高野山 大門 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

高野山のなかで、「大門」は車椅子ではやや苦戦する名所です。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

車椅子での高野山大門参拝の、最大の問題はアクセスルートです。タクシーの利用、または車椅子利用者は大門に近くで車を降りるのが、最善の方法です。ただし大門の近くには、安全に車を停止させて車椅子利用者が乗降できるスペースがありません。事故のないように気をつけてください。

公営の無料「大門前駐車場(お助け地蔵前駐車場)」は、大門からみて坂道を500m近く下ります。しかも歩道の整備がよくありません。

「金剛峰寺駐車場」からだと1km以上の距離があります。途中にある「中門前駐車場」は、収容台数が少ない満車確率が高い駐車場です。またこの方面からは、大門近くに来ると道路の歩道がなくなり、車が来ると怖い道を通ります。大門への車椅子でのアクセスルートは、決め手に欠きます。

高野山~大門バリアフリー情報

大門への通常ルートは、道路から階段を上ります。車椅子のために国道480号線沿いにスロープがあります。スロープを上れば、そこは高さ25mの大門の正面、記念撮影ポイントです。

大門が建つ高台の敷地内は、ほぼフラットですが未舗装でやや浅い砂利路面です。カーペット敷きなど、車椅子のための特別ルートはありません。

深い砂利の箇所を避けて通行すれば、車椅子でも何とか移動できます。ただし砂利が浅い分、雨上がりなどはぬかるみます。

高野山~大門バリアフリー情報

多少の段差を乗り越えれば、大門の下部に車椅子で行くことができます。大門には一対の金剛力士像が納められています。この像は東大寺南大門の像に次ぐ巨像ということ。江戸中期の仏師の作。見事な金剛力士像です。

高野山大門

大門の中央二本の柱に掲げられているのは、弘法大師様が日々の影向をかかさずに私たちを救うという、同行二人信仰を意味する言葉。高野山信仰の中心思想です。こちらも参拝してください。

アクセスルートのバリアフリーレベルが低く、未舗装路面に建つ「大門」ですが、段差回避スロープはあります。「大門」は車椅子で何とか参拝ができます。

なお高野山の主な施設の詳しいバリアフリー情報は、以下の別稿を参照してください。

「高野山 壇上伽藍 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報」

「高野山 金剛峯寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報」

「高野山 奥之院 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報」

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

高野山 金剛峯寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

高野山は随所にバリアフリーへの配慮があります。金剛峯寺の主殿(本坊)周辺のバリアフリー状況を紹介します。

車椅子利用者は、アクセスは車が便利です。金剛峯寺の主殿を参拝するなら、目の前に無料の公営駐車場「金剛峰寺第一駐車場」があり、身障者用駐車区画があります。

ここが満車の場合、裏手にある「金剛峰寺第二駐車場」へ誘導されます。「第二駐車場」の入口付近は上り坂ですが、一般的な車椅子利用者なら通行できる角度の傾斜路です。

高野山~金剛峯寺バリアフリー情報

駐車場から主殿が建つ境内へ向かいます。正面からは階段ルートなので、車椅子では南都銀行横の東側の側道へ迂回してください。すぐに両脇がスロープ構造になった境内への道があります。スロープの広さは十分で、傾斜もそれほど急ではありません。一般的な車椅子利用者なら利用できるスロープルートです。

高野山~金剛峯寺バリアフリー情報

境内は未舗装で砂利路面ですが、車椅子で移動しやすいように一部舗装路が用意されています。舗装路上の移動だけで、60m×70mの巨大な金剛峰寺主殿の外観見学は概ね可能です。

高野山~金剛峯寺バリアフリー情報

有料で主殿の内部拝観ができます。拝観料の障がい者減免制度はありません。入口から階段、内部も段差だらけの構造で、車椅子での見学は物理的には無理です。ところが不可能ではありません。

金剛峯寺

車椅子での内部拝観希望者は、お坊さんが車椅子を担ぎあげて段差を越えさせていただける、人的バリアフリー対応があるそうです。ぜひ、という車椅子利用者は、お寺に相談してください。

高野山~金剛峯寺バリアフリー情報

トイレの紹介です。「金剛峰寺第二駐車場」内に、新しいバリアフリートイレ棟があります。珍しい設計ですが、一般トイレは無く、バリアフリートイレだけが1つある独立棟のトイレです。

「金剛峰寺第一駐車場」から金剛峰寺側へ道を渡ったところにも、バリアフリートイレがある公衆トイレがあります。こちらは一般トイレもある年季の入ったトイレです。

近隣では、宿坊協会中央案内所横の公衆トイレに、新しく設備が充実したバリアフリートイレが併設されています。

高野山

高野山中、様々な場所にお土産店や飲食店がありますが、もっともお店が集中しているのが、金剛峰寺から東側へ300mほどの区間です。

一部例外的な箇所もありますが、段差解消された歩道が整備されているので、車椅子での散策にも適しています。金剛峰寺を参拝してから、車椅子でお土産店や飲食店へ散策することができます。

