高島屋日本橋店は、2018年9月25日に新館と東館がオープンして「日本橋高島屋S.C.」になりました。2019年3月5日にはグランドオープン。新館、東館、本館、ウオッチメゾンのバリアフリー状況を紹介します。
日本橋高島屋SCは地下鉄駅と直結します。そして新館と東館には地下駐車場があり、車でのアクセスが便利になりました。新館のB4は300台強を収用する機械式+自走式駐車場です。機械式も幅広い乗降スペースがあるので、一般的な車椅子での乗降は可能です。
東館B3は70台収容の自走式です。収容台数が少ないので満車になる確率は高くなります。どちらもバリアフリー設計で、駐車場フロアにバリアフリートイレがあります。車椅子で利用しやすい地下駐車場です。
新館駐車場となっていますが、本館の地下部分も使用しているので、B4から本館に上がるエレベーターがあります。もちろんB4から新館に上がるエレベーターもあります。B東館にもエレベーターがあります。
横の連絡通路は、新館6F・本館8F・東5F、新館3F・本館4F・東館3Fがそれぞれつながります。
そして各館はB1で結ばれています。
新館B1と本館B1の段差はエレベーターを利用して回避します。
その名は「段差解消エレベーター」です。
エレベーターと連絡通路を利用して、車椅子でB1以上の一般フロアを、上下や横に移動するルートは多彩です。
新館は全てのフロアにバリアフリートイレが用意されました。東館も商業フロアの4Fと5Fにバリアフリートイレがあります。
本館も現在では、1Fから7Fまでは各階にバリアフリートイレがあります。前出の通り、新館と東館の地下駐車場フロアにも、バリアフリートイレがあります。
本館と新館の間の仲通り「日本橋ガレリア」は、フラット構造で車椅子での移動が可能です。またすべての出入口は何らかのバリアフリー化対策が実施済みで、車椅子での出入りは可能です。
東館5Fは「ポケモンセンタートウキョーDX&ポケモンカフェ」。基本的にはバリアフリーでカフェも含めて車椅子での利用は可能です。
ただしショップ内の通路やレジへの通路はあまり広くはありません。混雑時は車椅子でのショップ内回遊はやや苦戦します。
2019年3月に日本橋高島屋S.C.がグランドオープン。「屋上庭園」と「高島屋資料館TOKYO」が誕生しました。
新館と東館は同じ高さですが本館屋上は低いため、庭園内は段差がある構造です。そのため段差解消エレベーターが1基新設されました。
屋上庭園には段差のため車椅子では利用できない施設が3箇所あります。新館の横に建つ稲荷神社は祠までが階段です。本館屋上部ある「ローズガーデン」は段差がありスロープはありません。「日本庭園」部も段差構造で車椅子では園内には入ることが出来ません。
本館の4Fと5Fに「高島屋資料館TOKYO」が誕生しました。4Fが企画展示室。5Fはセミナールームです。4F企画展示室は広くはありませんがフラットな構造です。
この他にグランドオープンで、車寄せとバレーパーキングが誕生しました。
本館は2009年に「重要文化財」に指定されました。現在では1Fから7Fまでの各階にバリアフリートイレが設置されています。特別食堂などが入る最上階の8F、デパ地下B1、レストラン街B2には、バリアフリートイレはありません。
スタッフが操作する伝統あるエレベーターの1基は、車椅子利用者などの専用エレベーターに指定されています。
高島屋8階ホールが近年話題になったのは、2016年秋に開催した「こち亀展」。もの凄い人気で、車椅子では苦戦する混雑が続いたそうです。
多くのイベントは有料で障がい者減免制度があります。場所はデパート最上階の催会場横です。車椅子でのアクセスに大きな問題はありません。
別棟のタカシマヤウオッチメゾンは、2015年秋に誕生した高級ウオッチ専門店です。地下はありません。2フロア構成で入口は1Fです。店内にエレベーターが2基あります。1Fと2Fを繋ぐ階段の側面が、展示ギャラリ―で、ここの鑑賞だけは車椅子では困難です。
1Fテーマは「話題の時計、見て、触れて。」です。新作やファッション性に富んだ時計を揃えたフロアという案内です。基本的にはブランド別展示で、「オメガ」「シャネル」「ロレックス」などのカテゴリーで商品が展示されています。
2Fのテーマは「こだわりの品、名門の品を堪能」。より高級感を訴求したフロアで「フランクミュラー」「ブライトリング」「ウブロ」などが展示されています。通路は広く、フラットな構造です。車椅子での利用に大きな問題はありません。
高島屋日本橋店の歴史を紹介します。高島屋日本橋店の第1期竣工は1933年です。当時の名称は「日本生命館」。中央通り沿いの丸みのある外観部が、この第1期竣工部です。
その後1952年から1965年にかけて、4期にわたり増改築を実施。中央通りの反対側、シャープな外観部が1952年以後の建築物です。よく見るとジョイント部がわかります。
日本橋高島屋S.C.は車椅子で利用しやすいバリアフリー施設です。
「日本橋三越本店」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年5月に加筆しました)