「電気ブラン」の神谷傳兵衛氏が1898年から取り組んだ、茨城県牛久市のワイナリーです。国重要文化財指定、近代化産業遺産認定を受け、現在では事実上市の施設となり、記念館は無料公開されています。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセス方法です。牛久駅から徒歩8分の案内です。
牛久シャトーの専用駐車場はありません。車の場合は、隣接する民間有料駐車場「タイムズ牛久中央」の利用が便利です。
タイムズには身障者用駐車区画の設定があります。駐車場から牛久シャトーの入口までは、一般道「ぶどう園通り」を横断します。この間、小さな段差はあるので車椅子を慎重に進めてください。
牛久シャトー全体の構成です。入口正面に建つのは「牛久シャトー本館」で旧牛久醸造場事務室です。この建物は外観を見学します。内部見学はできません。
本館の先に広がるのは「サンクスガーデン」。一部段差がある箇所もありますが、そこを避ければ車椅子で移動できます。
正面に建つのが旧醗酵室の「神谷傳兵衛記念館」。入館無料です。
右にあるのが「ショップ」。左の建物が「レストラン」です。
そして園内少し離れた場所に「オエノンミュージアム」があります。ここも入館無料です。
園内の散策路は、一部傾斜があり、路面が荒れている箇所もあります。無理のない範囲で車椅子散策してください。
神谷傳兵衛記念館のバリアフリー状況です。1Fの出入口付近は小さなデコボコがありますが、車椅子で通行できます、記念館はB1、1F、2Fの構成でエレベーターはありません。車椅子で見学できるのは1Fだけです。
1Fの床面は、ゆがみはありますが舗装路面で、車椅子で移動できます。大きな樽や往時の道具などが展示されます。
階段で上がる2Fが記念館の展示室です。このような展示があります。
階段で下がるB1は、醗酵室の様子を紹介する展示です。
ショップのバリアフリー状況です。ショップは車椅子で利用できます。店内に段差がありますが、段差回避スロープが用意されています。
店内にバリアフリートイレが1つあります。ユニバーサルベッドはありません。トイレコーナーには手動ドアを開けて向かうので、介助者いると助かります。
お酒、お菓子、各種グッズなど、シャトー牛久らしい品ぞろえが楽しいお店です。
レストランのバリアフリー状況です。正面エントランスは車椅子で通行可能です。今回取材時は満席で利用できず、内部の状況は確認できませんでした。一般的なテーブル席で、車椅子で利用可能と案内されています。
メニューはランチ、ディナーともコースで、それなりのお値段のお店です。裏口には小さな段差があります。
オエノンミュージアムのバリアフリー状況です。シャトー牛久のオーナーである「オエノングループ」の企業ミュージアムです。
アプローチは少しデコボコする路面、出入口は手動ドアで介助者がいると助かるタイプです。またミュージアム内のトイレにはバリアフリートイレはありません。
この3点以外は、車椅子で問題なく利用、見学ができるミュージアムです。ワンフロアのフラットな構造で、スペースはとても余裕があります。館内にはこのような展示があります。
車椅子では記念館の2FとB1が見学できないのは残念ですが、牛久ワイナリーは、日本初の本格ワイナリーの雰囲気を車椅子で十分に親しめる施設です。
青銅製立像で世界一のギネス認定「牛久大仏」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2020年9月に執筆しました)