目白 切手の博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都豊島区、目白にある「切手の博物館」は、民間の運営ですが障がい者に配慮がある、車椅子で利用できる専門博物館です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

他に類のない郵便切手の専門博物館です。世界中で50万から60万種の切手が発行されているそうで、その内の35万種を蒐集しています。1960年以後に発行された切手、と限定すれば80%を所蔵。驚くべきコレクション数です。1F展示室では3か月ごとにテーマを決めた企画展が開催されます。

移転して1996年に開館した博物館です。アクセスは目白駅から線路沿いに坂道を下ります。博物館の入口横に1台分の身障者専用駐車スペースが有り、空いていれば自由に利用できます。

入館料は障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。館内1Fにバリアフリートイレがあります。健常者は階段での上下階移動ですが、車椅子利用者はエレベーターで移動できます。

切手の展示室は1Fの一部。広さとしては一見してすべてが視野に入る程度です。ただし、展示されているのは小さな切手たち。丁寧に見ていくと、それなりに時間がかかる展示ボリュームです。

車椅子ではいったん有料ゾーンから出てエレベーターで2Fへ上がります。2Fは図書室です。フロアスペースの半分は書庫として利用されています。また博物館創設者の書斎を再現した展示もあります。

最上階の3Fは企画室で、年間を通じて様々な展覧会が開催されます。

1F無料ゾーンには「ミュージアムショップ」と「テナントショップ」があり、切手マニアの世界が展開されています。通路が狭いので、車椅子でのショップ内見学は快適ではありませんが、それでもなんとかなります。

切手マニアではなくとも、このショップは必見です。切手の値段も解り、マニアの世界の一端を垣間見ることができます。商品アイテム数が膨大なので、丁寧にみると時間がかかります。

切手収集家が私財を投じて運営財団を設立した純民間施設です。運営は会員の切手マニアたちに支えられています。毎月23日は「ふみの日」ということで入館無料デーになります。

日頃は切手に特別な興味のない方にもお薦めできます。車椅子で利用できるオンリーワンの専門博物館です。

東京にあるユニークな博物館を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2017年12月の取材に基づいています)

さきたま古墳公園・史跡の博物館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

埼玉県行田市の「さきたま古墳公園」は、9基の大型古墳がある「埼玉古墳群」を中心に整備された公園です。そして出土した国宝が展示される「さきたま史跡の博物館」があります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

さきたま古墳公園・史跡の博物館

5世紀から7世紀ごろにかけてつくられた古墳が群集するエリアが、公園として整備されています。

公園の概要

古墳の間を通る平坦な舗装路から、車椅子で大型古墳の実物を観ることが出来ます。

史跡の博物館は障害者減免あり 公園内にある「さきたま史跡の博物館」は、車椅子で国宝が見学できる施設です。

さきたま史跡の博物館

合計で300台以上を収容する無料駐車場があり、身障者用駐車区画が3カ所に計8台分用意されます。公園は道路を挟み南北に分かれます。北エリアには5つの大型古墳と「将軍山古墳展示館」、そして「さきたま広場」「古代の草原」などの自由広場があります。

さきたま史跡の博物館

南エリアには3つの大型古墳と「さきたま史跡の博物館」、そして「移築民家」とレストハウスなどがあります。

さきたま史跡の博物館

来園者用の駐車場は、北エリアに2か所、並ぶように用意されています。

「さきたま広場」寄りの西側駐車場には、「新レストハウス」の近くに身障者用駐車区画が用意されています。ここが公園全体のほぼ中心点になります。公園のどの方面に向かっても、最大で約300mの距離。公園全体を徒歩で散策するなら、この「新レストハウス」に近い身障者用駐車区画の利用が合理的です。

駐車場のバリアフリー状況

東側に隣接する駐車場の身障者用駐車区画は、駐車場の最も奥、北側に用意されています。ここは「丸墓山古墳」や「稲荷山古墳」「二子山古墳」の見学に便利です。

駐車場のバリアフリー状況

「将軍山古墳展示館」に行く場合は、「将軍山古墳」近くの駐車場が便利です。現時点では案内図に載っていない駐車場ですが、現地で確認したところ、正式な駐車場です。身障者用駐車区画はありません。

