山梨県甲府市の「武田の杜」内に、ケガや衰弱した野生鳥獣の救護を行う「山梨県鳥獣センター」があります。センターには展示室が2室あり、動物の剥製を中心に様々な資料が展示されています。傾斜地に建つ古い施設なので、快適なバリアフリー施設とは言えませんが、頑張れば何とか車椅子で見学が可能です。現地の状況を紹介します。
鳥獣センターとは人為的な原因により負傷した鳥獣を保護し、回復させて野生に戻す活動をしている施設です。2019年度は鳥類が263個体、獣類が7個体の保護依頼があったそうです。
展示室には436個体の鳥獣の標本や図書、資料、絵画、録音テープがあり、傷病鳥獣の保護体験教室や鳥獣保護ボランティアの研修、中学生や高校生の職場体験学習、野生鳥獣写真コンクール等を開催しています。
これらの活動を通じて鳥獣愛護の心の普及を図ることを狙いにした施設ということです。
アクセスは車です。甲府市内から昇仙峡へ向かうルートを進みます。武田の杜は豊かな自然が残る山中の施設です。山梨県鳥獣センターは、山の斜面にあります。
センターの駐車場は傾斜路面です。その中に1台分、身障者用駐車区画が用意されています。
駐車場の傾斜した路面に面して、保護されている鳥獣がいる複数のケージがあります。センター職員以外は接近禁止です。駐車場には鳴き声が響き、金網越しに動くシルエットがみえるケージがあります。
駐車場の下部からスロープルートがあり、第一展示室に移動できます。舗装路ですが路面は荒れていて傾斜があり、車椅子で快適に移動できるルートではありませんが、一般的な車椅子利用者なら、なんとか通行できます。
第一展示室内のトイレに、バリアフリートイレがあります。展示室内はフラットで車椅子での見学は可能です。入場は無料です。おびただしい数の鳥獣の剥製や写真が展示されています。
第一展示室よりも高い場所に第二展示室があります。第一から第二への直行ルートは途中が階段路です。車椅子では駐車場の上部に進み、その先の舗装路を上がると、第二展示室に行くことができます。このルートも、路面は荒れていて傾斜があります。多少の無理は出来る車椅子利用者なら通行可能です。
第二展示室内にもバリアフリートイレがあります。第二展示室には、寄贈された白熊やパイソンなど、世界の大型獣の剥製なども展示されています。
巨大なはく製と記念撮影ができます。
山中の傾斜地にある古い施設なので、山梨県鳥獣センターは快適なバリアフリー施設ではありません。それでも少し無理をすれば、車椅子で展示室の見学ができます。
甲府観光で立ち寄れるバリアフリーな農産物直売所「たべるJAんやまなし」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2020年7月に執筆しました)