丸の内パークイン 車椅子駐車場利用ガイド バリアフリー情報 

東京丸の内は、駐車場も充実しているバリアフリータウンです。「丸の内パークイン」の利用方法と各ビル駐車場の身障者用駐車スペースの状況をご紹介します。

○丸の内パークインの共通サービス

三菱地所の管理ビルを中心に、丸の内地区24箇所のビル駐車場が加盟している「丸の内パークイン」。駐車場入口にロゴマークが掲示されているのが加盟駐車場です。

サービス内容は全駐車場共通です。

-365日24時間営業

-料金は400円/30分(2017年に値上げしました)

-丸の内カード加盟店利用によるサービス券あり

-丸の内カードで最初の1時間無料

※駐車料金の障がい者減免制度はありません

丸の内~障害者用駐車場

車椅子利用者から見た場合の利点です。

-全駐車場が屋内でビル直結のため雨の日も安心

-全ての駐車場に身障者用駐車スペースあり

-新しいビル駐車場は快適なバリアフリー設計が主流

電車でもアクセスが良い丸の内ですが、車移動派の車椅子利用者も安心してお出かけ出来ます。

丸の内~障害者用駐車場

○丸の内パークイン加盟ビル

2022年4月時点での「丸の内パークイン」加盟ビルをご紹介します。

・丸ビル

・新丸ビル

・丸の内オアゾ

・日本生命丸の内ビル

・新大手町ビル

・JPタワーKITTE

・東京ビルTOKIA

・丸の内永楽ビルディング(イーヨ!)

・日本興業倶楽部会館

・三菱ビル

・丸の内パークビル(丸の内ブリックスクエア)

・丸の内仲通りビル

・明治安田生命ビル(丸の内マイプラザ)

・新東京ビル

・国際ビル

・新国際ビル

・有楽町ビル

・新有楽町ビル

・有楽町電気ビル

・大手町パークビルディング

・大手門タワーJXビル

・丸の内二重橋ビル

・TOKYO TORCH 常盤橋タワー

なお新日石ビルは、日曜祝日は休業で平日と土曜日営業時間も他の駐車場とは異なります。

各駐車場それぞれに車椅子で利用する場合のポイントがあります。人気のビル駐車場を中心にバリアフリー状況をご紹介します。

○丸ビル

「丸ビル」の地下駐車場は同乗者が先に降りる機械式です。B2に2台分の身障者用駐車区画があるので、車椅子利用者はスタッフに申告相談してください。

そこが満車の場合は「中央ゾーン」という行幸通りの地下にある駐車区画に身障者用駐車区画が用意されています。

丸の内パークイン

段差解消エレベーターがあるので、車椅子でも「中央ゾーン」が利用できます。

丸の内パークイン

○新丸ビル

「新丸ビル」の地下駐車場は、車が横移動して収納される車椅子で利用できる機械式です。ただし入出庫とも1台分の設備しかないので、乗降に時間がかかる人は肩身が狭くなります。平置きの身障者用駐車区画の用意もあるので、希望する場合はスタッフに申告してください。

新丸ビル

「中央ゾーン」への移動も可能です。

新丸ビル

少数ですが一般の平置き駐車区画があり、稀にそこに誘導されることがありますが、一般平置き区画は狭いので車椅子での乗降は苦戦します。誘導されてもむしろ機械式を希望した方が乗降は楽です。

丸の内~障害者用駐車場

○JPタワーKITTE

「KITTE」の駐車場は平置き式。一般駐車区画はB2とB3で両フロアに身障者用駐車スペースの用意があります。

丸の内~障害者用駐車場

○丸の内オアゾ、丸の内ブリックスクエア、TOKIA

「丸の内オアゾ」と「丸の内ブリックスクエア」「TOKIA」の地下駐車場は平置き式で、スペースに余裕がある身障者用駐車区画があります。この3つのビルは満車になる可能性が高いので、混雑時はご注意ください。

丸の内~障害者用駐車場○丸の内マイプラザ

「丸の内マイプラザ」の地下駐車場は同乗者が先に降りる旧型の機械式です。平置きの身障者用駐車スペースが2台分用意されているので、スタッフに利用を相談してください。

○国際ビル、新国際ビル、有楽町ビル、新有楽町ビル、有楽町電気ビル

いずれも平置き式駐車場で身障者用駐車スペースの設定はあります。

有楽町電気ビル

これらの有楽町よりに建つビルは竣工が古く、初期設計がバリアフリーではありませんが、改修されて車椅子でもなんとか利用できます。

ただし、段差構造箇所には簡易スロープ、スロープ対応のあるビル出入口が一か所だけなど、いずれのビルも新しいビルに比較すると、やはりバリアフリー面は見劣りします。

丸の内~障害者用駐車場○新大手町ビル

「国際ビル」「新有楽町ビル」などの古いビルを含めて、「丸の内パークイン」は車椅子で利用出来るようにバリアフリー改修されていますが、1カ所だけ「新大手町ビル」地下駐車場の土日祝日は避けてください。ビルエレベーターが停止するので、階段でしか地上に上がれません。

