吉田茂邸は車椅子可 大磯城山公園 バリアフリー情報

神奈川県大磯町の「神奈川県立大磯城山公園」は、「旧吉田茂邸地区」と「旧三井別邸地区」があり、また「大磯町郷土資料館」があります。

車椅子での利用は簡単ではありません。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を詳しく紹介します。
なお本稿は2017年6月の取材に基づいています。

 

○大磯城山公園のバリアフリー概況

海沿いの「旧吉田茂邸地区」は、再建された旧吉田茂邸の周囲は車椅子で利用できます。ただし「七賢堂」や「心字池」方面は、車椅子では無理なルートです。

山側の「旧三井別邸地区」第一駐車場からのバリアフリールートは、物凄い急坂の連続で、一般的な車椅子利用者の登坂は困難です。

「旧三井別邸地区」の高台に建つ「大磯町郷土資料館」は、第二駐車場からのアクセスルートが悪路です。それを通過出来れば館内はフラットです。

各エリア、施設の状況を紹介します。

 

「旧吉田茂邸地区」

○駐車場とその周辺の状況

大型バスが駐車可能な駐車場があります。障害者用駐車区画は、バススペースの隣に1台分あります。

駐車場からスロープルートが整備され、やや傾斜はありますが車椅子での通行は可能です。

そのまま「バラ園」の横を通り、敷地内へ進みます。

入口近くの「管理休憩棟」に、障害者用トイレがあります。

駐車場は週末有料になりますが障害者減免制度があります。「管理休憩棟」で障害者手帳と駐車券を提出すると駐車料金が無料に減免されます。

園内に新しく整備された歩道はバリアフリー仕様ですが、「兜門」周辺の路面は石畳でデコボがあります。ただし慎重に進めば車椅子でも通行できないことはありません。

「兜門」周辺の路面

○「旧吉田茂邸」のバリアフリー状況

2009年に原因不明の火災で焼失し、2017年4月に再建された「旧吉田茂邸」内の見学は有料です。障害者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。

「旧吉田茂邸」の正面入口は階段です。裏に回ると車椅子で利用できる入口があります。

旧吉田茂邸

「管理休憩棟」から「菜園広場」方面へ、園内通路を進みます。その先が迂回スロープになり、「旧吉田茂邸」の裏側に続きます。

そこにバリアフリー出入口があり「車椅子の方はお知らせください」と掲示があるインターフォンがあります。この後はスタッフの誘導に従ってください。

旧吉田茂邸

館内にはエレベーターがあります。

旧吉田茂邸

○庭園内のバリアフリー状況

庭園の入園は無料。車椅子で散策できる範囲は庭園の約半分です。

「菜園広場」の先を真っすぐに進むと、西湘バイパスの隣、相模湾岸沿いに出ます。

旧吉田茂邸

ここに一か所、5mほどの短い急坂があります。車椅子では力が必用な坂です。そしてその先の「吉田茂銅像」までが車椅子での利用可能範囲です。

「七賢堂」や「心字池」方面へは、段差があり車椅子では行けません。

「七賢堂」や「心字池」方面

「旧三井別邸地区」

○超難関のバリアフリーコース

1990年に全面開園した、大磯の高台を利用した入園無料の公園です。

その名の通り、明治期から三井家の別荘として整備された場所です。

正式なパンフレットに「バリアフリーで回れるコース」が記されていますが、決定的な段差が無い急坂で、現実的には車椅子での登坂は無理です。

 

○第一駐車場から管理事務所まで

来園者は「第一駐車場」を利用します。平日は無料ですが、土日祝は有料です。障害者減免制度があり、障害者手帳と駐車券を管理事務所に提示すると、駐車料金が無料に減免されます。

第一駐車場からバリアフリールートを探しても、急坂しか見えませんが、その坂がバリアフリールートの始まりです。

急坂に加え、路面は舗装路ながらデコボコがあります。また定間隔で溝があり車椅子の進行を妨げます。ただし溝は右端か左端がセメントで埋められ、幅70㎝ほどは溝による段差が解消されています。

駐車場から管理事務所まで距離は50m程度ですが、ここまでたどり着けない車椅子利用者も多いと思われる急坂です。

旧三井別邸

○展望台まで続く急坂ルート

管理事務所の横が「南門」。ここからが「旧三井別邸」の内部です。

ここから最奥部にある「ひかりの広場」に向かい、スイッチバックして「北蔵ギャラリー」の横を通過し、最高地点「展望台」を目指します。

この間のルートは、急坂で路面には軽度のゴツゴツがあり、そして5mおきに溝が連続します。

展望台付近にある公衆トイレには、障害者用トイレがあります。

展望台からは雄大な相模湾と真鶴半島、条件がよければ伊豆半島、伊豆諸島までを眺望します。三井家はこの地を接待所として活用していました。

展望台まで続く急坂ルート

帰りも同じ道を戻ります。

 

