北海道庁赤れんが庁舎を閉館してバリアフリー改修を実施

札幌の観光名所である「北海道庁赤れんが庁舎」が、2019年9月末に閉館し、大規模リニューアル工事を実施します。

北海道庁が定めたコンセプトの一つは「あらゆる人が楽しめる場」にすること。重要文化財としての価値を損なわない範囲でのバリアフリー化が行われます。

 

現時点で公表されている「基本方針」からバリアフリー化の概要を紹介します。

 

庁舎はB1から2Fまで3フロア構造。そして屋上部に八角棟とバルコニーがあります。

1Fエントランスの階段には昇降機を設置。そして館内にエレベーターを新設しB1から2Fをつなぎます。

屋上バルコニーを開放して眺望を楽しめるスペースにする計画ですが、屋上部へのエレベーター設置計画はありません。

また前庭部の再整備も計画されています。

バリアフリー化の詳細については、まだこれから検討が加えられる模様です。

 

総工費は78億円。2022年春の完成を目指しています。

北海道庁赤れんが庁舎

≪生きるちから舎バリアフリーニュース 2019年7月9日付≫

上野公園 車椅子で江戸歴史探訪 寛永寺バリアフリー情報

現在は東京都台東区。

上野の東叡山寛永寺は、17世紀前半に天海大僧正によって創建され、最盛期には現在の上野公園全域をはるかに超える寺領をもつ大寺院でした。

車椅子で上野公園を巡りながら江戸時代を想う。実は歴史探訪が楽しい上野公園です。

 

○最盛期の本坊は現トーハクにあった

スタートは「東京国立博物館」から。ここに巨大な本坊があり、小堀遠州により庭園が造営されました。

本坊は現存していません。春秋だけ公開されるトーハクのお庭は、寛永寺本坊の庭園の一部です。

最盛期の本坊は現トーハクにあった

○旧本坊表門は当時の門

国立科学博物館の裏、輪王殿の入口にある「旧本坊表門」は、現トーハクの地にあった本坊の門で、100mほど横に移築されました。

上野戦争で官軍が彰義隊に向かって撃った弾痕が残る門です。

旧本坊表門は当時の門

○根本中堂は噴水広場にあった

トーハクの前に広がる噴水広場。ここに根本中堂がありました。

寛永寺の公開資料によると、当時の根本中堂は、間口45m、奥行42m、高さ32m。なんとも壮大。建立は1698年です。

上野桜木にある現在の根本中堂は、明治政府から寛永寺の再建が許された明治12年に、川越喜多院の本地堂を移築したものです。寛永寺の創建者、天海大僧正は喜多院の僧。そのご縁からのことかと思われます。

根本中堂は噴水広場にあった

○お顔だけの大仏は6mの坐像だった

“これ以上落ちない”として受験生に人気の上野大仏。おおよそ現在の大仏パコダ付近に鎮座していたようです。

天災、人災、廃仏毀釈、日本軍への鉄の供出など、9回は損傷、再建を繰り返した大仏様。現存するお顔は、高さ6mの釈迦如来坐像のお顔です。

残念ながらお顔は階段の上。車椅子ではパコダを下から眺めて往時を想います。

お顔だけの大仏は6mの坐像だった

○清水観音堂の月の松は広重が描いた

段差のある施設、清水観音堂。

清水観音堂の月の松は広重が描いた

枝が丸い輪をつくる「月の松」は、段差下の公園通路からでも鑑賞できます。

「月の松」は歌川広重の代表作「名所江戸百景」で描かれています。もちろん、現在ある「月の松」は広重が描いた松ではなく、近年復活させた松です。

清水観音堂の月の松は広重が描いた

○五重塔も寛永寺の一部

東照宮の五重塔ではなく、五重塔も元は寛永寺の一部。現在の所有者は東京都です。五重塔は上野動物園からがベストビューです。

五重塔も寛永寺の一部

○不忍池は琵琶湖、弁天堂は竹生島

東の比叡山だから「東叡山」。家康公の遺言を受け、天海大僧正が大寺院の建立地を上野の山にした理由の一つは、比叡山と琵琶湖が再現できるからです。

不忍池は琵琶湖のイメージです。

現在弁天堂がある中ノ島は、竹生島をイメージした埋立地。

弁天堂は車椅子で参拝可能なバリアフリー構造です。

不忍池は琵琶湖、弁天堂は竹生島江戸時代の大寺院の跡を巡り、往時を想う。急坂道や段差路を避ければ、上野公園は車椅子で散策できます。

(本稿は2017年6月に執筆しました)

