東京都戦没者霊苑 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都文京区の「東京都戦没者霊苑」は、車椅子で利用できる無料の施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

東京都戦没者霊苑

太平洋戦争での戦没者が240万人。内東京都に関わる人が16万人。この戦没者の鎮魂と平和への願いをこめた施設です。

「鎮魂の碑」などがある屋外部と「遺品展示室」と「休憩所」がある屋内施設で構成されます。敷地面積6,289㎡。外から見るより奥に長く広い施設です。開苑時間が土日祝日は9時から17時まで、平日は9時から20時までです。

1988年に改装され施設全域がバリアフリー仕様です。東京都福祉保健局の管轄で、一般財団法人「東京都遺族連合会」が管理運営しています。

東京都戦没者霊苑

東京ドームの近く、礫川公園と中央大学に挟まれた一角にあります。正面入口は富坂の途中で、春日駅方面からは、強い傾斜の坂を上った先になります。車椅子では辛いレベルの坂道なので、元気な介助者がいると助かります。東京都戦没者霊苑には来苑者用の駐車場はありません。

この地は、江戸時代は水戸藩の上屋敷の一部。そのお庭が現在の小石川後楽園です。明治期には陸軍の施設になり、戦時は小石川陸軍工科学校、戦後は東京都の管轄になりました。

アクセス方法

春日通りから正面入口に入ると、広場や階段が見えます。

屋外施設のバリアフリー状況

段差がある構造ですが、段差箇所はすべてスロープが対応しています。

屋外施設のバリアフリー状況

正面スロープの横には「戦没地域標示盤」があり、地域別の戦没者数が標示されています。

屋外施設のバリアフリー状況

スロープを上った先の広場に「東京都戦没者鎮魂の碑」があります。

屋外施設のバリアフリー状況

屋外施設全体、車椅子で利用できます。

屋外施設のバリアフリー状況

「展示室棟」と「休憩所棟」が繋がって建っています。

展示室棟のバリアフリー状況

正面入口から館内に入ると簡単な記帳台があります。右手が自由に利用できる休憩コーナー。フラットな構造で車椅子での利用は可能です。正面の右奥にトイレがあり、バリアフリートイレがあります。トイレ内にユニバーサルベッドはありません。

展示室棟のバリアフリー状況

エレベーターが1基あり2Fの展示室に上ることができます。

展示室棟のバリアフリー状況

エレベーターは普通サイズの車椅子が乗り込める大きさです。

展示室棟のバリアフリー状況

2階が「遺品展示室」です。スペースは134㎡と、広くはありません。室内はフラットで車椅子での見学に問題はありません。

展示室棟のバリアフリー状況

「遺品展示室」では、遺族から預かっている約440点の遺品を展示。手紙、千人針、鉄兜、弁当箱。軍服、軍刀なども展示されています。なかには戦没者のポートレートも。若い笑顔の写真があります。

展示室棟のバリアフリー状況

東京都戦没者霊苑は、坂道の途中にあります。その点以外は、車椅子で利用できるバリアフリー施設です。

近隣に伊勢の遥宮「小石川大神宮」が鎮座しています。別稿で掲載しているので、ご参照ください。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)

行田 忍城と水城公園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

埼玉県行田市の中心部にある「忍城」と「水城公園」は、中世からの歴史を伝える観光スポットです。車椅子からみた、現地のバリアフリー状況を紹介します。

忍城

忍城の概要です。石田光成の水攻めで有名な忍城の三階櫓が再現されています。

忍城の概要

この施設は1988年に開館した「行田市郷土博物館」の一部です。櫓の周囲には城壁や城門、鐘楼などが再現されています。

忍城の概要

敷地内の見学は無料です。郷土博物館内の見学は有料ですが、観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。

行田市郷土博物館

アクセスは車が便利です。第1と第2の2つの無料駐車場があります。行田市郷土博物館に近いのは、第2駐車場です。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

第2駐車場には屋根無しの身障者用駐車区画が1台分用意されています。今回取材時そこは満車でしたが、駐車場誘導スタッフの方が、車椅子で乗降しやすいスペースに誘導していただけました。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

第2駐車場から郷土博物館エントランスまでは、すべて舗装路で段差回避スロープが設けられています。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

郷土博物館の周囲を一周するルートは、途中に小さなデコボコがあるルートですが、車椅子で通行できない決定的な段差はありません。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

郷土博物館の敷地の外側から、忍城の三階櫓の全貌が見学できますが、裏門から出る箇所と城門から入る箇所は、車椅子では通行できない段差があります。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

スロープを上り郷土博物館内へ入ります。

郷土博物館内のバリアフリー状況

受付で障害者手帳等を提示して入館手続きをします。バリアフリートイレは展示室入口の手前にあります。設備更新されている綺麗なトイレです。トイレ内にユニバーサルベッドはありません。

1F展示室はフラット構造です。行田の歴史、民俗、文化について詳しい展示があります。車椅子での観覧に大きな問題はありません。

郷土博物館内のバリアフリー状況

1F展示室の先に、忍城の三階櫓につながる渡り廊下のような連絡通路があります。三階櫓は2Fと3Fが展示フロアで、最上階は展望室になっています。しかしエレベーターはなく階段だけです。車椅子では三階櫓の内部は見学できません。

