南紀白浜 車椅子観光ガイド 主な観光地のバリアフリー情報  

温泉と風光明媚な景観、温暖な気候。日本を代表するリゾート地、南紀白浜。人気の「景勝地」や「とれとれ市場」を中心に、車椅子から見た現地のバリアフリー状況を紹介します。

南紀白浜

○観光は車利用がお薦め

白くまぶしく輝く白良浜。三段壁に千畳敷。海に浮かぶ名勝円月島。南紀白浜の景勝地を車椅子で巡るなら、移動手段は車に限ります。

三段壁から円月島方面までは、歩けないほどの距離があります。また高低差がかなりあり、車椅子ではアップダウンの移動がたいへんです。そして歩道の整備が進んでいないため、車椅子で路側を通ると、場所によっては車の通過に怖い思いをします。車椅子利用者は、車での移動をお薦めします。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

○白良浜は道路からの観光

輝くような白い砂浜「白良浜」。といっても砂浜ですから、車椅子ではすぐにスタックします。浜のすぐ脇を道路が通ります。車に乗りながら白良浜を眺める。これが一番無難な楽しみ方です。

白良浜

○三段壁洞窟は車椅子可

名勝三段壁。近くに無料駐車場があります。駐車場から三段壁へのアクセスルートは、快適なバリアフリー路ではありません。

三段壁

有料施設「三段壁洞窟」は車椅子で利用でき、入場料は障がい者減免制度があります。三段壁の上部から三段壁下部の洞窟へは、エレベーターで移動します。自然の洞窟ですからデコボコは有りますが、決定的な段差箇所はスロープがあります。

※2018年9月に台風21号の影響で三段壁の一部が崩落しましたが、「三段壁洞窟」は営業しています。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

○千畳敷は駐車場からの観光

千畳敷には隣接した広い無料駐車場があります。ここに車を停めて、そのまま駐車場から見える限りを鑑賞するのがお薦めです。千畳敷に車椅子で降り立つのは、デコボコが激しく困難です。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

○円月島はサンセットを鑑賞

南紀白浜を代表する景勝「円月島」。中央部が浸食されて円い穴があいている島です。夕陽に浮かぶ円月島は素晴らしい景観です。

夕陽を見るのにちょうど良いポジションに、道路脇に車を停められるスペースがあります。ここに車を停めて車窓から、あるいは車外に出て、夕陽に照らされる円月島を眺めるのがお薦めです。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

○「とれとれ市場南紀白浜」はバリアフリー

漁協が運営する海鮮マーケット「とれとれ市場南紀白浜」は、車椅子でとても利用しやすい施設です。

とれとれ市場南紀白浜

正面は手動ドアですが、横にまわるとすぐに自動ドアがあります。フロア内は段差がありますが、迂回スロープが施設両端に設置されています。通路幅が広く、車椅子での店内移動が快適な施設です。

バリアフリートイレはドラッグストアの先。正面入口からもっとも遠い、施設の奥にあります。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

マーケットの品揃えは圧巻です。鮮魚、海鮮加工食品、お菓子、お酒、梅・・・。和歌山土産になりそうな商品は全てあります。フラットで広く、車椅子で買い物がしやすい売り場です。

食事処も広くてスペースに余裕があります。メインダイニングは「とれとれ横丁」。テーブルと椅子が並んでいるだけですが、一般的な車椅子利用者なら食事ができます。海鮮バーベキューコーナーの席は、背もたれのない長椅子。少し動かして車椅子の場所を確保する必要がありますが、大きな問題はなく利用できます。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

歴史あるリゾート地なので、必ずしも全ての景勝地、観光施設がバリアフリーではありません。車椅子での南紀白浜観光は、計画的に行動する必要があります。

なお南紀串本のバリアフリー情報は、別稿「南紀串本 橋抗岩と虫喰岩 車椅子観光ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

