長野県松本市にある「旧制高等学校記念館」は、全国の旧制高校を対象にした資料館で、車椅子での見学は可能です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
松本市の「あがたの森」公園内にある施設です。公園内には国の重要文化財である「旧制松本高等学校校舎」が残ります。
「旧制高等学校記念館」は、重要文化財の旧校舎の中にあるのではなく、隣接する現代の建物の中にあります。したがってバリアフリー面での大きな問題はありません。車椅子で利用できる記念館です。
アクセスは車が便利。「あがたの森」公園の無料駐車場を利用します。駐車場は3カ所あり、いずれも公園の北側の道から出入りします。近いのは大正11年に竣工した「旧制松本高等学校講堂」の両脇にある駐車場です。もっとも収用台数が多い広い駐車場は公園の東側にある駐車場で、「旧制高等学校記念館」までは100mほどです。いずれの駐車場にも身障者用駐車区画があります。
駐車場から記念館入口まで、公園内の通路は舗装路でほぼフラットです。記念館入口は自動ドア。段差もないので車椅子での入館に問題はありません。
記念館は3フロア構成で、1Fは無料エリア、2Fと3Fが有料の展示エリアです。入館受付は1Fにあります。旧制高等学校記念館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。
バリアフリートイレは1Fにあります。建物屋内から利用するトイレと、屋外から利用するトイレの2つが用意されています。
エレベーターは1基あります。やや狭いタイプで、一般的な車椅子は入りますが、大型の車椅子はギリギリで入るかどうかです。
2Fと3Fの展示は車椅子で見学可能です。フロア内はフラットで、車椅子から見やすい展示が並びます。
「旧制高等学校記念館」は、「旧制松本高等学校」の記念館ではなく、全国の旧制高校を対象にした資料館です。それでも「旧制松本高等学校」に関わる展示コーナーが、もっとも力が入っています。
館内には「旧制松本高等学校校舎」をバックにした記念撮影スポットがあります。場所は2Fバルコニー前です。パネル他、記念撮影のための小道具の用意もあります。
1Fの無料エリアにミュージアムショップがあります。小規模なショップで、通路幅にゆとりはありませんが、車椅子での利用は可能です。旧制高校や北杜夫さんなどに関連する企画商品がいろいろあります。ぜひ立ち寄ってください。
「旧制松本高等学校校舎」は「本館」と「講堂」が現存しています。「本館」は大正9年の竣工。校舎自体の見学は無料ですが、周囲はあまりバリアフリーではありません。車椅子では無理のない範囲からの見学になります。
「旧制高等学校記念館」は、全館車椅子で利用できるバリアフリー施設です。
松本の国宝「旧開智学校」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2019年1月の取材に基づいています)