いしかわ赤レンガミュージアム 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

金沢市の中心部にある「いしかわ赤レンガミュージアム」は、明治から大正にかけて建築された3つの赤煉瓦倉庫を活用した施設で、第一棟は「石川県立歴史博物館」、第二棟は石川県立歴史博物館の「交流体験館」、第三棟が「加賀本多博物館」として公開されています。第二棟と第三棟の間には、辰巳用水の江戸後期の石管を活用した「水の豊かさを表現」したモニュメントがあります。

いしかわ赤レンガミュージアム

お隣は国立工芸館。フラットな舗装路面でつながっています。

いしかわ赤レンガミュージアム

駐車場は文化施設共用第三駐車場の利用が便利。身障者用駐車スペースは国立工芸館の横に3台分設けられています。いしかわ赤レンガミュージアムの利用に便利な場所です。

国立工芸館

いしかわ赤レンガミュージアムは各棟にエレベーターがあるバリアフリー施設。車椅子で問題なく利用できます。第一棟の石川県立歴史博物館は有料の施設ですが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。常設展では縄文時代からの石川県の歴史と民俗が紹介されています。

いしかわ赤レンガミュージアム

第二棟の交流体験館は無料施設。兼六園のジオラマがある「いしかわウェルカムラウンジ」などがあります。

第一棟と第二棟の間にフリースペース「ほっとサロン」があり、春はしだれ桜が楽しめます。

いしかわ赤レンガミュージアム

第三棟の加賀本多博物館は有料施設。お得な石川県立歴史博物館との共通券がありますが、障がい者は歴史博物館の観覧料が減免されるので単独観覧券を購入した方が合理的です。加賀本多博物館は本多家に伝わる武具や調度品、古文書、絵図などが常設展示されています。車椅子で問題なく観覧できる博物館です。

いしかわ赤レンガミュージアム

バリアフリートイレは第一棟と第二棟の1Fに用意されています。下の写真は第一棟のトイレ。スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、ユニバーサルベッドが備えられています。とても綺麗なトイレです。

いしかわ赤レンガミュージアム

いしかわ赤レンガミュージアムは車椅子で観覧できるバリアフリー施設です。

(本稿は2024年7月に執筆しました)

隣接する国立工芸館のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

バリアフリー美術館 金沢国立工芸館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

2020年に金沢に移転した国立工芸館は、明治時代に建設された「旧陸軍第九師団司令部庁舎」と「旧陸軍金沢偕行社」を移転し活用している施設ですが、車椅子で観覧できるバリアフリーな美術館です。

国立工芸館

国立工芸館は兼六園や金沢21世紀美術館などがある金沢の中心エリアにあります。一般駐車場ならP3が近い立地。身障者用駐車スペースは、国立工芸館と石川県立歴史博物館の間の通路を直進した先の国立工芸館建物横に3台分設けられています。身障者用駐車スペースは無料で利用できます。

国立工芸館

国立工芸館のエントランスには、緩やかな傾斜の段差迂回スロープがあります。スロープを上がり館内に進みます。

国立工芸館

国立工芸館は2フロア構造の施設で受付は1Fです。観覧料金は展示会ごとに設定されますが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。展示室は1Fに1室、2Fに2室。館内にエレベーターが1基あります。

国立工芸館

いずれの展示室もスペースに余裕があるフラットな構造。車椅子で観覧できるバリアフリー展示室です。

国立工芸館

バリアフリートイレは1Fにあります。スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、ユニバーサルベッドが備えられています。

国立工芸館

ユニバーサルベッドは可倒式のロングタイプが備えられています。

国立工芸館

金沢の国立工芸館は車椅子で観覧できるバリアフリー美術館です。

(本稿は2024年7月に執筆しました)

「石川県九谷焼美術館」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

金沢城公園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

金沢の名所「金沢城公園」は、車椅子で利用できるバリアフリー公園です。公園全体のバリアフリー状況と、車椅子での観光ポイントを紹介します。

金沢城公園は金沢大学の跡地で、21世紀になってから一般開放された新しい公園です。第一期整備の完成が2001年。第二期整備の完成が2014年。そして第三期整備が2017年に完成しています。