奈良 国営平城宮跡歴史公園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

国土交通省が主管する「国営平城宮跡歴史公園」は、奈良市内に広がる132haの特別史跡平城宮跡を計画地とした国営公園です。2018年3月に開園した観光情報拠点「朱雀門ひろば」を中心に、現地のバリアフリー状況を紹介します。

朱雀門広場は段差の無いバリアフリー設計です。「天平みつき館」はお土産ショップ。「天平うまし館」はカフェ&レストラン。「天平みはらし館」「天平つどい館」は観光情報施設。いずれもバリアフリーで、綺麗なバリアフリートイレがあります。

平城宮跡歴史公園バリアフリー情報

「朱雀門ひろば」のアイコンは「復原遣唐使船」です。全長30mで、まるで水に浮いているように設置されています。乗船は無料。スロープ乗船なので車椅子で船内へ行くことが出来ます。乗船口にはスタッフが常駐して案内。天平ルックの貸衣装もあります。

船内は精密に再現されているそうですが、甲板を車椅子で巡ることができます。命がけでこの船で唐を目指した人たちは、どのような船上生活であったことか。「復原遣唐使船」を見学する限り、快適ではなかったことは間違いありません。

平城宮跡歴史公園バリアフリー情報

「国営平城宮跡歴史公園」はとても広い公園です。車椅子ですべてを気軽に散策できる規模ではありません。第一次大極殿を見学するなら、その近くの駐車場へ停める行動が必要です。

車でアクセスした場合、平常宮跡には複数箇所無料駐車場がありますが、「朱雀門ひろば」の駐車場は「交通ターミナル」で有料です。この有料駐車場の利用方法が変わっています。詳しく紹介します。

そもそも「交通ターミナル」という名称があるように、路線バスやタクシー用の円形乗降場です。その中央部を一般駐車場に活用しています。有料なのにゲートがありません。

車でターミナルに入ると、すぐにスタッフが手を挙げて「駐車しますか」と尋ねられます。「ハイ」と答えると、その場で駐車券に手書きで時刻を記入して渡されます。

車椅子利用の旨を申告すると「身障者用駐車区画はこちらです」と誘導して下さいました。一般駐車場とは違うエリアにある屋根付き駐車スペースです。

屋根付きの身障者用駐車区画を利用した場合、「天平みはらし館」以外の3棟へのルートは屋根があるので、普通の雨なら濡れずに行けます。ただし暴風雨の場合は吹き込むことが予測される構造です。

料金の精算方法が特殊です。「天平みつき館」と「天平みはらし館」に設置されている販売機で、自分で駐車時間を計算して「時間券」を買います。そして駐車場のスタッフに駐車券と時間券を渡します。

お買い物による駐車料金の減免サービスはありません。そして全く告知されていませんが、時間券販売機には「障害者減免券」がありました。正規料金の半額。駐車スタッフに障害者手帳を提示し、障害者減免券を渡して出庫できました。

まだ開園して日が浅い「朱雀門ひろば」です。駐車場の運用ルールは、今後変わるかもしれません。

平城宮跡歴史公園バリアフリー情報

「国営平城宮跡歴史公園」は、2010年に第一次大極殿の一部が公開。2018年に朱雀門広場開業。そしてこれからも整備が続きます。

順調に進めば、2019年には第一次大極殿を囲む回廊部の公開が始まる予定です。第二次大極殿周辺エリアの整備は、まだまだ先の計画です。

「国営平城宮跡歴史公園」に新しく誕生した「朱雀門ひろば」は、車椅子で利用できるバリアフリー施設です。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

奈良 興福寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

金沢城公園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

金沢の名所「金沢城公園」は、車椅子で利用できるバリアフリー公園です。公園全体のバリアフリー状況と、車椅子での観光ポイントを紹介します。

金沢城公園は金沢大学の跡地で、21世紀になってから一般開放された新しい公園です。第一期整備の完成が2001年。第二期整備の完成が2014年。そして第三期整備が2017年に完成しています。

