横浜 野島公園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

神奈川県横浜市金沢区の野島公園は、横浜市で唯一の自然海岸線が残る公園で、旧伊藤博文金沢別邸は無料開放されています。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2019年10月の取材に基づいています。

横浜市で唯一の自然海岸線が残る公園

○アクセスの状況

対岸には八景島シーパラダイスがある、海沿いの公園です。入園は無料、横浜市が管理しています。

シーサイドライン「野島公園」駅から徒歩5分の案内です。

駐車場は第一と第二の2か所があり、駐車料金の障害者減免制度があります。公園管理事務所に行き手続きをすると駐車料金が無料に減免されます。管理事務所の営業時間外、あるいは事務所にスタッフが不在な場合は、駐車場精算機横の電話をかけて管理センターの指示に従ってください。現時点ではカメラはないので、電話の声による指示になります。

野島公園

○公園散策路のバリアフリー状況

駐車場を起点にする海岸沿いの散策路はほぼフラットな舗装路で、車椅子で通行できます。

公園散策路のバリアフリー状況

自然海岸線が残る「野島海岸」へは舗装されたスロープがあり、浜の手前までは車椅子で行くことができます。海岸は砂浜です。

公園散策路のバリアフリー状況

公園中央部の高台は展望台です。そこに上るルートは急坂で、車椅子では苦戦します。

高台部の下部には、戦時中に戦闘機を隠す目的で掘られた「掩体壕」が現存し、海岸沿いの散策路から車椅子で見学できます。

公園散策路のバリアフリー状況

「掩体壕」の先へ進むと有料予約制のバーベキュー場があります。車椅子での利用は可能な構造の施設です。

公園散策路のバリアフリー状況

○障害者用トイレの状況

公園内3カ所の公衆トイレに障害者用トイレが用意されています。

障害者用トイレの状況

今回取材時の状況では、設備はユニバーサルベッドがあり、清掃は行き届いていました。しかしトイレットペーパーはありません。破損や盗難の被害が多く撤去した、と掲示されています。

障害者用トイレの状況

○旧伊藤博文金沢別邸のバリアフリー状況

園内にある施設で、明治の建築物を2009年に再建した施設です。その当時まで残っていた箇所は改修して復元、無くなっていた箇所は新築して復元されました。入場は無料です。

旧伊藤博文金沢別邸のバリアフリー状況

庭園部と建物内が公開されています。庭園部の散策路はフラットな舗装路で、車椅子での利用は可能です。

旧伊藤博文金沢別邸のバリアフリー状況

旧伊藤博文金沢別邸のバリアフリー状況

旧伊藤博文金沢別邸のバリアフリー状況

建物内は靴を脱いで階段の玄関を上がります。館内にも段差箇所があります。

館内の新築復元部に、障害者用トイレがあります。

旧伊藤博文金沢別邸のバリアフリー状況

野島公園はアップダウンがある箇所や未舗装の箇所を避けて、フラットな舗装路を選べば車椅子で散策できます。旧伊藤博文金沢別邸は、庭園部は車椅子で散策できます。

葛飾柴又寅さん記念館・山田洋次ミュージアム・山本亭 バリアフリー情報

東京都葛飾区柴又にある3つの観光施設は、車椅子で利用できます。アクセス方法と施設毎のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2017年5月の取材に基づいています。

柴又駅からは徒歩8分

○高低差がある3施設

寅さん記念館・山田洋次ミュージアム・山本亭は、江戸川沿いに隣接して並ぶ観光施設です。しかし高低差があり、階段があるルートもあります。車椅子ではスロープ路とエレベーターを利用して移動します。

