東京都美術館「ムンク展」車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都台東区。上野公園の東京都美術館の「ムンク展」に車椅子で行きました。現地のバリアフリー状況を紹介します。

上野の東京都美術館で2018年10月27日から2019年1月20日の開催。開幕2日目の日曜日の午後は、チケット購入に10分、入場待ちは無く、館内はかなりの混雑、このような状況でした。

会場は東京都美術館の企画展示室。企画展はいつも通りの3フロア構成で、車椅子でのフロア間移動はエレベーターの利用です。各フロアの出口のスタッフが、車椅子をエレベーターに誘導してくれるので、初めての方でも迷うことはありません。

ロビー階から美術館内に入ると、ムンク展の作品が次々にデジタル表示されるモニターが4台配置。立ち止まり眺め、写真を撮る人が大勢います。

会場入口横には「叫び」のパネル展示。ほとんどの人が、叫びのポーズをして記念撮影をしています。車椅子での記念撮影も可能です。

「ムンク展」は障害者手帳の提示で、本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。会場入口で手帳を提示する方式なので、チケット売り場に並ぶ必要はありません。入場待ちが発生した場合は、車椅子利用者も健常者と同様に列に並ぶのが原則です。

美術館にはバリアフリートイレが複数用意されています。企画展示内にもバリアフリートイレはあります。

「ムンク展」の展示方法は、オーソドックスな壁掛け展示がほとんどです。通路幅は広く確保され、もちろん段差はありません。基本的には車椅子で鑑賞できるバリアフリー展示です。

「叫び」は2番目のフロア、1F最初のコーナーに壁掛け展示されています。「叫び」の周辺だけ5重6重の人垣が発生。車椅子で作品に近づくことは諦めました。ただし開幕2日目の混雑ポイントは「叫び」だけです。他の作品は全て車椅子からしっかり鑑賞できました。

作品リストをみると、展示作品101点の内、99点がムンクの作品です。展示はほぼ製作年代順。初期の画風は叫びとは違いますが、すぐにムンクと分かる画風に変ります。ムンクが活動していた時代には、「叫び」は中心的な作品とは評価されていなかった、と伝えられますが、この企画展でそれがよく解ります。

「ムンク展」は、むしろ「叫び」以外のムンクを改めて知る機会です。素晴らしい作品が数多く展示されています。展示コーナーの番号で表現すると、「叫び」は4番コーナーの展示。それ以後の5番、6番、8番、9番のコーナーは、時間をかけて鑑賞することをお薦めします。

2Fの最後がお土産コーナーです。ここの混雑はひどく、車椅子での立ち寄りは困難で、出口に向かうのにスタッフの誘導が必要でした。会場を出た先も、レジ待ち行列のコーナーになっているので、車椅子での通行に困ったらスタッフに誘導をお願いしてください。

「ムンク展」は素晴らしい企画展です。ただし混雑を覚悟して、車椅子で利用してください。

別稿で「上野 東京都美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」を掲載しています。ぜひご覧ください。

印刷博物館 「天文学と印刷」展 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都文京区「印刷博物館」の特別展「天文学と印刷」に車椅子で行きました。現地のバリアフリー状況を紹介します。

「印刷博物館」は凸版印刷小石川ビルB1にある、印刷の専門博物館です。どの駅からも、800mほどの距離がある立地。有料の地下駐車場があります。

入館料は障害者手帳の提示で、本人と介助者1名が無料に減免されます。B1へのエレベーターは、スタッフと同乗する運用なので、1Fで博物館スタッフに声をかけてください。

印刷博物館全体のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

特別展「天文学と印刷」は、2018年10月20日から2019年1月20日の開催。印刷博物館展示室の約半分を使った特別展示です。展示室内はフラットで車椅子での移動は可能です。

展示ケース内の資料は、ほとんどが車椅子からも見ることができます。横から見ることにはなりますが、なんとか鑑賞できます。

15世紀16世紀の印刷物が多数展示されています。作品保護のため、展示室内の照明は暗く調整。そのため特別な展示をしている雰囲気が漂います。障がいのある方で、暗い場所が苦手な人は注意してください。