「本物志向で史実性の高い整備」です。そのため、往時の通りに再建される施設はバリア構造で、そこに現代のバリアフリー対策を入れる、これが金沢城公園のバリアフリー化のコンセプトです。その結果、面白いバリアフリー状況になっています。現地の状況を具体的に紹介します。

金沢城公園 バリアフリー情報

「石川門」から「河北(かほく)門」のバリアフリー状況です。

「兼六園」と金沢城公園は、道を隔てて隣接しています。兼六園の「桂坂口」と金沢城公園のメインエントランスである「石川門」は、道をまたぐ陸橋で直結、車椅子での通行は可能です。兼六園内のバリアフリー問題はありますが、車椅子での兼六園と金沢城公園の往来は、バリアフリーに快適に移動できます。(兼六園のバリアフリーについては、別稿「金沢兼六園バリアフリー情報」をご参照下さい。)

石川門をくぐると見えてくる「河北門」は、金沢城公園らしいバリアフリー施設です。「二の門」の2階層にある屋内スペースに向かって、ロングスロープが設置されています。ただし屋内は土足禁止で、車椅子にカバーをつけて入ります。そこまでしなくても、入口までいけば内部はすべて見える広さです。

金沢城公園 バリアフリー情報

有料施設の状況です。菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門の有料ゾーンは、入場料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

土足禁止の施設です。受付から館内スタッフに連絡がいき、車椅子専用入口でスタッフが応対していただけます。専用スロープを上り土禁ゾーンへ進み、スタッフに車椅子を雑巾で拭いていただきました。館内の2階層へは昇降機で上がります。ここもスタッフが付きっきりで応対してくださいました。3階層にあたる櫓へのルートは階段のみです。

再度1階層へ戻るところには、エレベーターがあります。帰り口も専用口から出ます。有料エリアは車椅子利用者への特別な配慮があります。

金沢城公園 バリアフリー情報

バリアフリートイレの状況です。公園内には9カ所に公衆トイレが設置され、そのすべてにバリアフリートイレが併設されています。

2017年4月に完成した「鶴の丸休憩館」はとても綺麗な施設で、金沢城公園で最新の屋内のバリアフリートイレはここです。休憩スペースの他に、金沢城に関する情報展示コーナーもあります。菱櫓・五十間長屋などの眺めもよいので、鶴の丸休憩館は車椅子での立ち寄りをお薦めできる施設です。

金沢城公園 バリアフリー情報

身障者専用駐車場の状況です。身障者専用駐車場が「いもり堀園地」と「玉泉院丸庭園」横の2か所に用意されています。一般利用が出来ないように障害物があるので、事前に公園事務所に利用の連絡を入れることが推奨されています。

金沢城公園 バリアフリー情報

金沢城公園内の散策路は、完全なフラット構造ではなく、各所にアップダウンがあります。ただしそれほどキツイ坂はなく、ほとんどの路は一般的な車椅子利用者なら通行可能です。

車椅子で辛いのは、二の丸広場方面と玉泉院丸庭園を繋ぐルートです。勾配のキツイ坂道があるので、迂回することをお薦めします。

金沢城公園 バリアフリー情報

玉泉院丸庭園は、往時のお庭を忠実に復元したバリア構造の日本庭園です。したがって、園内各所に段差があるので、車椅子では休憩所からの見学をお薦めします。小さな庭園なので、それでも十分に全体を観ることができます。

玉泉院丸庭園内は段差あり

五十間長屋ほかの有料ゾーンでは、車椅子対応で付きっきりになってくださったスタッフに、詳しい解説をしていただけました。鶴の丸休憩館にはボランティアガイドさんが常駐しています。質問をすると、とても詳しく解説していただきました。ボランティアガイドの皆さんは、金沢城についてよく勉強されています。ボランティアガイドさんのお話を聞くと、金沢城について、より深い理解を得ることが出来ます。そして車椅子でのお薦め見学コースを、アドバイスしていただけます。

金沢城公園は車椅子に配慮のある施設です。車椅子で金沢の魅力に触れてください。

(本稿は2017年5月の取材に基づいています)