東京都港区台場の「アクアシティお台場」は、車椅子で利用できる商業施設です。ただし注意すべき点もあります。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
2000年に開業した施設です。玄関口となるメインフロアは3Fです。3Fへは台場駅からブリッジで直結します。
また海浜公園駅、りんかい線の東京テレポート駅方面からも、デックス東京ビーチ経由で3Fに直結します。
海浜公園側からも、公園のエレベーターで連絡デッキに上がり、そこから3Fへ直結します。
地上から1F館内へは、フジテレビ側の出入口から段差なく出入り出来ます。駐車場は4Fから屋上の7Fまでの4フロアです。各階にバリアフリートイレがあります。現時点ではオストメイト対応トイレは1Fだけで、トイレ内にユニバーサルベッドは配置されていません。エレベーターは西の1系統、中の1系統と、東の3系統、計5系統あります。
施設全体としては車椅子利用での決定的な問題はありませんが、以下の点に注意して下さい。
4F以上にある駐車場フロアと、一般商業フロアの高さが違い、段差構造になっています。
そのため、主に駐車場フロアへの利用を前提にした「中エレベーター」を利用して4F以上のフロアで下りると、エレベーターから一般商業フロアへは階段で移動することになります。車椅子での館内上下階移動の際には、「中エレベーター」は注意して利用してください。
駐車場を利用する場合の注意点です。身障者用駐車区画は4Fに用意されています。その近くにあるスロープ路で4Fの一般商業フロアに移動できます。
6F及び屋上7Fの駐車場も、一般商業フロアに移動できるスロープ路があるので、車椅子でも利用できます。
5F駐車場フロアからは、階段ルートしかありません。車椅子利用者は5Fの駐車は避けて下さい。
アクアシティお台場は、2棟の建物に分かれていると考えた方が、構造が理解できます。「西」および「中」エレベーターのエリアと、「東」エレベーターのエリアは、別棟のイメージです。3Fと4Fの2フロアだけ連結しています。
それ以外のフロア、1F、5F、6Fは分断されて、2棟間のフロア間移動は出来ません。また「東」エレベーターのエリアは、7F屋上部がありません。
したがって車椅子で3F及び4Fから別のフロアへ上下階移動をする場合は、利用したい施設がある棟のエレベーターを利用して下さい。
3Fフロアには、連絡デッキに通じる数多くの出入口があります。そのほとんどは車椅子で通行しにくいタイプの手動です。自力走行が全くできない人の場合は、介助者が2名欲しいタイプの押し開きドアです。手動ドアの通行が難しい場合は、3Fの東西にある自動ドアの出入口を利用して下さい。
「アクアシティお台場神社」がある7F屋上部の、エレベーターホールからの出入口も、同様の手動ドアが2枚あります。
その先の段差はスロープが用意されています。
屋上「アクアシティお台場神社」バリアフリー状況です。
参拝場所へはスロープで進めます。車椅子での参拝は可能です。
現在屋上で営業しているバーベキューパークは、段差解消スロープ箇所があるので車椅子で利用可能です。ただし屋上にはトイレがないので、前出の手動ドアを通り、エレベーターで他のフロアのトイレに移動する必要があります。
営業店舗の状況です。現時点では、レストランなど複数のグルメ店内に段差があります。店舗入口に一段ある構造の店舗が目立ちます。この先改装されて段差がなくなる店舗が増えることが予想されますが、利用したい店舗がある場合は、店内の段差の状況を事前に確認されることをお薦めします。
アクアシティお台場は人気施設。週末は混みあいます。3Fの海側デッキには数多くのベンチが置かれ、自由に利用することが出来ます。屋内で休憩したい場合、1Fのフードコートコーナーは、大変混みあうことが多く、場所取りが大変です。
現在、6F西エリアの一部が、フリーテーブルが置かれた休憩スペースに開放されています。フラットでスペースに余裕があるので車椅子で利用しやすい休憩スペースです。
アクアシティお台場を車椅子で利用する際には、エレベーターの選択、駐車場フロアの選択、出入口のドアの選択、グルメ店の選択に注意して下さい。
(本稿は2019年8月の取材に基づいています)