成田空港建設問題を伝える 空と大地の歴史館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

成田空港建設問題を伝える 空と大地の歴史館 バリアフリー情報

千葉県芝山町、成田空港の隣接地にある施設です。その使命は「空港をめぐり、この地に刻まれた歴史を後世に伝え」ること。車椅子での見学は可能です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

アクセスは車が便利。「航空科学博物館」と同じ敷地にある歴史館です。広い無料駐車場があり、歴史館正面近くに身障者用駐車区画の用意があります。

歴史館は入場無料。ワンフロア構造で、展示室内は土足禁止です。車椅子で入館すると歴史館のスタッフが、車椅子にタイヤカバーをかけてくださいます。

駐車場周辺は一部路面が荒れている箇所がありますが、エントランスから館内へかけてはフラットな構造で車椅子での移動に問題はありません。

館の入口は自動ドアです。入口を入った右側の土足ゾーンにバリアフリートイレがあります。綺麗なトイレで赤ちゃん用のベビーシートが用意されています。ユニバーサルベッドはありません。

障害者用トイレ

入口の先から土足禁止ゾーンの展示室へ、車椅子では段差解消スロープで上ります。

車椅子では段差解消スロープで上ります。

展示室内は中央空間を取りまくように、9つの展示コーナーと企画展示室が1つ円形に配置されます。すべての展示コーナーはフラットで、車椅子での見学は可能です。

中央空間を取りまくように、9つの展示コーナー

1966年、新しい国際空港が成田市三里塚に建設されることが決定。開港は1978年。その間の約12年間とその後も続いて行われた、空港反対派と推進派の抗争の歴史を残すための資料館です。

主な展示内容

最初の展示は、この地を開墾した農民の労苦の歴史です。自分たちが切り開いた大切な土地を、強制収用されることへの強い思いの原点を知ることができます。そして空港が三里塚に決まったことへの地元の反応、当時の日本の社会情勢や流行歌の展示などに続きます。

主な展示内容

歴史館の展示のハイライトが「流血の日々」のコーナー。武力抗争に使用された本物の武器・道具が展示されています。

主な展示内容

開港してからも、反対同盟の活動は続きます。管制塔の占拠、そして強制撤去と活動家の死。そしてその後の、話し合い、和解、共生への道が紹介されています。

主な展示内容

史実を複眼的な視点でとらえ、正確に後世に伝えることを目的にした歴史館です。「成田空港 空と大地の歴史館」は車椅子で観覧できます。

(本稿は2019年8月の取材に基づいています)