足が悪い人のための 水戸弘道館 バリアフリー情報

旧水戸藩の藩校「弘道館」は、段差や砂利路面がある施設です。車椅子のままでの見学は出来ませんが、短距離の介助歩行が可能な方なら、見学が出来る可能性があります。

足の悪い人の見学が可能か否か、その判断が出来るように、現地の状況を詳しく紹介します。

なお本稿は2019年6月の取材に基づいています。

 

○専用無料駐車場あり

アクセスは車が便利です。弘道館見学者用の無料駐車場が事務所の横に13台分用意されます。障害者用の駐車区画はありません。

隣接する有料の「県三の丸庁舎駐車場」を利用することも出来ます。弘道館見学者は駐車料金の減免措置があります。

専用無料駐車場あり

○事務所までが未舗装路面

弘道館の敷地内に入るとすぐに未舗装の砂利路面になります。受付がある事務所棟までは薄い砂利面なので車椅子はなんとか動きます。

弘道館は有料施設ですが、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。

事務所までが未舗装路面

事務所までが未舗装路面

○正門は階段

受付で入館手続きをして、砂利路面を通り正門に向かいます。

正門は階段です。ここを何らかの手段で通過出来ないと、弘道館の見学は出来ません。段数は8段。一段の高さは低く、ステップの幅は広い、未舗装階段です。

正門は階段

○弘道館内部見学は専用車椅子で

正門をくぐると、正面に弘道館の建物「正庁」が見えます。未舗装の砂利路面を通り、弘道館内部見学入口に向かいます。

弘道館内部は土足禁止で、一般見学者は専用入口から靴を脱いで内部に入ります。

車椅子での内部見学を希望すると、スタッフが専用の車椅子を用意してくれます。車椅子を乗り換えての見学です。

弘道館内部見学は専用車椅子で

弘道館内部見学は専用車椅子で

○段差を上るか、スロープを上るか

足が悪い人は正面入口からの入館を薦められました。ここで4段の木製階段を上がります。何らかの手段で階段を上ることが出来る人は、階段上に内部見学用の専用車椅子を用意していただけます。

それが難しい人は、簡易スロープを置き車椅子で上がることが出来ます。ただしスロープは急で楽な上りではありません。

ここまで来ている人はすでに正門の段差を上った人ですから、簡易スロープを使う人は少ないそうです。

段差を上るか、スロープを上るか

○内部見学は車椅子で可能

弘道館の内部見学はフラットな廊下と、廊下と段差のない畳部屋を巡るので、車椅子で問題なく移動できます。バリアフリー見学ルートです。

内部を一周まわる見学ルートで、最後の箇所に段差がありますが、スタッフが段差解消装置を用意してくれるので問題なく車椅子で移動できます。

内部見学は車椅子で可能

内部見学は車椅子で可能

内部見学は車椅子で可能

内部見学は車椅子で可能

内部見学は車椅子で可能

内部見学は車椅子で可能

内部見学は車椅子で可能

内部見学は車椅子で可能

○資料室は階段の先

内部見学で車椅子では無理なのは、出口の横にある「資料室」です。5段ほどの階段を下りて上がります。

 

○お庭の散策路はバリアフリー

弘道館の有料敷地内を一周する屋外散策路があります。この路は樹木の保護のためにむしろが敷かれています。そのため車椅子で移動しやすい散策路です。車椅子で弘道館を外から見学できます。

お庭の散策路はバリアフリー

お庭の散策路はバリアフリー

お庭の散策路はバリアフリー

お庭の散策路はバリアフリー

○退出専用口はバリアフリースロープ

階段構造の「正門」とは別に、お庭の散策路の途中に「退出専用口」があります。ここはスロープ構造です。出口に内側からしか開かない手動式の門扉があります。

退出専用口はバリアフリースロープ

退出専用口はバリアフリースロープ

○周辺史跡も部分的に見学可

有料敷地の外側にも弘道館の施設は広がります。現在整備中ですが「孔子廟」や「八卦堂」などが復元されています。現時点では部分的ですが、車椅子で通行可能な散策路が一部整備されています。

 

○障害者用トイレの状況

トイレは有料敷地内にはありません。事務所の裏と「孔子廟」などがあるエリアにある公衆トイレに障害者用が用意されています。

 

弘道館の見学は「正門」の段差を乗り越える必要がありますが、帰りはバリアフリースロープで退出できます。