柴又駅からは徒歩8分の案内です。駅方面から地上路を進むと、そのまま低地にある「寅さん記念館」と「山本亭」へアクセスできます。

「山田洋次ミュージアム」は地上からエレベーターで高地に上がった高さにあります。

「山田洋次ミュージアム」から陸橋を渡ると、「寅さん記念館」の上の公園に行けます。

この高地から江戸川の堤防につながります。堤防から江戸川河川敷へは、スロープ路があります。

柴又公園駐車広場

○柴又公園駐車広場からのアクセス

車利用の場合、駐車場は江戸川河川敷にある「柴又公園駐車広場」の利用が便利です。駐車料金は障害者手帳の提示で無料に減免されます。

河川敷の未舗装駐車場ですが、障害者駐車区画は用意されています。フラットに近い路面ですが、土なので車椅子では雨上がりの利用は避けた方が無難です。

堤防の上まで、緩やかなスロープが用意されています。そこから山田洋次ミュージアムに繋がる陸橋に車椅子で移動できます。

堤防の上からさらにスロープ上ると、寅さん記念館の上の公園に車椅子で行くことが出来ます。帝釈天、江戸川、矢切の渡しなどが眺望できる公園です。

高台の陸橋を渡ると「山田洋次ミュージアム」

○障害者減免制度と車椅子での見学順路

堤防から高台の陸橋を渡ると「山田洋次ミュージアム」に着きます。

「葛飾柴又寅さん記念館」と「山田洋次ミュージアム」の入館券は、低地にあるチケット売場で扱っています。したがって「柴又公園駐車広場」からアクセスした場合、最初にあるのは高地の「山田洋次ミュージアム」ですが、エレベーターで低地に下りて、先にチケット売場に行く必要があります。

3つの観光施設はいずれも障害者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の利用料金が無料に減免されます。

葛飾区の施設は、障害者の氏名などを記録する運用ルールです。そのため減免手続きに少し時間がかかります。

低地にある「山本亭」のチケット売場は、「山本亭」内です。

「山本亭」方面から寅さん記念館の上の公園へ行くルートは階段です。

寅さん記念館のバリアフリー状況

○寅さん記念館のバリアフリー状況

1997年に開館して、2015年にリニューアルされました。

寅さんの少年時代をテーマにしたジオラマ、昭和30年代の帝釈天門前町のミニチュアなどとても精巧で、ファンならずとも楽しめるクオリティーです。

明治時代にあった、人が押して動く「帝釈人車鉄道」は面白い。寅さん映画そのものにはそれほど愛着が無い人でも楽しめます。

もちろん記念館はバリアフリーで、障害者用トイレがあります。

寅さん記念館のバリアフリー状況

○山田洋次ミュージアムのバリアフリー状況

とても小さな施設です。ワンルームで入口からすべてが見える大きさです。車椅子で移動出来るスペースはあります。

一般的な人なら10分コースのミュージアムです。トイレはありません。

山田洋次ミュージアムへ上るエレベーターは、レンタルサイクル施設への動線でもあります。そのため自転車が入る大型エレベーターが用意されています。大型の車椅子でも利用に問題はありません。

 

○山本亭のバリアフリー状況

江戸川沿いにある大正時代から使用された大邸宅です。大正末期から昭和初期にかけて増改築を重ねて造られた、当時の富裕層の志向を象徴している建築ということ。現在は葛飾区の施設です。

山本亭のバリアフリー状況

和洋折衷様式の「長屋門」から敷地内に入ります。庭園内を回りながら、邸宅玄関を目指すアプローチです。

通路は小さなデコボコがありますが、気を付けて進めば車椅子での通行は可能です。一部狭い箇所もあるので、他の通行人に注意しながら進みます。

アプローチから置物、飾り物、防空壕、井戸などが見学できます。このアプローチは無料エリアで、受付は邸宅入口になります。

山本亭のバリアフリー状況

玄関入口は階段です。横にラフなスロープがあります。

スロープを上った先はトイレの前で、障害者用トイレもあります。

この先邸宅内は土足禁止。雑巾が用意されているので、トイレ前のスペースで車椅子を拭きます。このスペースにはトイレ用のスリッパが数足置かれているので、誰かにスリッパを片付けてもらい、車椅子で乗り込む必要があります。