「さきたま史跡の博物館」のエントランス前に、身障者用駐車区画が1台分あります。ここへのアクセスは、博物館の西側の細い路地から博物館を廻るように進みます。路地の入口に車椅子マークの掲示があります。

駐車場のバリアフリー状況

公園内の各所にある公衆トイレに、バリアフリートイレが用意されています。

障害者用トイレの状況

現時点でもっとも新しいトイレは「新レストハウス」のトイレです。

「さきたま史跡の博物館」内にも、バリアフリートイレがあります。取材時点では、設備更新されていない古い印象を受けるトイレでした。

障害者用トイレの状況

確認できた限り、各トイレにはユニバーサルベッドはありません。

大型古墳見学のバリアフリー状況です。すべての大型古墳に、近づいて見学が出来る散策路が整備されています。ただし、ほとんどの散策路は途中で未舗装路になります。車椅子でどこまで各古墳に近づけるかは、その人の悪路走破能力次第です。

新レストハウスはバリアフリー

「将軍山古墳」と「瓦塚古墳」の周囲は、舗装された一般道しかないので、車椅子でも健常者と同じ道から見学することになります。

大型古墳見学のバリアフリー状況

「丸墓山古墳」と「稲荷山古墳」には、古墳の上を通る散策路がありますが、階段路です。

古墳の周囲を車椅子で散策 車椅子での一般散策路の通行は限界がありますが、無理なく移動できる範囲からでも、大型古墳を見学することが出来ます。

大型古墳見学のバリアフリー状況

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況です。博物館はスロープ設置などバリアフリー改修済みで、全館車椅子で利用できます。展示室はワンフロア構成で「国宝展示室」と「企画展示室」があります。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。主に古墳からの出土品が展示される「国宝展示室」は、すべての展示が車椅子から見やすいケースが使用されています。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

車椅子からの低い目線でも、問題なくすべての展示が見学できます。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

「企画展示室」はその企画次第ではありますが、今回取材時の展示は、車椅子で問題なく見学できました。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況です。「将軍山古墳」内にある「将軍山古墳展示館」は、「さきたま史跡の博物館」の分館になる施設です。有料施設ですが「さきたま史跡の博物館」の入館券で観覧できます。追加料金は発生しません。本館と同様の障がい者減免制度があります。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

実物の横穴式石室を建物の中から見学する施設です。入口が1Fで横穴式石室は2Fにあり、階段で上ります。スロープやエレベーターはありません。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

そのため1Fにモニターがあり、2Fの横穴式石室の様子を映像で見ることができます。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

さきたま史跡の博物館の隣接地に「移築民家」の展示があります。江戸時代末期の農家「旧遠藤家住宅」で、無料公開されています。敷地に入る箇所からデコボコのある未舗装路面です。民家は段差構造で車椅子では外観の見学になります。

移築民家のバリアフリー状況

さきたま古墳公園は、車椅子で本物の古墳を見学できる公園です。さきたま史跡の博物館は、車椅子で国宝を見学できます。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)

なお行田市の中世のお城「忍城」の情報は、別稿を参照してください。

行田 忍城と水城公園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

成田空港 航空科学博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

千葉県芝山町の成田空港隣接地にある「航空科学博物館」が、1989年の開館から30周年になる2019年の開館記念日8月1日にリニューアルオープンしました。バリアフリー状況を紹介します。

○リニューアルのポイント

エントランス周辺はリフォームされています。西棟の展示にパノラマビジョンを導入。東棟2Fの展示を刷新。そして「体験館」を新設。入館料はリニューアルオープンを機に、値上げされました。

リニューアルのポイント

○バリアフリートイレの新設

バリアフリートイレは、本館1F中央棟に1つ。このトイレは赤ちゃん用のベビーシートがあります。

そして新設された体験館の2Fにバリアフリートイレが用意されました。

障害者用トイレの新設

オストメイト設備は高さ調節機能付きで、跳ね上げ式のユニバーサルベッドがあります。

障害者用トイレの新設

トイレのスペースがやや狭いため、ベッドを倒した状態では、大型の車椅子がトイレ内に収用できるか、微妙なスペースです。

障害者用トイレの新設

○アクセスの状況

アクセスは車が便利です。約200台を収容する無料駐車場があります。駐車場は改修されていません。身障者用駐車区画は博物館の正面にはなく、一般駐車場エリア内に屋根無しで3台分あります。そこから博物館入口までは、車道を横断し、小さな段差を乗り越えて歩道に上がり進みます。

