山梨県甲府市の善光寺は、信濃善光寺の焼失を恐れた武田信玄公によって、1558年に創建されたお寺です。境内はアップダウンのない平地ですが、小さな段差やデコボコが多く、石畳の路面には凹凸があり、車椅子での移動に苦戦します。現地の状況を紹介します。
アクセスは車が便利です。参拝者用の無料駐車場が用意されています。身障者用駐車区画はありませんが、舗装路面のフラットな駐車場なので、車椅子で問題なく乗降できます。
第一駐車場はバリアフリーですが、駐車場から外に出ると、車椅子では苦戦するルートが連続します。
第一駐車場は山門と金堂の中間付近にあります。最初に、重要文化財指定の山門を目指すとします。
駐車場の横から、小さな段差を乗り越えると参道に出ることができますが、参道はデコボコがひどい石畳で、車椅子での通行は苦痛です。
通行すると車椅子に衝撃がきます。
山門の下は段差構造で車椅子では通行できません。
山門の脇に、車椅子用の迂回通路が用意されていますが、段差解消が雑で、無理をしないと車椅子では通行できません。
参道の通行が辛く、山門の横の通過もきついので、車椅子では駐車場から一般車道の歩道に出て、山門に向かうことをお薦めします。そこから金堂に向かう際も、参道は避けて車道の歩道を通行し、第一駐車場に戻って境内に近づくルートをお薦めします。
境内のバリアフリー状況です。駐車場から境内へ入る箇所も、小さな段差が連続します。そして境内は、未舗装の砂利路面とデコボコの石畳です。
香炉の横など、車椅子通行用に段差解消された箇所がありますが、ここも雑な仕上げで、車椅子での移動は快適ではありません。
重要文化財指定の金堂は階段構造です。車椅子でのお参りは、段の手前からになります。宝物殿も階段構造で、車椅子での観覧はできません。1796年に再建された金堂と山門は、壮大な善光寺建築です。無理のない範囲からでも、参拝する価値がる重文です。
境内には他にも、地蔵堂、大仏などがあります。
車椅子では無理のない場所からお参りしてください。
見どころが多々ある境内です。
そして境内の植栽の手入れが見事です。金堂の前に伸びる松の枝は芸術的です。第一駐車場周辺のバリアフリーエリアからだけでも、車椅子で境内の見どころを拝観することができます。
一見すると車椅子でお参りができそうな平地にあるお寺ですが、路面状況が悪く、車椅子での移動範囲は限られます。甲斐善光寺は、それでもお参りする価値がある名刹です。
別稿で「武田神社と信玄ミュージアム」を紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2020年7月に執筆しました)