成田空港 航空科学博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

開館30周年リニューアル 航空科学博物館バリアフリー情報

千葉県芝山町の成田空港隣接地にある「航空科学博物館」が、1989年の開館から30周年になる2019年の開館記念日8月1日にリニューアルオープンしました。バリアフリー状況を紹介します。

○リニューアルのポイント

エントランス周辺はリフォームされています。西棟の展示にパノラマビジョンを導入。東棟2Fの展示を刷新。そして「体験館」を新設。入館料はリニューアルオープンを機に、値上げされました。

リニューアルのポイント

○バリアフリートイレの新設

バリアフリートイレは、本館1F中央棟に1つ。このトイレは赤ちゃん用のベビーシートがあります。

そして新設された体験館の2Fにバリアフリートイレが用意されました。

障害者用トイレの新設

オストメイト設備は高さ調節機能付きで、跳ね上げ式のユニバーサルベッドがあります。

障害者用トイレの新設

トイレのスペースがやや狭いため、ベッドを倒した状態では、大型の車椅子がトイレ内に収用できるか、微妙なスペースです。

障害者用トイレの新設

○アクセスの状況

アクセスは車が便利です。約200台を収容する無料駐車場があります。駐車場は改修されていません。身障者用駐車区画は博物館の正面にはなく、一般駐車場エリア内に屋根無しで3台分あります。そこから博物館入口までは、車道を横断し、小さな段差を乗り越えて歩道に上がり進みます。

○入館料の障がい者減免制度

エントランス周辺はリフォームされて綺麗になりました。段差はなく車椅子での入館に大きな問題はありません。入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。一般入場者及び各割引券での入場者は、自動販売機で入館券を購入します。

障害者減免制度は50%

今回取材時に障がい者減免制度の運用方法を確認したところ、有料エリア入口のチケットを確認するスタッフに手帳を提示して、そのスタッフに半額の入館料を現金で支払うということでした。

エントランス周辺はリフォームされて綺麗

○西棟のバリアフリー状況

展示見学コース順にバリアフリー状況を紹介します。

西棟のバリアフリー状況

最初の見学は西棟の1Fから。中央の展示空間はフラットでスペースに余裕があり、車椅子での見学は可能です。

西棟のバリアフリー状況

機内の様子を再現したコーナーはスペース的に狭くなりますが、本物の機内よりは通路幅に余裕がある配置で、車椅子での見学はなんとか可能です。

西棟のバリアフリー状況

次の見学は西棟の2F。健常者は階段を上るコースです。階段の途中にある展示は車椅子では見学できません。車椅子では中央棟のエレベーターを利用して2Fへ上ります。

西棟のバリアフリー状況

○東棟のバリアフリー状況

西棟の2Fの見学が終わると、東棟の2Fに移動します。

東棟のバリアフリー状況

ここは「NAAコーナー」という展示コーナーで、展示物が刷新されました。フラットでスペースに余裕があるので、全体的には車椅子での見学は可能です。一部ですが車椅子では利用できない体験型の展示があります。

東棟のバリアフリー状況

次は中央棟のエレベーターで1Fへ下りて、東棟の1Fに行きます。1Fは多目的ホールやライブラリーがあります。床面はフラットなので、車椅子での移動および利用は可能です。

○体験館のバリアフリー状況

新設された体験館は、2フロアと展望屋上「ビューテラス」があります。

屋上スペースは、車椅子での利用が可能

1Fは「多目的ホール」でイベントや企画展が開催されます。今回取材時は「空飛ぶクルマ」展が開催されていました。

「空飛ぶクルマ」展

2Fは前出のトイレとシミュレーター展示室、そして取材時はまだ未設置ですが、航空会社の強力による操縦室のモックアップが展示される予定です。

成田空港が展望できる屋上スペースは、車椅子での利用が可能です。

屋上スペースは、車椅子での利用が可能

本館3F部の屋外展望台は階段ルートのため車椅子では利用できません。

館3F部の屋外展望台は階段ルートのため車椅子では利用できません

本館と体験館の間に、有料予約制の747体験型展示があります。

本館と体験館の間に、有料予約制の747体験型展示

本館から体験館に移動する場合、1F屋外を通ると問題はありません。2F部の連絡橋は、それぞれの入口に少し段差があり車椅子がひっかかります。ドアはタッチ式の自動ドアです。

○4Fレストランのバリアフリー状況

中央棟のエレベーターで4Fへ上ると展望レストランがあります。食券制ですが、スタッフが席に案内をするレストランです。半円形の施設でスペースの余裕はあまりありませんが、フラットな床面に一般的なテーブル席が配置されるので車椅子での利用は可能です。レストランからもっとも近くに見えるのは、成田空港の南側、貨物ターミナル付近です。

○5F展望展示室のバリアフリー状況

中央棟のエレベーターで5Fへ上ると展望展示室があります。円形の360°展望室で、窓の高さは低く車椅子からの目線で十分に眺望を楽しめます。

管制塔の機械など昔の機器ですが、空港の実物機械が展示されています。また椅子が配置され自由に利用出来るコーナーがあります。展望展示室内はフラットで、車椅子で移動出来る通路幅な確保されています。

5F展望展示室のバリアフリー状況

○屋外展示のバリアフリー状況

屋外の無料ゾーンに航空機の展示があります。緩い傾斜路を進みますが、車椅子での見学は可能です。

古いままの設備も多々残りますが、「航空科学博物館」はリニューアルで、バリアフリーが前進しました。体験館2Fのバリアフリートイレは綺麗です。

(本稿は2019年8月の取材に基づいています)

成田空港の隣接地にある空港建設問題を伝える「空と大地の歴史館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。