茨城 牛久沼 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

茨城県の牛久沼には観光スポットとして「牛久観光あやめ園」、2012年に完成した「牛久沼かっぱの小径」、「雲魚亭」、「河童の碑」などがあります。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

○牛久観光あやめ園

あやめ園の駐車場には2台分の身障者用駐車区画が用意されています。

茨城 牛久沼

駐車場に隣接する公衆トイレには、バリアフリートイレが1つあります。

茨城 牛久沼

あやめ園内には、段差を下りなくては行けません。車椅子では道路からの鑑賞になります。道路からでも河童の像はみえます。

茨城 牛久沼

茨城 牛久沼

○牛久沼かっぱの小径

このあやめ園を起点にして「牛久沼かっぱの小径」が始まります。

茨城 牛久沼

牛久沼に沿って約1㎞続く散歩道です。沼沿いの木道はあやめ園から1㎞先です。途中に「雲魚亭」に行くルートが整備されましたが、階段なので車椅子では通行できません。したがって沼沿いを往復で2㎞歩く車椅子散歩になります。体力と時間が必要です。

茨城 牛久沼

○雲魚亭と河童の碑

車椅子で「雲魚亭」に行くには、車で移動するのが便利です。「雲魚亭」と「河童の碑」のための無料駐車場があります。

茨城 牛久沼

駐車場から「河童の碑」へは、途中からは未舗装路面を通行しますが、極端なデコボコはないので、少し無理をすれば車椅子で移動できます。

茨城 牛久沼

茨城 牛久沼

茨城 牛久沼

「河童の碑」は車椅子で見学できます。

茨城 牛久沼

茨城 牛久沼

茨城 牛久沼

駐車場から「雲魚亭」への通常ルートは、未舗装路ですが無理をすれば途中までは車椅子で行くことができます。

茨城 牛久沼

ただし最後に段差があります。

茨城 牛久沼

段差の手前に「カッパ松」があるので、ここまで来て見学する価値はあります。

茨城 牛久沼

「雲魚亭」へ行くには、車椅子では駐車場から迂回して「雲魚亭」へつながる車道を通行します。ただし「雲魚亭」の周囲はやや深い砂利路面で、車椅子での通行は苦戦します。

茨城 牛久沼

「雲魚亭」の内部は無料公開されていますが、屋内は段差構造のため車椅子では見学できません。内部はこのように公開されています。

茨城 牛久沼

茨城 牛久沼

体力的にあまり無理をしないで車椅子観光ができるスポットは、「牛久観光あやめ園」と「河童の碑」および「カッパ松」です。ご自身やご家族の障がいの状況に応じて、無理のない牛久沼観光をお楽しみください。

国重要文化財指定で近代化産業遺産認定の「牛久シャトー」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年9月に執筆しました)

日本のワイナリー 牛久シャトー 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

「電気ブラン」の神谷傳兵衛氏が1898年から取り組んだ、茨城県牛久市のワイナリーです。国重要文化財指定、近代化産業遺産認定を受け、現在では事実上市の施設となり、記念館は無料公開されています。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

牛久シャトー

アクセス方法です。牛久駅から徒歩8分の案内です。

牛久シャトーの専用駐車場はありません。車の場合は、隣接する民間有料駐車場「タイムズ牛久中央」の利用が便利です。

タイムズには身障者用駐車区画の設定があります。駐車場から牛久シャトーの入口までは、一般道「ぶどう園通り」を横断します。この間、小さな段差はあるので車椅子を慎重に進めてください。

牛久シャトー

牛久シャトー全体の構成です。入口正面に建つのは「牛久シャトー本館」で旧牛久醸造場事務室です。この建物は外観を見学します。内部見学はできません。

牛久シャトー

牛久シャトー

本館の先に広がるのは「サンクスガーデン」。一部段差がある箇所もありますが、そこを避ければ車椅子で移動できます。

牛久シャトー

牛久シャトー

正面に建つのが旧醗酵室の「神谷傳兵衛記念館」。入館無料です。

右にあるのが「ショップ」。左の建物が「レストラン」です。

そして園内少し離れた場所に「オエノンミュージアム」があります。ここも入館無料です。

園内の散策路は、一部傾斜があり、路面が荒れている箇所もあります。無理のない範囲で車椅子散策してください。

牛久シャトー

神谷傳兵衛記念館のバリアフリー状況です。1Fの出入口付近は小さなデコボコがありますが、車椅子で通行できます、記念館はB1、1F、2Fの構成でエレベーターはありません。車椅子で見学できるのは1Fだけです。

牛久シャトー

牛久シャトー

1Fの床面は、ゆがみはありますが舗装路面で、車椅子で移動できます。大きな樽や往時の道具などが展示されます。

牛久シャトー

牛久シャトー

階段で上がる2Fが記念館の展示室です。このような展示があります。

牛久シャトー

牛久シャトー

牛久シャトー

牛久シャトー

牛久シャトー

階段で下がるB1は、醗酵室の様子を紹介する展示です。

牛久シャトー

牛久シャトー

ショップのバリアフリー状況です。ショップは車椅子で利用できます。店内に段差がありますが、段差回避スロープが用意されています。

店内にバリアフリートイレが1つあります。ユニバーサルベッドはありません。トイレコーナーには手動ドアを開けて向かうので、介助者いると助かります。

お酒、お菓子、各種グッズなど、シャトー牛久らしい品ぞろえが楽しいお店です。

牛久シャトー

レストランのバリアフリー状況です。正面エントランスは車椅子で通行可能です。今回取材時は満席で利用できず、内部の状況は確認できませんでした。一般的なテーブル席で、車椅子で利用可能と案内されています。

