上野公園の東京都美術館は、企画展や公募展が開催される美術館で、車椅子で利用できる施設です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

東京都美術館のHPには「車でのご来館は事前にご相談ください」というメッセージがあります。利用可能な基準を確認したところ、身障者本人が運転者であること、当日駐車スペースに余裕があることでした。駐車場を利用したい方は、事前に電話で相談を入れてください。

近年開催された有料の展覧会は、障がい者減免制度があり本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。そして企画展示室で開催される展覧会は「障害のある方のための特別鑑賞会」が開催されています。「障害のある方のための特別鑑賞会」の詳細は、別稿「車椅子で行く東京都美術館~障害のある方のための特別鑑賞会」をご参照下さい。

上野公園内から東京都美術館へ向かいます。門扉を抜けるとオブジェの先は下り階段で、東京都美術館のエントランスはB1です。地上とB1フロア前庭をつなぐ屋外型エレベーターがあるので、車椅子で乗り込んでください。地上階とB1階で開閉ドアが反対になる、車椅子で乗降しやすいエレベーターです。B1降口は小さな段差を小さなスロープで迂回する構造。そのままメインエントランスにバリアフリーに行くことができます。
東京都美術館は1975年竣工の建物で、元々は段差が多い構造です。2010年から2年間かけて大改修が行われ、2012年にリニューアルオープンし、バリアフリーに生まれ変わりました。すべての段差構造部にエレベーターが設置されています。バリアフリートイレも、施設内に11箇所用意されています。館内はバリアフリー改修済みです。
もっとも来場者が多いのは「展覧会」が開催される「企画展示室」です。入口はB1フロアの左側で、車椅子で問題なく移動できます。
企画展示室は3フロア構造で、通常はB1→1F→2Fの順で展示室をまわり、B1へ戻り退出します。
上下階移動は、通常ははエスカレーターを利用します。車椅子利用者はエレベーターを利用します。フロア移動のポイントにスタッフがいて、車椅子でのルートを案内していただけるので、初めてでも迷うことはありません。エレベーターは自分で操作します。
改装前の2010年までは、現存する巨大な業務用エレベーターで上下階移動をしました。現在のエレベーターは、増設されたものです。
他に公募展示室が4室、ギャラリーが3室あり、すべてバリアフリーな展示室です。ミュージアムショップもスペースが広く車椅子で立ち寄りやすいお店です。
展覧会、展示会の利用だけだと、立ち寄らないことが多いのが1Fと2Fです。1Fには、カフェ、レストラン、そして時々ミニ企画展が開催されるアートラウンジがあります。1Fなので正面入口の地上フロアからそのままアクセスできます。またはB1からエレベーターを利用します。2Fはレストラン他があり、エレベーターで移動します。利用者が少ない1Fと2Fですが、両フロアともバリアフリーです。
大改修でエレベーターとバリアフリートイレを増設し、小さな段差箇所はすべてスロープ化し、企画棟は一部建て直しました。改修以前はB1入口に車椅子で行くには業務用の通路を通り、不思議な扉を開け、関係者用のエレベーターを使うというルートでした。上野の東京都美術館は車椅子で観覧できるバリアフリーな施設です。
(本稿は2022年8月に加筆しました)