○北門横の障害者駐車区画

「旧三井別邸」には、東西南北四つの門があります。

ここまでご紹介したのはメインルートである「南門」ルートです。

車椅子利用の場合「西門」または「北門」から入ると、範囲は狭く「不動池」の周辺だけですが、段差なく且つアップダウンなく、車椅子で散策ができます。

その場合は「北門」横に1台分だけ無料で利用できる障害者用駐車区画があります。

 

「大磯町郷土資料館」

○資料館の概要

入館無料の町営資料館です。

2016年に展示内容をリニューアル。明治以後、別荘地として発展した大磯の紹介が加わりました。

一般的な町の郷土資料館と同じく、出土した土器などの展示から始まります。

近現代の大磯の紹介コーナーでは、大磯海水浴場が医師松本順の呼びかけで、明治18年に開設されたことや、その当時を写した絵が展示されています。

また著名人30人の大磯別荘マップの展示があります。

 

○アクセスの状況

利用する駐車場は「県立大磯城山公園第二駐車場」です。分かり難く狭い道を進みます。無料駐車場で、1台分障害者用駐車区画があります。

駐車場から資料館までの区間は、ほとんどが荒れた未舗装路面で、車椅子では慎重に進む必用があります。

むしろ荒れた未舗装路通路よりも「ふれあい広場」という芝生広場の中を通行したほうが楽かもしれません。当日の路面の状況で判断してください。

このあたりは三井家別荘の茶室の跡地です。

大磯町郷土資料館

○館内のバリアフリー状況

「大磯町郷土資料館」は1988年の開館です。

建物はクラシックですが、館内はワンフロアのフラット構造で車椅子での見学に大きな問題はりません。

館内に障害者用トイレがあります。今回取材時の状況では、設備はかなり古いものでした。

資料館の正面には三井家別荘の「欄間」が展示されます。

また吉田茂はもちろん、伊藤博文、松本順、島崎藤村、大隈重信・・・、と大磯別荘族が紹介されています。

大磯町郷土資料館

再建された旧吉田茂邸とその周囲はバリアフリーです。大磯城山公園は、車椅子での利用が難しい箇所がある公園です。

乗鞍高原バリアフリー情報 車椅子で楽しむ観光ガイド

大自然を楽しむ観光地、長野県松本市の乗鞍高原。バリアフリーな観光スポットは限られますが、「一の瀬園地」の一部と「乗鞍自然保護センター」は車椅子で利用できます。現地の状況を詳しく紹介します。

なお本稿は2017年5月の取材に基づいて初稿を執筆し、2019年10月に一部加筆しました。

乗鞍高原

○乗鞍高原の概要

乗鞍岳は標高3,000m超の日本で3番目に高い火山です。

もともとの地盤が隆起した地質が2,300m、そこに火山噴火による堆積物が700m乗って3,000m超。乗鞍岳は比率でいえば火山よりも隆起のほうが大きい山ですが、乗鞍高原は火山活動の痕跡で、溶岩の噴出でできた溶岩台地です。

古くから山岳信仰の対象であった乗鞍岳。遅くとも江戸時代には、乗鞍高原で人々の生活がありました。

その後は温泉開発、スキー場開発などによる環境破壊が進み、現在では乗鞍スカイラインはマイカーの乗り入れ禁止です。車椅子利用者にとっては、足を踏みいれるのが大変な環境保護エリアです。

乗鞍高原までがマイカー乗り入れ可能区域で、松本ICから1時間ほどです。ここまでなら車で簡単に行くことができます。

乗鞍高原の概要

○車椅子観光のガイドライン

乗鞍高原内は、一般車両が通行できる車道があり、また各所にハイキングの起点になる駐車場があります。

ただしほとんどのハイキングコースは、車椅子での通行は無理なデコボコルートです。駐車場からまわりを見渡す程度しか出来ません。唯一「一の瀬園地」は、舗装路と木道が整備されています。

観光施設としては「乗鞍高原観光センター」があり、山頂へのシャトルバスの発着地で、食堂やトイレがあります。そのすぐ近くに乗鞍の自然を紹介する「乗鞍自然保護センター」があります。

乗鞍高原観光センター

車椅子で無理なく出来る乗鞍高原観光コースは、車でアクセスして「乗鞍高原観光センター」で休憩をとる。「乗鞍自然保護センター」で乗鞍の自然を学ぶ。そして「一の瀬園地」内を無理のない範囲で散策する。以上のコースをお薦めします。

車椅子観光のガイドライン

○乗鞍自然保護センターのバリアフリー状況

乗鞍高原の中心部にある長野県立の施設です。広い無料駐車場には障害者用駐車区画があります。

建物エントランスはスロープ対応で、設備は古いながらも障害者用トイレがあります。

入館無料の施設です。冬季は閉館。4月から11月が開館期間です。

乗鞍自然保護センターのバリアフリー状況

館内の展示は特別天然記念物ライチョウから始まります。ライチョウの生態をパネル展示。高山帯に住む孤高の鳥。絶滅危惧種です。

乗鞍自然保護センターのバリアフリー状況

乗鞍には推定で100羽ほどが生息しているということ。生息域には車椅子では絶対にいけません。

乗鞍高原は数種のコウモリの生息域。そのなかでも「クビワコウモリ」が希少種。集団繁殖しているのは、乗鞍高原だけということです。

そこで繁殖用のコウモリ小屋「バットハウス」が、センターの横に建てられました。高層丸太小屋のような建物です。繁殖させて生態の調査、種の保護を行っています。見学は外観を見るだけです。

