難になったB型事業者は(最後の手段として)許可を得て、工賃補填に自立支援給付費を充てることができる

〇消毒液の優先配布

・医療的ケア児への消毒液の優先供給は、市町村が必要量を把握して調達し、家庭に配送するなどしてでも円滑に供給すること

今後も、障がいと共に生きる家族に関係する行政連絡等が発出された場合は、可能な限り迅速に情報提供させていただきます。

《生きるちから舎ニュース 2020年4月2日》