展示物としては、天文や医学、動植物学などに関わる、古い書物が中心です。1543年に出版された、コペルニクスの「天球の回転について」などが展示されます。

特別展で紹介されている内容は、科学の発展と印刷技術の関係です。16世紀では科学者と印刷技術者は、同じ研究チームのメンバーでした。

活版印刷の発明は15世紀。その後、ヨーロッパでは中世からルネッサンス期へと進み、科学が発展しました。それは知識を出版物として生産出来る印刷技術があったからこそ。また印刷技術そのものが、先端の科学であった。この科学と印刷の関係を資料で明らかにします。

印刷博物館には、高画質で映像をみる「VRシアター」があります。現在のプログラムは「プランタン=モレトゥス博物館」。16世紀からの印刷所を保存する世界最古の印刷出版博物館を舞台に、科学と出版が結びついた当時のヨーロッパを紹介するプログラムです。これをみると「天文学と印刷」の理解がより深まります。

VRシアターは土日祝日の上映。平日の上映は原則ありません。鑑賞料金は入館料に含まれます。定員は30名で各回入れ替え制の早いもの順。上映前にシアターに行き、並びます。

シアターはフラット構造ですが、客席は階段式。車椅子用の特別な鑑賞スペースはなく、最前列またはその横から車椅子で鑑賞することになります。

暗い上に資料の展示位置が高く、一部車椅子から見にくい展示もありますが、字を読むのではなく、古い書物をイメージとして見るなら十分に車椅子で鑑賞できます。印刷博物館特別展「天文学と印刷」は、車椅子で観覧できます。

東京国立博物館「快慶・定慶のみほとけ」車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都台東区上野公園。東京国立博物館の「快慶・定慶のみほとけ」展に車椅子で行きました。知られざる秘仏を拝む貴重な企画展で、全ての仏像が車椅子目線で見やすい展示です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

トーハク特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」は、2018年10月2日から12月9日の間、平成館2Fでの開催。平成館のエレベーターは、スタッフの案内で利用します。車椅子利用者は1Fでスタッフに声をかけてください。

開催期間中、平成館2Fでは「マルセル・デュシャンと日本美術」が同時開催。そのためチケットの確認は2Fの会場入口で行われます。観覧料金は障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。会場入口で手帳を提示してください。

平成館では特別展のガイド番組が1Fでリピート放映されます。京都の大報恩寺に関する知識が得られるので、先に1Fでのガイド鑑賞をお薦めします。今回は8分の紹介映像をリピート放映。お寺の歴史、展示されている仏像のことがよく分かります。大報恩寺の本堂は鎌倉時代の築で国宝指定。柱には応仁の乱でついた刀傷が残っているそうです。

展示は3つのパートで構成されます。最初のパートは「大報恩寺の歴史と寺宝」。お寺全体の紹介コーナーですが、この最初のパートから早くも魅力ある仏像が多数展示。重要文化財の「二童子立像」は動き出しそうな造形です。車椅子での鑑賞に大きな問題はありません。

次のパートは「聖地の創出」。「薬師如来座像」と快慶の「十大弟子立像」が並びます。ガイドでの事前知識があれば、より深く理解して楽しめる作品群です。様々な角度から仏像を鑑賞できるバリアフリー展示。いずれの展示も、車椅子でしっかり鑑賞できます。

最後のパートは「六観音菩薩像と肥後定慶」。重要文化財の肥後定慶作六体の菩薩像の展示です。陰影を巧みに用いた展示で、光背の影が美しい。会期後半は光背を外した姿を展示します。このパートも車椅子での鑑賞に大きな問題はありません。

「快慶・定慶のみほとけ」は、空間を上手に利用したゆとりのある展示で、車椅子でとても見やすい企画展です。

別稿で「東京国立博物館 平成館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」を掲載しています。ぜひご覧ください。