郷土博物館内のバリアフリー状況

水城公園の概要です。忍城の三階櫓と水城公園は、徒歩で移動するには距離があります。

水城公園の概要

水城公園には大きな無料駐車場があり、広くて整備された身障者用駐車区画が3台分用意されています。

水城公園

敷地内には「行田公民館」があり、開館していればスロープで入館可能です。駐車場に隣接する大きな池は「しのぶ池」。その周囲にフラットな舗装路があり、車椅子で散策できます。

水城公園

ただし車椅子では通行できない散策路もあります。水城公園全域の車椅子散策は困難です。無理のない範囲での利用になります。

水城公園

道を渡った場所にあるレトロな建物は「旧忍町信用組合店舗」で、現在はグルメ店として営業しています。スロープがあり1Fは車椅子で利用可能です。

旧忍町信用組合店舗

その横の「あおい池」は「ホテイアオイ」が栽培されている池です。この池の横も車椅子で通行可能な舗装路があります。季節には綺麗な花を楽しめます。

ホテイアオイ

「忍城」の三階櫓の内部は車椅子では利用できません。「水城公園」は車椅子では散策できないエリアもあります。以上のポイントを除けば、行田市の「忍城」と「水城公園」は、車椅子で楽しめる観光スポットです。

なお行田市の観光名所「古代蓮の里」の情報は別稿を参照してください。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)

資生堂掛川工場「アートハウス」と「企業資料館」バリアフリー情報

静岡県掛川市の「資生堂アートハウス」と「資生堂企業資料館」は、資生堂掛川工場内にある無料公開施設です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

「資生堂アートハウス」と「資生堂企業資料館」は、資生堂掛川工場内に隣接して建つ施設です。両施設間は、ほぼフラットな屋外通路を通り、車椅子で移動できます。

「資生堂アートハウス」は、資生堂の美術コレクションを中心に、企画展、常設展が開催される美術館です。

「資生堂企業資料館」は、1872年に創業して以来の、資生堂の歴史を展示紹介する施設です。展示の中心は広告の歴史です。

アクセス方法です。資生堂掛川工場は、掛川駅からは徒歩25分の案内です。車でのアクセスが便利です。

工場内に両施設来館者用の無料駐車場が2か所あります。今回取材した時点では、2か所の駐車場内には身障者用駐車区画はありませんでした。

身障者用駐車スペースは、一般駐車場とは別に「資生堂アートハウス」エントランス前に用意されています。車両で通行してよいのか不安になるような道を車で進み、アートハウス前を目指します。

アートハウスのバリアフリー状況です。アートハウスの屋外には、彫刻家によるアート作品9点が展示されています。散策路などから、車椅子で屋外アートの鑑賞は可能です。

「資生堂アートハウス」の建物自体がアートです。1978年に完成し、1980年には「日本建築学会賞」を受賞しました。建物の外観も鑑賞する価値があります。

「資生堂アートハウス」の館内は変則的な2フロア構造になっています。通常は階段を利用して移動する動線ですが、段差回避できるスロープがあるので、鑑賞する動線は通常とは変わりますが、車椅子で館内全域を移動できます。バリアフリートイレは受付の奥に用意されています。

実際に車椅子で館内を移動すると、以下の点が気になりました。館内展示室の段差回避するスロープの傾斜はやや角度があります。そして贅沢な話ですが、館内の床面にフカフカで毛足が長い絨毯が敷き詰められているので、まるで砂浜を通るときの様に、車椅子が絨毯に絡むような感じになります。車椅子での移動がスッとは出来ずに力が入ります。出来れば元気な介助者と同行することをお薦めします。

アートハウスのバリアフリー状況

アートハウスの展示内容です。「資生堂アートハウス」内は、常設コーナーと企画展コーナーがあります。

今回取材時の企画展は「香水瓶の世紀」。19世紀末から現代に至る100年間に製作された香水瓶の展覧会です。訪れた時は前期展でテーマは「バカラ クリスタルの雅歌」。バカラ製の瓶が約100点展示されています。後期展のテーマは「ルネ・ラリック 幻視のファンタジー」です。

次に「資生堂企業資料館」を紹介します。1992年の開館。基本構造がバリアフリーではありません。館内にバリアフリートイレはありません。2F構造ですが、2Fへは階段のみです。

展示は1Fフロアだけでも十分に見る価値はあります。ただしエントランスから1Fの展示フロアに上るのに、やや強い傾斜のスロープを上ります。

資生堂の歴史、商品パッケージ、ポスターなどの広告資料、そしてビューティーコンサルタントのコスチュームの変遷などが展示されています。

資料館を見学すると、改めて資生堂は日本の産業史にとって、重要な役割を果たしてきた企業であることを認識します。決定的な影響を与えたのは美と広告。この両面において、日本が今の姿であることに、資生堂の企業活動が与えた影響は少なくありません。

企業資料館のバリアフリー状況

資生堂掛川工場内の「アートハウス」と「企業資料館」は、基本構造はバリアフリーではありませんが、車椅子での利用は可能です。開館日がイレギュラーなので注意して下さい。

掛川市の「ねむの木学園やさしいお店」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2015年8月の取材に基づいています)