○入館料の障がい者減免制度

エントランス周辺はリフォームされて綺麗になりました。段差はなく車椅子での入館に大きな問題はありません。入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。一般入場者及び各割引券での入場者は、自動販売機で入館券を購入します。

障害者減免制度は50%

今回取材時に障がい者減免制度の運用方法を確認したところ、有料エリア入口のチケットを確認するスタッフに手帳を提示して、そのスタッフに半額の入館料を現金で支払うということでした。

エントランス周辺はリフォームされて綺麗

○西棟のバリアフリー状況

展示見学コース順にバリアフリー状況を紹介します。

西棟のバリアフリー状況

最初の見学は西棟の1Fから。中央の展示空間はフラットでスペースに余裕があり、車椅子での見学は可能です。

西棟のバリアフリー状況

機内の様子を再現したコーナーはスペース的に狭くなりますが、本物の機内よりは通路幅に余裕がある配置で、車椅子での見学はなんとか可能です。

西棟のバリアフリー状況

次の見学は西棟の2F。健常者は階段を上るコースです。階段の途中にある展示は車椅子では見学できません。車椅子では中央棟のエレベーターを利用して2Fへ上ります。

西棟のバリアフリー状況

○東棟のバリアフリー状況

西棟の2Fの見学が終わると、東棟の2Fに移動します。

東棟のバリアフリー状況

ここは「NAAコーナー」という展示コーナーで、展示物が刷新されました。フラットでスペースに余裕があるので、全体的には車椅子での見学は可能です。一部ですが車椅子では利用できない体験型の展示があります。

東棟のバリアフリー状況

次は中央棟のエレベーターで1Fへ下りて、東棟の1Fに行きます。1Fは多目的ホールやライブラリーがあります。床面はフラットなので、車椅子での移動および利用は可能です。

○体験館のバリアフリー状況

新設された体験館は、2フロアと展望屋上「ビューテラス」があります。

屋上スペースは、車椅子での利用が可能

1Fは「多目的ホール」でイベントや企画展が開催されます。今回取材時は「空飛ぶクルマ」展が開催されていました。

「空飛ぶクルマ」展

2Fは前出のトイレとシミュレーター展示室、そして取材時はまだ未設置ですが、航空会社の強力による操縦室のモックアップが展示される予定です。

成田空港が展望できる屋上スペースは、車椅子での利用が可能です。

屋上スペースは、車椅子での利用が可能

本館3F部の屋外展望台は階段ルートのため車椅子では利用できません。

館3F部の屋外展望台は階段ルートのため車椅子では利用できません

本館と体験館の間に、有料予約制の747体験型展示があります。

本館と体験館の間に、有料予約制の747体験型展示

本館から体験館に移動する場合、1F屋外を通ると問題はありません。2F部の連絡橋は、それぞれの入口に少し段差があり車椅子がひっかかります。ドアはタッチ式の自動ドアです。

○4Fレストランのバリアフリー状況

中央棟のエレベーターで4Fへ上ると展望レストランがあります。食券制ですが、スタッフが席に案内をするレストランです。半円形の施設でスペースの余裕はあまりありませんが、フラットな床面に一般的なテーブル席が配置されるので車椅子での利用は可能です。レストランからもっとも近くに見えるのは、成田空港の南側、貨物ターミナル付近です。

○5F展望展示室のバリアフリー状況

中央棟のエレベーターで5Fへ上ると展望展示室があります。円形の360°展望室で、窓の高さは低く車椅子からの目線で十分に眺望を楽しめます。

管制塔の機械など昔の機器ですが、空港の実物機械が展示されています。また椅子が配置され自由に利用出来るコーナーがあります。展望展示室内はフラットで、車椅子で移動出来る通路幅な確保されています。

5F展望展示室のバリアフリー状況

○屋外展示のバリアフリー状況

屋外の無料ゾーンに航空機の展示があります。緩い傾斜路を進みますが、車椅子での見学は可能です。

古いままの設備も多々残りますが、「航空科学博物館」はリニューアルで、バリアフリーが前進しました。体験館2Fのバリアフリートイレは綺麗です。

(本稿は2019年8月の取材に基づいています)

成田空港の隣接地にある空港建設問題を伝える「空と大地の歴史館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。