○大手町パークビルディング、大手門タワーJXビル

平日と土日で駐車場の運用が変わることが多い駐車場です。通常は機械式の駐車場ですが、利用者が少ないことが予想される週末は、機械式駐車スペースの稼働を停止し、平置き駐車場に誘導される場合があります。身障者用駐車スペースはあるので、スタッフに車椅子利用を申告してください。

丸の内~障害者用駐車場

○丸の内二重橋ビル、TOKYO TORCH 常盤橋タワー

地下機械式駐車場ですが、乗降スペースに余裕があるので車椅子で利用できます。ただし入出庫口がそれぞれ1つなので、混雑すると入出庫に時間がかかります。

新しいビルなので、バリアフリー面では大きな問題はありません。

東京トーチ

車を利用する車椅子利用者にとって、丸の内は便利なバリアフリータウンです。「丸の内パークイン」を利用して、買い物や食事をお楽しみください。

(本稿は2022年4月に加筆しました)

丸の内 丸ビル 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

丸の内を象徴する丸ビルは、商業施設として車椅子で利用できるバリアフリー施設です。より快適に車椅子で利用するために、知っていると便利な情報をお届けします。

丸の内~丸ビル

東京駅丸の内口は、赤レンガの威容が人気です。東京駅を車椅子から鑑賞するなら、丸ビルの5Fテラスがお薦めです。

丸ビル

以前は3Fから4Fへ2フロア吹き抜け構造の大きな窓から東京駅を眺めましたが、現在では5Fのテラスから眺望を楽しめます。

丸ビル バリアフリー利用ガイド

バリアフリー構造ですが、屋外テラスなので雨の日、風の日、暑さ寒さの問題はあります。体力に不安のある重度障がいの方は、体調に気を付けて東京駅の眺望を楽しんでください。

丸ビル バリアフリー利用ガイド

2023年4月、丸ビルB1に「マルチカ」がオープンしました。もちろんバリアフリーなグルメ街です。

丸ビルのバリアフリー上の弱点は、バリアフリートイレが各階にないことです。商業フロアでトイレがあるのは、B1、2F、5F、35Fです。上下階移動のエレベーターが混み合うことが多いので、トイレの無いフロアから移動するのに、エレベーターが混んで苦労することがあります。

丸ビルのバリアフリートイレのなかで、穴場的なトイレのフロアは7Fです。一般的な商業店舗がないので利用者が少なく、またシースルーエレベーターの最上階なので、利用後はエレベーターに始発で乗れます。

丸ビルの商業フロアはB1から6F、7Fの一部、そして35Fと36Fが高層レストラン街です。中央部に2基のシースルーエレベーターがあり、B2駐車場から7Fまでをつなぎます。このエレベーターが混みます。車椅子、ベビーカー優先と掲示がありますが、車椅子で乗り込めないことが珍しくありません。

土日祝に利用の場合は、シースルーエレベーターの混雑対策として、B1と1F、5Fと6Fに高層階行きエレベーターが停止します。以上の停止階間の利用なら、高層エレベーターを利用すると滅多に混みません。

ポイントがたまり、駐車場もお得になる丸の内カードには、クレジット機能がない無料のカードもあります。丸ビルB1の丸の内カードカウンターがあり、丸の内カードに関する相談ができます。B1フロアの行幸通り方面、丸ビル地下から外にでるようなイメージの場所に丸の内カードカウンターがあります。

丸の内カードカウンターは、足の長い椅子のカウンター形式です。車椅子で行くと、スタッフがカウンター前に出て対応していただけました。

丸ビルの1Fは「丸キューブ」というイベントスペースで、3Fの回廊は展示ギャラリーです。正面入口前の「丸の内仲通り」では、各種のイベントが開催されます。

イベント情報は公式HPなどで公開されています。イベント情報をチェックして車椅子でお出かけください。

丸の内~丸ビル

丸ビルの地下駐車場は満車の場合、1~2台程度なら路上待ちが許されますが、それ以上の状況になるとスタッフが入場口に立ち、他の駐車場を利用するように案内されます。

このような状況の時は、周辺の丸の内パークインも満車の可能性が高くなります。丸ビルが満車で困った時にお薦めなのは、JPタワーKITTEの駐車場です。丸ビル駐車場入口から東京駅方面に移動して最初の交差点を右折すると、すぐにKITTE駐車場の入口があります。