金剛峯寺の主殿周辺は、駐車場があり、スロープ路があり、バリアフリー歩道があります。バリアフリートイレの心配も不要です。金剛峯寺は車椅子で参拝できます。

なお高野山の主な施設の詳しいバリアフリー情報は、以下の別稿を参照してください。

「高野山 壇上伽藍 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報」

「高野山 奥之院 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報」

「高野山 奥之院 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報」

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

奈良 法隆寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

1300年以上の歴史がある「法隆寺」を車椅子で参拝しました。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

世界最古の木造建築である法隆寺はバリア構造です。ところが想像以上にスロープの設置が進んでいます。そうはいってもバリア箇所はあり、難所ではお寺のスタッフが力技でサポートしていただけます。法隆寺の在り様を壊さないようにスロープを造り、一部は人力で車椅子をサポートする。これが法隆寺のバリアフリーです。

法隆寺バリアフリー情報

法隆寺の正面入口は「南大門」です。門は階段構造ですが、正面から見て左側にスロープルートがあります。

「南大門」を抜けると「護摩堂」の横までが砂利路面です。それほど深い砂利ではないので、車椅子でなんとかクリアできます。

「護摩堂」の横に段差があり、両脇がスロープになっています。このスロープの前後の砂利はやや深く、車椅子での通行は力と気合が必要です。スロープを上った先に「西院伽藍」が見えます。

法隆寺バリアフリー情報

「西院伽藍」までの路面は、やや深い砂利路面です。「西院伽藍」の入口付近に数名のスタッフが見えます。車椅子を見ると二人が来て下さり「お手伝いします」と車椅子を力技で引っ張ってくださいました。いっきに砂利路面をクリアし、その勢いで「西院伽藍」入口の急なスロープを上がりました。ここで拝観料金を支払います。

法隆寺バリアフリー情報

法隆寺の拝観料金は障がい者減免制度があり、車椅子利用者の場合は、本人と介助者2名までが半額に減免されます。2名の介助が必要な施設ということでしょう。

閉門まで1時間を切ると、拝観料が少し安くなります。これはすべての施設を見る時間がないため、ということ。「今回は大宝蔵院だけをみたい」というような人は、閉門1時間を切った時間に行かれると、少しお得です。

法隆寺バリアフリー情報

有料エリアに入ります。最初は西院伽藍。健常者の拝観ルートは、中庭から五重塔と金堂を巡ります。ところが中庭は深い砂利面で、車椅子での通行は無理です。車椅子利用者は回廊を左回りで一周して、五重塔と金堂を拝観します。現地でスタッフが車椅子観覧ルートを教えてくれるので、従ってください。

法隆寺バリアフリー情報

西院伽藍の回廊を一周すると、最後は健常者と同じ出口になります。この出口は階段で、横にスロープがあるのですが、スロープは急な下り坂です。ここもスタッフが力技で手伝ってくださいます。急なスロープを介助を受けて通過して「大宝蔵院」方面へ向かいます。

法隆寺バリアフリー情報

次に「西院伽藍」から「食堂」横を通り「大宝蔵院」へ向かいます。この間、浅い砂利面はありますが、車椅子での移動に大きな問題はありません。

「大宝蔵院」は平成10年に落成した近代建築物です。法隆寺の国宝、重文が展示されているバリアフリーな施設で車椅子で鑑賞できます。

法隆寺バリアフリー情報

一般的な拝観コースは、この後「夢殿」がある「東院伽藍」へ向かいます。道は浅い砂利面です。この間にある「東大門」のスロープは、車椅子で通過できる普通の傾斜角度です。それほど苦労せずに車椅子で「東院伽藍」へ行くことが出来ます。「夢殿」や「鐘楼」を見学します。以上で一般的な拝観は終了です。

法隆寺バリアフリー情報

法隆寺へのアクセスは、車椅子利用者は車が便利です。駐車場の状況です。

町営駐車場は1回500円です。いくつかある民間駐車場は公営駐車場に比べ、混雑時は高く、閑散時は少し安い値段のようです。乗降スペースをゆったり確保したい人は、町営駐車場が絶対的なスペースが広く、身障者用駐車区画が1台分あります。

もっとも法隆寺入口に近いのは、土産屋の駐車場です。ただしお店での買い物が義務になります。

トイレの状況です。バリアフリートイレは、法隆寺内と町営駐車場内のトイレにあります。現時点では、どちらも設備が古いトイレでした。チェックできた限りですが、近隣のお土産屋さんにはバリアフリートイレはありません。車椅子でのトイレ事情はいまひとつです。CVSなど近隣の商業施設で借りることをお薦めします。

バリアフリー面はこのような状況ですが、法隆寺のスタッフは車椅子にとても優しく対応してくださいます。車椅子で困ったら、お寺のスタッフに声をかけて助けを借りてください。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

奈良 薬師寺 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報