車椅子で訪ねる桐生 観光スポットのバリアフリー情報

群馬県桐生は、古い建物が残る織物の街です。車椅子からみた市街地の主な観光スポットのバリアフリー状況を紹介します。

有鄰館はバリアフリー

織物産業で栄えた桐生の歴史を伝える、古い建物が残る本町1・2丁目と天神町の一部は、2012年に国の「桐生市桐生新町重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。

有鄰館はバリアフリー

「桐生市有鄰館」

その観光ポイントが「桐生市有鄰館」です。無料駐車場とバリアフリートイレがあり、建物内は車椅子で見学が出来ます。

有鄰館はバリアフリー

身障者用駐車区画は一般駐車場とは離れた場所、本町通りから有鄰館敷地内に入って右側に1台分あります。その区画の隣がバリアフリートイレがあるトイレ棟です。バリアフリートイレにユニバーサルベッドはありません。赤ちゃん用のシートはあります。

隣接する「桐生市歴史文化資料館」の無料駐車場にも身障者用駐車区画があり、有鄰館観光にも利用できます。

桐生市歴史文化資料館」の無料駐車場にも障害者用駐車区画があり

「桐生市有鄰館」は古い倉庫群を一般開放している施設です。米蔵、酒蔵などの内部を車椅子で見学することが出来ます。

桐生市有鄰館」は古い倉庫群を一般開放している施設

桐生市有鄰館」は古い倉庫群を一般開放している施設

「桐生市歴史文化資料館」は小さな資料館ですが、車椅子での見学は可能です。資料館にはトイレはありません。

桐生市歴史文化資料館」は小さな資料館ですが

桐生市歴史文化資料館」は小さな資料館

隣接する「矢野本店」の看板がかかる古い商店は「喫茶有鄰」が入る土産店です。店内はフラットな部分が多く、売り場は車椅子で利用できます。

矢野本店」の看板がかかる古い商店

「矢野本店」から道を挟む「三越」は、越後屋時代からこの地にある店舗です。「桐生市有鄰館」を拠点に、段差の無い舗装路だけを通り、伝統的建造物群保存地区を車椅子で散策できます。

伝統的建造物群保存地区を車椅子で散策

「絹撚記念館」

桐生市近代化遺産の「絹撚記念館」は、2フロア構造で1Fは車椅子で見学できます。

絹撚記念館

建物は「旧模範工場桐生撚糸合資会社事務所棟」で有料施設です。

絹撚記念館

無料駐車場があります。建物の正面入口は階段ですが、駐車場からスロープがあり、裏口から入館することが出来ます。スロープにあるインターフォンで館内スタッフに連絡をして、裏口を開錠していただきます。

絹撚記念館

1Fの展示室内は段差解消スロープがあり、車椅子で見学できます。2F展示室へは階段のみです。主要な展示は1Fにあるので、1Fだけでも見学する価値はあります。

絹撚記念館

絹撚記念館

トイレは1Fにありますが、一般用だけでバリアフリートイレはありません。

絹撚記念館

「桐生織物記念館」

「桐生織物記念館」は、昭和9年に建てられた「桐生織物同業組合」の事務所棟で、国の登録有形文化財に指定されている建物です。

桐生織物記念館

前庭部が無料駐車場です。エントランスは正面が階段、両横からはスロープ。スロープ路の上部は両横とも建物の劣化による「頭上注意」という案内があり、通行しないように簡易な柵が置かれています。頭上を注意しながら車椅子で通行してください。

桐生織物記念館

その先、エントランスに2か所段差があり、段差解消簡易スロープが置かれていますが、車椅子では苦戦する段差です。

エントランスに2か所段差があり、段差解消簡易スロープ

入館は無料。1Fが「桐生織物販売場」で2Fが「織物資料展示室」です。2Fへは階段のみです。

桐生織物販売場

1Fの売場は左右2か所に分かれています。どちらも出入口はドアノブを回す手動ドアです。

桐生織物販売場

1F売場内はフラットで通路幅もあり、車椅子での利用は可能です。

桐生織物販売場

1Fにトイレがありますが、バリアフリートイレはありません。

桐生織物販売場

「大川美術館」

素晴らしいコレクションが魅力の「大川美術館」は、郊外の水道山傾斜地に建ちます。

駐車場は水道山公園の無料駐車場を利用します。駐車場には身障者用駐車区画はありません。駐車場から美術館までは舗装された傾斜路を通ります。

素晴らしいコレクションが魅力の大川美術館

エントランスは美術館の最上階になります。

エントランスは美術館の最上階

大川美術館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で手帳を提示して減免措置を受けます。

大川美術館は車椅子不可

車椅子で移動できるのは、受付のある最上階のフロアだけです。その先はすべて階段を利用しての移動になります。足が悪く、階段の利用が辛い方も、利用が難しい美術館です。トイレは途中階に1カ所ありますが、バリアフリートイレはありません。

