昇仙峡 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

山梨県甲府市の景勝地「昇仙峡」は、下流の「昇仙峡入口」付近から、上流の荒川ダム「能泉湖」、そして「夫婦木神社」や「金櫻神社」までが観光地としての範囲になります。

「夫婦木神社」と「金櫻神社」はバリアフリーではありませんが、段差回避する急な坂道や砂利路面を移動できれば、参拝できないことはありません。能泉湖は駐車場などから車椅子でその姿を楽しむことができます。

メインの観光スポットは、昇仙峡入口から昇仙峡ロープウェイ乗り場付近まで約2㎞ある「渓谷沿い遊歩道」です。このエリアのバリアフリー状況を紹介します。

昇仙峡

「渓谷沿い遊歩道」の下流にある昇仙峡入口からの散策路は、平日は一方通行、週末は車両通行禁止で馬車の観光が楽しめる舗装路です。傾斜は緩やかなので、県営無料駐車場などを利用して、そこから「仙娥滝」の手前の階段路まで車椅子で散策できます。ただし距離があるので体力的に無理のない範囲で散策してください。

「渓谷沿い遊歩道」の中腹にある「山の駅さわらび」は、店内を通り小さな展望デッキから昇仙峡を眺めることができます。駐車場にある公衆トイレにはバリアフリートイレがあります。

昇仙峡

「渓谷沿い遊歩道」の上流付近はお土産屋やグルメ店が並びます。昇仙峡ロープウェイの乗り場が途中にありますが、ロープウェイの利用には階段の昇降が必要です。

昇仙峡

少し離れた場所に県営無料駐車場がありますが、各店舗前に駐車場があるので、体力的に不安がある人は店舗の利用を前提に川沿いの店舗駐車場を利用するのが便利です。

昇仙峡

「クリスタルファウンテン」は散策路沿いにあります。

昇仙峡

散策路を下流の「仙娥滝」方面に進むと、途中から歩行者専用道路になり、「山梨ワイン王国」の店舗前にフラットな展望デッキがあります。

昇仙峡

ここから「仙娥滝」の上を車椅子から鑑賞できます。

昇仙峡

この付近には人工的な観光スポットが複数あります。

昇仙峡

「仙娥滝」の手前まで、車椅子で散策できます。

昇仙峡

もう一つ車椅子で立ち寄れるスポットが「影絵の森美術館」が併設されている「森の駅昇仙峡」です。出入口の段差回避スロープは角度がありますが、店内はバリアフリー仕様でバリアフリートイレがあります。「渓谷沿い遊歩道」から「森の駅昇仙峡」へとつながる橋は階段構造です。車で移動して「森の駅昇仙峡」の駐車場を利用することをお薦めします。

昇仙峡

昇仙峡の散策路は中腹の「仙娥滝」付近に階段路があります。そこを回避すれば車椅子で散策できます。ただし傾斜路でかつ距離があるので、体力の範囲で観光してください。

昇仙峡

甲府市の「武田の杜山梨県鳥獣センター」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2023年2月に執筆しました)

武田信玄公が開基 甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

山梨県甲府市の善光寺は、信濃善光寺の焼失を恐れた武田信玄公によって、1558年に創建されたお寺です。境内はアップダウンのない平地ですが、小さな段差やデコボコが多く、石畳の路面には凹凸があり、車椅子での移動に苦戦します。現地の状況を紹介します。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

アクセスは車が便利です。参拝者用の無料駐車場が用意されています。身障者用駐車区画はありませんが、舗装路面のフラットな駐車場なので、車椅子で問題なく乗降できます。

第一駐車場はバリアフリーですが、駐車場から外に出ると、車椅子では苦戦するルートが連続します。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

第一駐車場は山門と金堂の中間付近にあります。最初に、重要文化財指定の山門を目指すとします。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

駐車場の横から、小さな段差を乗り越えると参道に出ることができますが、参道はデコボコがひどい石畳で、車椅子での通行は苦痛です。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

通行すると車椅子に衝撃がきます。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

山門の下は段差構造で車椅子では通行できません。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

山門の脇に、車椅子用の迂回通路が用意されていますが、段差解消が雑で、無理をしないと車椅子では通行できません。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

