重度重複障がい児のトイレトレーニングは長期戦

重度重複障がい児のトイレトレーニングは長期戦

身体障がい、知的障がい、コミュニケーション障がいなど、重複した重い障がいのある子のトイレトレーニングは、長期戦になります。

手すりや背もたれがあっても、まったく姿勢が保てないほどの重度の身体障がいがある子の場合は、トイレトレーニングは極めて困難です。しかし、歩けなくても、何とか座位が保てる子の場合は、トイレ設備を改修してトイレトレーニングに挑戦することは出来ます。このようなトイレ改修費用は、行政から助成されるケースがあります。市区町村の担当課に相談することをお薦めします。

身体障がいが重くても、知的な面、コミュニケーション面での障がいが軽い子の場合は、比較的トイレトレーニングは早く成功します。通常2歳から3歳で出来るようになることを、5歳から6歳くらいで出来る子が大勢いいます。

障がいが重い子のなかには、10歳を過ぎてからトイレでの成功確率が高くなる子もいます。特に大便の成功確率が高くなるまでには、一般にかなり時間がかかります。

重度重複障がい児のトイレトレーニングは長期戦

自分では動けずに、発語も無いような重度重複障がいがある子の場合、トイレの成功確率が100%に近づくのは相当な困難が伴います。そのため、外出時や夜間はオムツにする家庭が少なくありません。

自らの意思でトイレに行きたいことが表現できない子の場合、基本的には時間を決めて家族がトイレに座らせます。そのことを繰り返すことで、トイレで排尿や排便をする感覚を身に着けてもらいます。

重度重複障がい児のトイレトレーニングは長期戦です。成功確率の向上に10年以上の歳月をかけて挑戦している家族が、珍しくはありません。

重複した重い障がいのある子の家族の方は、どうぞ焦らずにトイレトレーニングを続けて下さい。

(本稿は2019年11月に執筆しました)

別稿で「障がいのある子の特別支援学校への入学」を掲載しています。ご参照ください。