KITTEの駐車場はほとんど満車になることがありません。地下駐車場は平置きで、身障者用駐車区画があります。

KITTEのB2とB3が一般駐車フロアで、そこからエレベーターでB1へ上がります。B1から地下通路を通り、バリアフリーに丸ビルのB1へ連絡します。したがって雨の日でも全く濡れずにKITTEから丸ビルに車椅子で移動することが出来ます。

KITTEは三菱地所ではありませんが、駐車場は丸の内パーキングに加盟しています。そのため丸ビルのお店で発行された駐車サービス券は、KITTE駐車場でも利用できます。駐車券を利用店舗で示して、サービス券を受領してください。

KITTE

概ねバリアフリーな丸ビルですが、車椅子での利用が不便な飲食店があります。入口に2段の段差があるお店。座敷席が多くテーブル席が一部しかないお店。店内通路が狭く、車椅子では移動が苦労するお店があります。

店舗は入れ替わるので状況は変りますが、お店を初めて利用する場合は、事前にお店にバリアフリー状況を確認することをお薦めします。

(本稿は2023年4月に加筆しました)

丸の内仲通り 車椅子からみたイベントとバリアフリー化の歴史

丸の内仲通りはイベント天国です。歩行者天国になる車道はゴツゴツしたブロック舗装で車椅子には不向きですが、歩道は快適なフラット路面で、バリアフリービル群に囲まれた快適なストリートです。恒例イベント、過去の面白イベントを題材に丸の内仲通りの魅力をご紹介します。

丸の内仲通り

丸の内仲通りは、丸ビルが再開発されるまではただのオフィス街だった、というイメージがありますが、アート系オブジェが設置された「丸の内ストリートギャラリー」は1972年スタート。そして歩行者天国「ランチョンプロムナード」は1985年から。この頃から歩行者天国を利用して各種のイベントが企画されました。バブル期前夜の時代から、イベント天国としての「丸の内仲通り」の歴史は始まっています。

丸の内仲通り

丸の内仲通りが大ブレークしたのは、1999年の「東京ミレナリオ」。夜の丸の内仲通りが人波で埋まり、東京駅から歩行者の通行規制が敷かれたビッグイベントです。あの当時としては画期的なイルミネーション企画でした。

丸の内仲通り

人気ピークの頃は、あまりの混雑で車椅子では寄りつけないほど。東京駅からの規制されたアクセスルートは、地下からの階段ルートでした。まだ1999年は、現在のバリアフリー感覚とは違う時代です。

丸の内仲通り

2000年代に数回開催された「カウパレード」。大勢のアーティストが牛をペイント。それが丸の内のあちらこちらに展示されるという企画です。このペイント牛はオークションに出され、収益金は慈善団体に寄付されました。いまだに、思わぬところで、この企画の牛に出会うことがあります。

丸の内仲通りには多数の牛が展示。「カウパレード」は車椅子で楽しく牛を鑑賞できるイベントでした。

丸の内仲通り

現在まで続く恒例企画「丸の内イルミネーション」が始まったのは日韓ワールドカップが開催された2002年。2002年は再開発された丸ビルが開業。この年に丸の内仲通りは改修されて歩道が7mに拡充。そしてLED照明が一般化し、街路樹にイルミネーションを直接まきつける手法が導入されました。

丸の内仲通り

当初は大混雑した「丸の内イルミネーション」ですが、「東京ミレナリオ」の時とは違い、丸の内仲通りのインフラが整備されたので、車椅子で観覧できましたが、現在と比べればインフラ整備はまだ途上で、LEDの輝きも劣り、消費電力は現在のLEDの数倍必要でした。

進化した丸の内仲通りの「丸の内イルミネーション」は、現在では車椅子で最も快適に鑑賞できる、冬のイルミネーションイベントの一つです。

丸の内仲通り

2004年にはオープンカフェ「アーバンテラス」を実証実験。

2008年からは花壇のイベント「東京丸の内フラワーウィークス」がスタート。

丸の内仲通り

2012年には有名人の彫像と座る「ベンチアートin丸の内」があり、その彫像の出来に賛否両論が起こりました。

丸の内仲通り

夏の恒例イベントとしては「丸の内de打ち水」や「東京丸の内盆踊り」。

スポーツ系では近隣事務所対抗「綱引き大会」や「リレー大会」。

他にエリアコンサートや大道芸。クラフト市の「丸の内ストリートマーケット」など。

丸の内仲通り

丸の内仲通りはイベント天国として大活躍しています。

丸の内仲通り

「オオテモリ」の開発後、丸の内仲通りは大手町方面へ延長されて定義されるようになりました。有楽町から大手町まで、再開発が進んだ先端バリアフリーエリアの真ん中を通る丸の内仲通り。どのビルからでも安心して車椅子で利用できます。

(本稿は2018年7月に執筆しました)