「桐生市有鄰館」及びその周辺の「桐生新町重要伝統的建造物群保存地区」は、車椅子で観光できます。

桐生市にある「道の駅くろほね・やまびこ」の情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年8月の取材に基づいています)

北茨城 岡倉天心五浦六角堂 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

岡倉天心が後半生を生きた、茨城県北茨城市の「五浦六角堂」は、車椅子での見学は大変苦労します。現地の状況を紹介します。

北茨城~観光施設のバリアフリー情報

五浦の六角堂は、現在は茨城大学の管理施設で、正式名称は「茨城大学五浦美術文化研究所」です。東日本震災の津波で六角堂は流出しましたが、その後完全復元されています。

有料の施設ですが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入場料が無料に減免になります。ただし施設は坂と段差がある構造です。車椅子での見学には限界があります。

アクセスは車が便利です。六角堂施設入口から100mほど先に無料駐車場、施設専用駐車場と県立駐車場があります。どちらも砂利面の未舗装で傾斜がある車椅子では苦戦する駐車場です。

駐車場から歩道のない舗装車道を通り施設入口に到着します。入口は登録有形文化財の「長屋門」。百年前の面影を今に伝える立派な門です。段差がある門ですが、一部簡易スロープがあるので、車椅子では慎重に通行します。

この門が入場受付です。障害者手帳等をここで提示して、入場料金の減免手続きをします。

段差のある門を通過すると、舗装された直進路があります。左にある「天心記念館」は出入口が段差で車椅子は入館できません。その先に「ウォーナー像」があります。

ここから先が階段路またはスロープ化された急坂路です。スロープはおそらく車椅子のために後付された路だと思われますが、激しい下り急坂スロープです。車椅子は慎重に進んでください。

急坂の下、その先が六角堂です。六角堂はさらに階段の下にあるので車椅子ではたどり着けません。階段の上から六角堂の屋根の一部を眺める、車椅子ではここまでが限界です。

オリジナルの六角堂は東日本大震災の津波で流出しました。現在の六角堂は再建されたものです。

岡倉天心五浦六角堂

施設低地部に住居であった「天心邸」と「亜細亜ハーなり」石碑があります。この2つは車椅子で見学が可能です。

北茨城~観光施設のバリアフリー情報

現地の解説では震災の津波は「天心邸」の軒下まで到達したそうです。2施設とも流出せずにすみました。

北茨城~観光施設のバリアフリー情報

健常者はこの先階段路で出口に向かいます。車椅子利用者は、来た道の急坂を逆に上ります。

今回訪問した日は、台風の影響で波が荒い日。大波が五浦の岩にくだけます。東京を捨て「アジアは一つ」の理想に燃えた天心が選んだ永住の地。怖いほどの自然との対峙が彼の後半生の思想と合致したのでしょうか。

北茨城~観光施設のバリアフリー情報

「五浦六角堂」の車椅子見学は大変です。車椅子で訪れる場合は、複数の介助者との同行をお薦めします。

北茨城市の「天心記念五浦美術館」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2017年9月の取材に基づいています)

甲府市藤村記念館・歴史公園山手御門 車椅子バリアフリー情報

山梨県甲府市。2007年から2010年にかけて甲府駅北口は大きく生まれ変わりました。観光スポットとして整備された無料公開されている施設「藤村記念館」と「山手御門」を紹介します。どちらも車椅子で観光できます。

○「藤村記念館」のバリアフリー状況

「藤村記念館」は1875年に建てられた学校の校舎で、2010年この地に移設されました。「藤村」は当時の県令の名前。西洋建築を推奨した人物です。

ガイドスタッフの説明によると、これらの「擬洋風建築」は、当時の大工が東京に誕生した洋風建築を見て、それを真似て建てたとういうことです。

記念館は入館無料。正面入口は段差あり。建物裏側にスロープがあるので車椅子で建物を半周してください。スロープ入口にインターフォンがあり、スタッフに車椅子利用を申告すると、ドアを開けていただけます。

「藤村記念館」は2フロア構造。2Fへは靴を脱いで階段で上るので、車椅子では1Fの見学のみです。明治の建物なので完全バリアフリーではありませんが、1F内は全域車椅子で移動できます。関連資料の展示もあります。

藤村記念館

○歴史公園山手御門のバリアフリー状況

2007年に整備された「甲府市歴史公園」の「山手御門」は、甲府城の御門の再現施設です。バリアフリー設計で、スロープ路を通り車椅子で見学ができます。展示室もあります。

歴史公園山手御門

○駅前駐車場は30分無料

駅前ですが公営駐車場が整備されています。もっとも駅に近い「第二駐車場」は30分無料。駐車料金の障がい者減免制度はありません。フラッグ跳ね上げ式の有料駐車場ですが、1台分身障者用駐車区画が用意されています。少し遠い駐車場は、1時間無料の設定です。

観光スポットになった甲府駅北口は、車椅子で観光できます。

甲府駅南口の「舞鶴城公園」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年1月の取材に基づいています)