参道の通行が辛く、山門の横の通過もきついので、車椅子では駐車場から一般車道の歩道に出て、山門に向かうことをお薦めします。そこから金堂に向かう際も、参道は避けて車道の歩道を通行し、第一駐車場に戻って境内に近づくルートをお薦めします。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

境内のバリアフリー状況です。駐車場から境内へ入る箇所も、小さな段差が連続します。そして境内は、未舗装の砂利路面とデコボコの石畳です。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

香炉の横など、車椅子通行用に段差解消された箇所がありますが、ここも雑な仕上げで、車椅子での移動は快適ではありません。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

重要文化財指定の金堂は階段構造です。車椅子でのお参りは、段の手前からになります。宝物殿も階段構造で、車椅子での観覧はできません。1796年に再建された金堂と山門は、壮大な善光寺建築です。無理のない範囲からでも、参拝する価値がる重文です。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

境内には他にも、地蔵堂、大仏などがあります。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

車椅子では無理のない場所からお参りしてください。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

見どころが多々ある境内です。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

そして境内の植栽の手入れが見事です。金堂の前に伸びる松の枝は芸術的です。第一駐車場周辺のバリアフリーエリアからだけでも、車椅子で境内の見どころを拝観することができます。

甲斐善光寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

一見すると車椅子でお参りができそうな平地にあるお寺ですが、路面状況が悪く、車椅子での移動範囲は限られます。甲斐善光寺は、それでもお参りする価値がある名刹です。

別稿で「武田神社と信玄ミュージアム」を紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年7月に執筆しました)

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

山梨県甲府市の「武田の杜」内に、ケガや衰弱した野生鳥獣の救護を行う「山梨県鳥獣センター」があります。センターには展示室が2室あり、動物の剥製を中心に様々な資料が展示されています。傾斜地に建つ古い施設なので、快適なバリアフリー施設とは言えませんが、頑張れば何とか車椅子で見学が可能です。現地の状況を紹介します。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

鳥獣センターとは人為的な原因により負傷した鳥獣を保護し、回復させて野生に戻す活動をしている施設です。2019年度は鳥類が263個体、獣類が7個体の保護依頼があったそうです。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

展示室には436個体の鳥獣の標本や図書、資料、絵画、録音テープがあり、傷病鳥獣の保護体験教室や鳥獣保護ボランティアの研修、中学生や高校生の職場体験学習、野生鳥獣写真コンクール等を開催しています。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

これらの活動を通じて鳥獣愛護の心の普及を図ることを狙いにした施設ということです。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

アクセスは車です。甲府市内から昇仙峡へ向かうルートを進みます。武田の杜は豊かな自然が残る山中の施設です。山梨県鳥獣センターは、山の斜面にあります。

センターの駐車場は傾斜路面です。その中に1台分、身障者用駐車区画が用意されています。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

駐車場の傾斜した路面に面して、保護されている鳥獣がいる複数のケージがあります。センター職員以外は接近禁止です。駐車場には鳴き声が響き、金網越しに動くシルエットがみえるケージがあります。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

駐車場の下部からスロープルートがあり、第一展示室に移動できます。舗装路ですが路面は荒れていて傾斜があり、車椅子で快適に移動できるルートではありませんが、一般的な車椅子利用者なら、なんとか通行できます。

第一展示室内のトイレに、バリアフリートイレがあります。展示室内はフラットで車椅子での見学は可能です。入場は無料です。おびただしい数の鳥獣の剥製や写真が展示されています。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

第一展示室よりも高い場所に第二展示室があります。第一から第二への直行ルートは途中が階段路です。車椅子では駐車場の上部に進み、その先の舗装路を上がると、第二展示室に行くことができます。このルートも、路面は荒れていて傾斜があります。多少の無理は出来る車椅子利用者なら通行可能です。

第二展示室内にもバリアフリートイレがあります。第二展示室には、寄贈された白熊やパイソンなど、世界の大型獣の剥製なども展示されています。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

巨大なはく製と記念撮影ができます。

武田の杜 山梨県鳥獣センター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

山中の傾斜地にある古い施設なので、山梨県鳥獣センターは快適なバリアフリー施設ではありません。それでも少し無理をすれば、車椅子で展示室の見学ができます。

甲府観光で立ち寄れるバリアフリーな農産物直売所「たべるJAんやまなし」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年7月に執筆しました)