松本市歴史の里 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

「松本市歴史の里」は、信州の近代がテーマの「たてもの野外博物館」です。5棟の内3棟はスロープがあります。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

明治から昭和にかけての近代史を知る野外博物館です。移築して保存公開される建造物は5棟。重要文化財「旧松本区裁判所庁舎」、「旧松本少年刑務所独居舎房」、カイコ繭から生糸を生産した「旧昭和興行製糸場」、野麦峠の旅人宿「工女宿宝来屋」、社会運動家「木下尚江生家」です。

アクセスは車が便利です。広い無料駐車場があります。身障者用駐車区画は、一般車両は通行禁止の施設入口近くに2台分用意されていますが、駐車区画の箇所だけ路面が舗装されていません。周囲は舗装されているので、臨機応変に車椅子利用者は乗降してください。

「松本市歴史の里」の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。入場口の先右手にある「管理・トイレ棟」で入場手続きを行ってください。

この棟の中と「展示・休憩棟」の中の2か所に、バリアフリートイレが用意されています。

入場手続きを済ませると、健常者は旧裁判所の階段入口に向かいます。車椅子利用者は裏にスロープがあるので、「工女宿宝来屋」方面へ向かい、左折して旧松本少年刑務所に向かいます。そこに旧裁判所と旧松本少年刑務所につながるスロープがあります。

「旧松本区裁判所庁舎」のバリアフリー状況です。旧裁判所は「松本市歴史の里」で最も大きな建造物、スロープで裏から館内に入ります。法廷には当時の裁判官や弁護士、被告人を模した人形展示があります。元々が段差構造の施設ですが、建物は平屋で、車椅子で建物内の約80%は見学可能です。

「旧松本少年刑務所独居舎房」のバリアフリー状況です。旧松本少年刑務所には、同じスロープから車椅子で入ることが出来ます。刑務所内はフラット構造なので、車椅子での見学は可能です。

いくつかの独居舎房がドアを開けて展示。自由に中に入り、ドアを閉める体験ができます。ただし段差があり、且つ土足禁止なので、車椅子のままでの体験はできません。

「旧昭和興行製糸場」のバリアフリー状況です。製糸場は1995年まで操業していた施設です。出入口にはスロープがあり、車椅子で場内に入ることが出来ます。

施設内には操業時の設備がそのまま残され、自由に見学します。見学通路はやや狭い箇所があり、車椅子での移動はギリギリで可能です。

「展示・休憩棟」のバリアフリー状況です。「展示・休憩棟」には、展示施設として「川島芳子記念室」と「山本茂実展示コーナー」「シベリア抑留展示コーナー」があります。

出入口はスロープがありドアは手動ドア。休憩室は機織り体験ができる施設も兼ねています。この棟は歴史的建造物ではないので、車椅子での利用は可能です。

段差構造の建物があります。「工女宿宝来屋」は江戸時代に建てられた宿。明治から大正にかけて、飛騨地方から諏訪・岡谷の製糸工場へ向かう工女たちが大勢宿泊しました。建物横には「ああ野麦峠」の像が建てられています。

「木下尚江生家」は社会運動家の木下が、明治2年に生まれた生家です。以上の2棟は、段差構造で車椅子での内部見学は出来ません。

史的建造物の野外博物館としては、車椅子利用者への配慮があります。すべては無理ですが「松本市歴史の里」は、車椅子である程度の見学が可能です。敷地内の通路は、デコボコが有る箇所が少なくないので、車椅子は慎重に進んで下さい。

「国宝松本城」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年1月の取材に基づいています)

国宝松本城 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

国宝松本城は、「天守」内は階段構造なので車椅子での見学は出来ません。

「本丸庭園」の通路は車椅子で通行可能です。しかしお城の周囲は砂利面、未舗装、段差ありで、車椅子で楽に移動できる箇所は少なく、移動行程のほとんどは気を使いながら車椅子で進むことになります。以下、現地のバリアフリー状況を紹介します。

「内堀」内の天守がそびえる本丸庭園は有料施設ですが、障がい者減免制度があり本人と介助者1名の入園料が無料に減免されます。「黒門」手前の券売所で入園手続きを行います。

バリアフリートイレは「太鼓門」横の公衆トイレ、「松本城公園」の公衆トイレ、「本丸御殿内」のトイレに用意されています。

車椅子で本丸庭園入口である「黒門」を目指すルートです。車椅子でもっとも楽なルートは、松本市役所側の「外堀」沿いの歩道から、橋を渡り「太鼓門」をくぐります。「太鼓門」内には段差箇所がありますが、不完全ながらスロープが架かっているので、慎重に移動すれば車椅子で通行できます。

「太鼓門」の先は未舗装路、砂利面路になりますが、車椅子にとって決定的な通行困難箇所にはゴムマットが敷かれています。隙間や小さなデコボコがあるので、必ずしも快適ではありませんが、車椅子での移動は頑張れば可能です。