「本物志向で史実性の高い整備」です。そのため、往時の通りに再建される施設はバリア構造で、そこに現代のバリアフリー対策を入れる、これが金沢城公園のバリアフリー化のコンセプトです。その結果、面白いバリアフリー状況になっています。現地の状況を具体的に紹介します。

金沢城公園 バリアフリー情報

「石川門」から「河北(かほく)門」のバリアフリー状況です。

「兼六園」と金沢城公園は、道を隔てて隣接しています。兼六園の「桂坂口」と金沢城公園のメインエントランスである「石川門」は、道をまたぐ陸橋で直結、車椅子での通行は可能です。兼六園内のバリアフリー問題はありますが、車椅子での兼六園と金沢城公園の往来は、バリアフリーに快適に移動できます。(兼六園のバリアフリーについては、別稿「金沢兼六園バリアフリー情報」をご参照下さい。)

石川門をくぐると見えてくる「河北門」は、金沢城公園らしいバリアフリー施設です。「二の門」の2階層にある屋内スペースに向かって、ロングスロープが設置されています。ただし屋内は土足禁止で、車椅子にカバーをつけて入ります。そこまでしなくても、入口までいけば内部はすべて見える広さです。

金沢城公園 バリアフリー情報

有料施設の状況です。菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門の有料ゾーンは、入場料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

土足禁止の施設です。受付から館内スタッフに連絡がいき、車椅子専用入口でスタッフが応対していただけます。専用スロープを上り土禁ゾーンへ進み、スタッフに車椅子を雑巾で拭いていただきました。館内の2階層へは昇降機で上がります。ここもスタッフが付きっきりで応対してくださいました。3階層にあたる櫓へのルートは階段のみです。

再度1階層へ戻るところには、エレベーターがあります。帰り口も専用口から出ます。有料エリアは車椅子利用者への特別な配慮があります。

金沢城公園 バリアフリー情報

バリアフリートイレの状況です。公園内には9カ所に公衆トイレが設置され、そのすべてにバリアフリートイレが併設されています。

2017年4月に完成した「鶴の丸休憩館」はとても綺麗な施設で、金沢城公園で最新の屋内のバリアフリートイレはここです。休憩スペースの他に、金沢城に関する情報展示コーナーもあります。菱櫓・五十間長屋などの眺めもよいので、鶴の丸休憩館は車椅子での立ち寄りをお薦めできる施設です。

金沢城公園 バリアフリー情報

身障者専用駐車場の状況です。身障者専用駐車場が「いもり堀園地」と「玉泉院丸庭園」横の2か所に用意されています。一般利用が出来ないように障害物があるので、事前に公園事務所に利用の連絡を入れることが推奨されています。

金沢城公園 バリアフリー情報

金沢城公園内の散策路は、完全なフラット構造ではなく、各所にアップダウンがあります。ただしそれほどキツイ坂はなく、ほとんどの路は一般的な車椅子利用者なら通行可能です。

車椅子で辛いのは、二の丸広場方面と玉泉院丸庭園を繋ぐルートです。勾配のキツイ坂道があるので、迂回することをお薦めします。

金沢城公園 バリアフリー情報

玉泉院丸庭園は、往時のお庭を忠実に復元したバリア構造の日本庭園です。したがって、園内各所に段差があるので、車椅子では休憩所からの見学をお薦めします。小さな庭園なので、それでも十分に全体を観ることができます。

玉泉院丸庭園内は段差あり

五十間長屋ほかの有料ゾーンでは、車椅子対応で付きっきりになってくださったスタッフに、詳しい解説をしていただけました。鶴の丸休憩館にはボランティアガイドさんが常駐しています。質問をすると、とても詳しく解説していただきました。ボランティアガイドの皆さんは、金沢城についてよく勉強されています。ボランティアガイドさんのお話を聞くと、金沢城について、より深い理解を得ることが出来ます。そして車椅子でのお薦め見学コースを、アドバイスしていただけます。

金沢城公園は車椅子に配慮のある施設です。車椅子で金沢の魅力に触れてください。

(本稿は2017年5月の取材に基づいています)