邸宅内に入ると、廊下があり畳座敷が続きます。畳の上は車椅子での立ち入りは不可です。

座敷に座ることが出来る人は、有料でお茶やお菓子をいただけます。

座敷に座れなくても、車椅子で廊下から庭園を楽しむことが出来ます。山本亭のハイライトは、室内からみる書院庭園。270坪の素晴らしいお庭です。

山本亭のバリアフリー状況

「山本亭」は、知名度はあまり高くありませんが、お薦め出来る施設です。

柴又にある3つの観光施設は、車椅子で利用できます。エレベーターとスロープを上手に使うのが、車椅子観光のポイントです。

無料公開施設 小平ふるさと村 バリアフリー情報

東京都小平市の「小平ふるさと村」は、江戸時代の農家など、小平の開拓の歴史を展示する施設です。バリアフリーな施設ではありませんが、車椅子で見学ができるゾーンもあります。現地の状況を紹介します。

なお本稿は2019年9月に執筆しました。

 

○施設の全体概要

江戸時代の初期、玉川上水の開通にともない、小平は新田として開発されました。

「小平ふるさと村」は、江戸初期から中期の小平を再現した「開拓ゾーン」、江戸中期から後期の「農家ゾーン」、明治以後の「近代ゾーン」の3つで構成される屋外型施設です。

その当時の風景を再現し、古民家などを移築して、1992年に開村しました。

施設内はほとんどが未舗装路面で、古い建物内は段差構造です。

小平ふるさと村

○アクセス方法

西武新宿線の花小金井駅と小平駅の中間にあり、どちらの駅からも徒歩20分という案内です。小平グリーンロードと呼ばれる、西東京市から多摩湖までを繋ぐサイクリングロードに面した立地です。

一般利用者用の駐車場はありません。予約制の身体障害者専用駐車場があります。場所は解りづらいところです。旧青梅街道から、小平ふるさと村の西脇に抜ける間道に入り、小平グリーンロードを横切って進んだ先の右手にあります。初めての利用の際には、予約時に場所を確認されることをお薦めします。

予約制の身体障害者専用駐車場

○入口周辺のバリアフリー状況

村の入口は小平グリーンロードに面しています。入口付近の路面は未舗装路面でデコボコです。

入口付近の路面は未舗装路面でデコボコ

入口付近が「近代ゾーン」です。

入口正面にあるのが「旧小平小川郵便局舎」。明治後期の1908年築。昭和の終盤1983年まで現役だったということ。小平市小川町一丁目に存在していたそうです。

郵便舎の内部は段差構造です。車椅子では外から見学します。

旧小平小川郵便局舎

○管理棟は車椅子可

正面入口のすぐ右側に「管理棟」があります。ここは車椅子で内部に入ることができます。

小さな施設ですが、お土産コーナーになっています。何も買わなくても許される雰囲気です。

管理棟は車椅子可

○農家ゾーンのバリアフリー状況

管理棟の先に未舗装の広場があり、竹馬、コマ回しなどで遊べるようになっています。

この広場のメイン展示は「旧神山家住宅主屋」。この古民家は江戸中期に造られ、江戸後期にリニューアルされたものだそうです。

江戸中期から後期の武蔵野新田農家の在り様を伝える古民家です。土間やカマドが現存され、カマドは最近も使用されている気配があります。

屋内は段差構造で、車椅子では無理のない範囲での見学になります。

この古民家の北側に小川が造られ、江戸時代の水車小屋が移築されています。

デコボコした路面ですが、車椅子でも、なんとか小川に架かる橋まではたどり着けます。そこから水車が見学できます。

農家ゾーンのバリアフリー状況

○開拓ゾーンのバリアフリー状況

水車小屋が見学できる橋までが、一般的な車椅子利用者の限界です。

そこから先の開拓ゾーンは、路面のデコボコが激しくなり、車椅子での移動が困難です。

開拓ゾーンには「開拓当初の復元住宅」と「旧小川家住宅玄関棟」があります。

開拓ゾーンを抜けた先には「かたの木公園」があります。悪路を走破出来る人であれば、「かたの木公園」から「近代ゾーン」へと、施設を一周することができます。

入口周辺のバリアフリー状況

「小平ふるさと村」には身体障害者専用駐車場があります。多少のデコボコ路でも通行できる一般的な車椅子利用者なら、「近代ゾーン」と「農家ゾーン」は無理のない範囲で見学することが出来ます。