東京都中央区銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で2018年9月5日から10月20日の開催。「横尾忠則 幻花幻想画譚」展に車椅子で行きました。現地のバリアフリー状況を紹介します。
「横尾忠則 幻花幻想画譚」展は、1974年から1975年にかけて瀬戸内晴美(寂聴)氏が東京新聞に連載した小説「幻花」のために、横尾氏が製作した挿絵の展示会です。入場は無料です。
ポスターに使用されている作品はカラーですが、新聞の挿絵ですから展示されている作品はすべて白黒です。
※その後運用が変わり、2019年より車椅子専用入口からの入場になりました。
gggは狭いながらもバリアフリーです。会場入口はスロープ。B1から2Fまでの公開フロア内はフラット構造。そしてエレベーターがあります。1Fのエレベーター乗り場はドアの先にあり、スタッフに声をかけて利用します。B1と2Fからは直接エレベーターが利用できます。
連載小説に毎日掲載された挿絵作品ですから数が多い。1Fと2Fの2フロアを使って、全作品371点が展示されます。作品のサイズは8cm×14cm。それでも車椅子から十分に鑑賞できる展示です。
2Fは資料室。本展では2Fで横尾氏と瀬戸内氏の対談を放映しています。これが面白い。車椅子でも見ることが出来ます。時間に余裕があればご覧ください。
瀬戸内氏が「読みもしないで挿絵を描いていた」と言えば、横尾氏は「読んでいたけど頭に入らなかっただけ」と言っていました。
作品数が多いので、全てを丁寧に鑑賞するのは根気が要ります。室町時代をモチーフにした小説の挿絵ですが、そういう時代背景を越えて、挿絵は秀逸なグラフィックデザイン。見ごたえのある作品群です。
全ての作品を鑑賞して、2Fの放映までみると、おそらく2時間くらいかかります。
約45年前の横尾氏の仕事をふりかえる回顧展ですが、作品は現代でも通じる若々しい秀作です。時間に余裕をもって来場してください。