「黒門」周辺も、不完全ですが段差にはスロープがあります。未舗装、砂利面路ですが路面は固いので、なんとか車椅子で通行できます。

本丸庭園内に入ると、通行路は舗装されています。舗装路を通るだけで、松本城天守の見学は可能です。

内堀と外堀の間に「二の丸御殿跡」があります。このエリア内は舗装路ではありません。車椅子では通行に苦労する砂利面路なので、無理をしないで下さい。

駐車場の状況です。松本城周辺には複数の有料駐車場があります。車椅子お薦めルートである、松本市役所側の「外堀」沿いの歩道から「太鼓門」を目指すルートなら、最も近い有料駐車場は「松本市役所本庁舎駐車場」です。

近くにある身障者用の駐車区画「信州パーキングパーミット制度」対象の駐車場は、前出の「松本市役所本庁舎駐車場」入口に2台分、「松本市役所東庁舎ATM前駐車場」に4台分、そして「松本市役所東庁舎北駐車場」入口に2台分用意されています。同制度を運用している他府県で交付された利用証でも駐車できます。

冬の恒例イベントは「氷彫フェスティバル」。2019年は1月26日、27日の二日間開催されました。会場には数多くの氷の彫刻が展示されます。

松本城の天守内は車椅子では利用できません。周辺の公園スペースや本丸庭園は、ルートを選べば車椅子で移動可能です。

松本市にある「旧制高等学校記念館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年1月の取材に基づいています)

道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

木曽路には数多くの「道の駅」があります。その中から木曽路を代表する道の駅「木曽福島」と、商業施設がない道の駅「奈良井木曽の大橋」のバリアフリー状況を紹介します。

○道の駅木曽福島

「道の駅木曽福島」の所在地は「木曽郡木曽町福島」。木曽のシンボル「御嶽山」を眺望するテラスがあります。

商業施設としては、特産品売り場、直売所、食事処の構成。オーソドックスな道の駅です。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

トイレは独立棟でバリアフリートイレは1つ用意されています。ショップ内にトイレはありません。

身障者用駐車区画は、トイレ棟の横に屋根付きで2台分あります。商業棟の前にはありません。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

施設の外観は宿場町をイメージする和風建築です。少し傾斜のある土地に平屋棟が横に並ぶ構造で、身障者用駐車区画は最も低い位置になります。そこを起点にみると緩い傾斜を上りながら「トイレ棟」「特産品販売所」「ウッドデッキ」「農産物直売所とレストラン」の4施設が並びます。

傾斜はありますが、移動通路はフラットで、施設内のスペースは狭くはないので、車椅子での利用に大きな問題はありません。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

木曽福島の特産品と出会える道の駅です。「特産品販売所」の中に、地元の製薬メーカーのコーナー「日野百草本舗」があり、専任スタッフが常駐して各種相談を受け付けます。「御嶽百草丸」は昔からある万病に効く胃腸薬です。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

例年4月から11月の間は、食事処では朝食バイキングを提供しています。営業は7時から。食事処の窓からは御嶽山を眺めることができます。

「特産品販売所」の奥は観光情報コーナーになっています。そこには地元出身力士の大きなパネルがあります。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

○道の駅奈良井木曽の大橋

宿場町の古い町並みが残る「奈良井宿」。その近く、木曽川に架かる総檜造りの太鼓橋が「木曽の大橋」です。

「道の駅奈良井木曽の大橋」は一般的な道の駅ではなく、「木曽の大橋」観光のための駐車場です。商業施設は全くありません。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

観光用駐車場は「木曽の大橋」の両端に分かれて用意されます。

国道19号側の駐車場は、国道からの進入路を入るとすぐにあります。広い駐車場で身障者用駐車区画の設定があり、そこから「木曽の大橋」までは、フラットな舗装路。車椅子での「木曽の大橋」観光は可能です。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

川向こうの奈良井宿側の駐車場は、「奈良井交差点」から「権兵衛駐車場」方面へ向かい、線路の手前の細い道を右折して進みます。数台程度の狭い駐車場があります。

川向こうの狭い駐車場に隣接して公衆トイレがあり、バリアフリートイレがあります。駐車場からトイレまでの路面は荒れていて、車椅子での移動が苦労します。またトイレの質はあまり高くはありません。

「木曽の大橋」に近づくまでの路面も荒れています。ガタゴトの路面を車椅子で乗り越えて進むことになります。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

「木曽の大橋」は歩行できる橋ですが、段差があり、太鼓橋のアーチの角度も急なので、車椅子での渡橋は困難です。車椅子では「木曽の大橋」を近くから眺める観光になります。

したがって車椅子での観光は、国道側の駐車場を利用して「木曽の大橋」を見る。トイレは別の施設で利用することをお薦めします。

車椅子で行く木曽路 道の駅木曽福島・奈良井木曽の大橋

宿場町の奈良井を観光する場合は、「道の駅奈良井木曽の大橋」からアクセスすると、奈良井駅近くにある段差構造の地下歩道で線路を潜ることになります。車椅子での奈良井宿観光の拠点として「道の駅奈良井木曽の大橋」はお薦めできません。

前出の「権兵衛駐車場」からは、踏切で線路を横断して奈良井宿に行くことができます。有料ですが「権兵衛駐車場」の利用をお薦めします。

「道の駅木曽福島」はオーソドックスな道の駅です。「道の駅奈良井木曽の大橋」は大橋観光専用の無料駐車場です。

木曽路の「妻籠宿」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年4月の取材に基づいています)