 

○一の瀬園地のバリアフリー状況

頑張ると車椅子でミズバショウが鑑賞できる、乗鞍高原の真ん中ある湿原域です。

「ネイチャープラザ一の瀬」を目指します。その前にある広い無料駐車場を利用します。

「ネイチャープラザ一の瀬」横の公衆トイレに、障害者用トイレがあります。

一の瀬園地のバリアフリー状況

未舗装駐車場でデコボコな路面です。駐車場から30mほど頑張って移動すると、舗装歩道が始まります。

1.6kmほどある歩道で、300mほど進むと、歩道の脇の水の流れの淵に、最初のミズバショウ群生があります。

遊歩道はキャンプ場まで続きますが、アップダウンはかなりきつい舗装ルートです。無理のない範囲での散策をお薦めします。

遊歩道はキャンプ場まで

ガイドブックに紹介される大きなミズバショウの群生地は、舗装歩道の終点地キャンプ場の更に1.5km先にあります。そこまでは車椅子では行けません。

「一の瀬木道」は、「ネイチャープラザ一の瀬」駐車場から南方面に1.5kmほど進んだ「まいめの池」駐車場が起点になります。木道の傷みが激しいため、2019年から2021年(予定)の間、木道はリニューアル工事のため通行止めになります。

一の瀬木道

乗鞍高原は「一の瀬園地」の一部と「乗鞍自然保護センター」は、車椅子で観光ができます。

入館無料 大森海苔のふるさと館 バリアフリー情報

東京都大田区の「大森海苔のふるさと館」は、大森の海の歴史を学ぶ入館無料の資料館です。車椅子で見学ができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2017年5月の取材に基づいています。

 

○大森ふるさとの浜辺公園にあるバリアフリー資料館

人口の浜辺を再現した「大森ふるさとの浜辺公園」に建つ入館無料の資料館です。

2008年に開館。3階構造で小さいながらもバリアフリー施設です。

館内はフラットな構造で、エレベーターがあります。

障害者用トイレは1Fに用意されます。

1Fと2Fが展示室。3Fは休憩コーナーと展望テラスになっています。

大森海苔のふるさと館

○大森は日本の海苔の故郷

故郷大森の海苔の歴史を知るのではなく、海苔の故郷が大森であることを知る資料館です。

大森が日本の海苔発祥の地。1700年代の前半、江戸時代享保年間の頃、大森界隈で海苔の養殖技術が開発され、それが江戸末期に日本全国に伝わり、明治になって各地で海苔の生産が始まったそうです。

海苔のふるさとは大森です。

大森海苔のふるさと館

○小規模ながら充実の展示

小規模な施設ですが、1Fと2Fの展示コーナーは、しっかり見ると30分以上かかる内容です。

1000点以上の海苔関係の資料があり、内881点が国の重要有形民俗文化財に指定されているということ。

船、養殖道具、作業道具、作業着など、往時の資料が丁寧な解説とともに、展示されています。

大森の海の変遷を知る航空写真が貴重。全盛期の大森海苔養殖場は、ほぼ現在の羽田空港全域です。羽田空港全てが、海苔の漁場でした。

大森の海苔生産の歴史は、1962年に終わりました。

大森ふるさとの浜辺公園

○アクセスは車、障害者駐車スペースの利用は要事前連絡

最寄りの駅からは徒歩15分以上かかるので、アクセスは車が便利です。

「大森ふるさとの浜辺公園」の駐車場を利用します。この駐車場の駐車料金は、障害者減免制度はありません。

「大森ふるさとの浜辺公園」の駐車場には、障害者用駐車区画が若干数用意されています。

それとは別に、駐車場内からそのまま車で向かう「海苔のふるさと館」横の専用障害者用駐車スペースがあります。

ここにはポールが立ち、通常は駐車できないようになっているので、利用したい場合は「海苔のふるさと館」へ事前連絡を入れて下さい。

ここに駐車しても、「大森ふるさとの浜辺公園」の駐車場出庫ゲートで、駐車料金は同じくかかります。

 

○お土産はオリジナル焼き海苔

大森は現在でも海苔屋さんが数多く営業している町です。

1Fの総合案内で「大森海苔のふるさと館」ブランドのオリジナル焼き海苔が販売されています。

江戸から昭和にかけての海苔養殖の歴史資料館です。内容は大人向けのオンリーワン資料館です。「大森海苔のふるさと館」は、車椅子で見学できます。