牛久シャトー

メニューはランチ、ディナーともコースで、それなりのお値段のお店です。裏口には小さな段差があります。

牛久シャトー

オエノンミュージアムのバリアフリー状況です。シャトー牛久のオーナーである「オエノングループ」の企業ミュージアムです。

アプローチは少しデコボコする路面、出入口は手動ドアで介助者がいると助かるタイプです。またミュージアム内のトイレにはバリアフリートイレはありません。

牛久シャトー

牛久シャトー

この3点以外は、車椅子で問題なく利用、見学ができるミュージアムです。ワンフロアのフラットな構造で、スペースはとても余裕があります。館内にはこのような展示があります。

牛久シャトー

牛久シャトー

牛久シャトー

牛久シャトー

車椅子では記念館の2FとB1が見学できないのは残念ですが、牛久ワイナリーは、日本初の本格ワイナリーの雰囲気を車椅子で十分に親しめる施設です。

青銅製立像で世界一のギネス認定「牛久大仏」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2020年9月に執筆しました)

牛久大仏 車椅子お参りガイド バリアフリー情報

青銅製立像で世界一のギネス認定、茨城県牛久市の牛久阿弥陀大仏は、胎内を車椅子で巡りお参りができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

お寺の名称は「本山東本願寺」、浅草の東本願寺様です。大仏様の高さは120m。その胸のあたり、高さ85mの位置までエレベーターで昇ることができます。大仏様は青銅製なので、50年から100年ほどで「青」に変色します。

牛久阿弥陀大仏

アクセスは車の利用が便利です。無料駐車場が用意されています。駐車場の誘導スタッフに「車椅子利用」を相談すると、優先スペースに誘導していただけました。駐車場の身障者優先スペースは、大仏様入口に近い場所の駐車区画です。

バリアフリートイレは2箇所あります。駐車場のすぐ横の無料エリアと、有料エリア内です。いずれも独立棟のトイレです。

駐車場から大仏様に向かう途中には、両脇にお土産屋さんが並ぶ、仲見世があります。大仏煎餅や饅頭、数珠や縁起物などが販売されています。食事処もあります。見る限り、いずれもフラットな構造で、車椅子で入店可能なお店です。ここまでは無料エリアです。

この先は有料エリアです。拝観料は障がい者減免制度があり、一般料金よりも減免されます。有料エリア入口で拝観券を求めてください。

車椅子利用をみて、その際に説明されたのは地震が起きた場合のことです。大仏胎内はエレベーターで移動しますが、震度4以上の地震が発生した場合はエレベーターが止まり、専門業者が来て、安全確認をしてからの復旧になるので、エレベーターが動くまでは相当の時間がかかるという説明です。

東日本大震災の時やその後の余震が多かったころ、大仏胎内に数時間閉じ込められた車椅子利用者がいたと思われます。幸いなことに、今回の参拝時には地震は起きませんでした。

なだらかな舗装路を通り、大仏様に向かっていきます。途中には「山門」や「香炉」などがあります。

牛久大仏 車椅子お参りガイド バリアフリー情報

大仏様の入口は、大仏の後ろ側です。胎内は土足禁止で、靴を脱ぎ袋に入れて持ち運ぶことになります。車椅子での参拝者が多いのでしょう。お寺のスタッフは、車椅子利用者の案内に手馴れています。

車椅子で入口に行くと、スタッフがタオルでタイヤを拭いていただけました。それで車椅子のまま入場可。胎内で車椅子から降りる人は、靴を脱いでくださいという案内です。

大仏様胎内の車椅子ルートです。車椅子利用者は、体内での移動方法が一般参拝者と違うので、スタッフが付き添って入場していただけます。

最初は一般参拝者と一緒に暗い部屋に移動します。部屋に30人前後の参拝者がそろうと、いったんドアが閉まり闇の世界になります。そこで大仏胎内の簡単な案内が流れ、胎内へのドアが開きます。するとそこは「光の世界」、神秘的な空間が広がります。

一般参拝者はそこから階段で2階に上がりエレベーターを利用します。車椅子利用者は1階から特別にエレベーター利用を案内されます。

エレベーターで5階の「霊鷲山の間」へ上ります。仏舎利が安置され、四方に小さな窓があり、外をみることが出来ます。

牛久阿弥陀大仏

ここから一般参拝者は階段で4階のお土産コーナーへ移動します。車椅子利用者はエレベーターを利用できます。

次に行くのは地上20mの3階「蓮華法世界」。胎内仏が安置される黄金の空間です。

牛久阿弥陀大仏

その次は地上10mの2階「知恩報徳の世界」。有料で写経を行うフロアです。見学だけなら無料。写経の机は堀コタツ形式。見る限り車椅子対応のスペースは無いようでした。

一般参拝者はこのあとは階段で1Fへ。車椅子利用者はエレベーターで1Fに案内していただけます。

大仏様の裏のエリアには、ふれあい動物園があります。ただし「ふれあいゾーン」は段差があり、車椅子での入場は難しい構造です。

牛久阿弥陀大仏

そして浄土庭園に戻ります。ルート上には季節のお花が美しいお庭があり、花と大仏様を眺めながらバリアフリー歩道を進みます。

有料エリアの出口は回転ゲートです。車椅子利用者は、入口から出るように案内されました。

参拝の全行程、車椅子をみるとスタッフがすぐに案内をしていただけるので、とても快適でした。

牛久阿弥陀大仏

駐車場から大仏胎内までの間は、庇や屋根はまったくありません。移動距離は往復で300mはあります。車椅子利用者は、天候の安定した日の参拝をお薦めします。

車椅子利用者へのスタッフの対応が素晴らしいお寺です。牛久阿弥陀大仏は、車椅子でお参りができます。

自然を楽しむ無料施設「牛久自然観察の森」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2015年9月の取材に基づいています)