バリアフリー施設で開催される 東京都心部 春の恒例イベント情報

桜の咲く季節には、各地で多くのイベントが開催されます。その中から、車椅子で参加できる、東京都心部のバリアフリー施設でのお薦めイベントを紹介します。なおイベント企画の詳細は、各施設のHPなどで確認してください。

※2020年以後はコロナ対策で多くのイベントが中止になっています。

「コレド室町」

コレド室町を中心開催される「日本橋桜フェスティバル」は、アート、ハイテクノロジー、グルメが楽しめるイベントです。3月中旬から4月中旬まで開催されます。

福徳の森、コレド仲通りがイベントの中心で、春をイメージする装飾、光や音を用いた演出、そして日本橋の名店が出店する屋台が並びます。夜は三井本館などが「桜ライトアップ」で照らされ、日本橋の町全体が幻想的に彩られます。会場周辺は再開発が一段落したバリアフリー環境で、車椅子でイベントに参加できます。

コレド室町

「東京ミッドタウン」

ミッドタウンガーデンと檜町公園は桜の名所です。東京ミッドタウンの春のイベントは「MIDTOWN  BLOSSON」。3月中旬から4月中旬に開催されます。

館内は春をイメージした特別装飾やアート作品が展示され、屋外にはイベント期間限定のラウンジが営業。そして夜は200mの長さがある「さくら通り」がライトアップされます。東京ミッドタウンは屋内外ともにバリアフリー。車椅子でイベントに参加できます。

MIDTOWN  BLOSSON

「六本木ヒルズ」

ヒルズアリーナを中心に開催される「六本木ヒルズ春まつり」は、桜の名所である毛利庭園、さくら坂の桜が満開になる週末の金土日3日間開催されます。ステージでのショーやアトラクション、屋台グルメ、そして桜のライトアップがあります。

さくら坂は傾斜が強い道なので、車椅子での散策は力が必用ですが、ヒルズアリーナや毛利庭園周辺は、車椅子で問題なく移動できます。

六本木ヒルズ春まつり

「アークヒルズ」

桜並木に囲まれたアークヒルズでは、桜の開花が予想される週末の金土日に「アークヒルズさくらまつり」が開催されます。メイン会場はカラヤン広場で、車椅子で利用できるバリアフリー環境です。ガーデンコンサート、ステージでのアトラクション、グルメ屋台の出店、ヒルズマルシェが開催されます。

近年企画されている「芝生でお花見」は、カラヤン広場に人工芝を敷き、靴を脱いで座って飲食を楽しむ企画で、車椅子向きではありません。またスペイン坂など周辺の坂道は急坂で、車椅子での散策は困難です。車椅子ではカラヤン広場で、参加可能なイベントを楽しみます。

アークヒルズさくらまつり

「東京ミッドタウン日比谷」

2018年に開業した施設。春のイベントは「HIBIYA BLOSSON」です。3月下旬から4月中旬にかけて開催されます。フラワーアートなど春をイメージした装飾と、マルシェ、そしてステージでの音楽イベントがあります。

ステップ広場周辺と1Fアトリウムが中心会場で、車椅子で問題なく利用できます。東京ミッドタウン日比谷の誕生日は3月29日です。その前後には特別な企画が用意されます。

HIBIYA BLOSSON

「東京国立博物館」

本館の北側にある日本庭園には、移築された5棟の茶室、心字池があり、約10種類の桜が時期をずらしながら開花します。庭園内は一部に段差路がありますが、車椅子で庭を一周散策することができます。

トーハクでは「春の庭園開放

「国立劇場」

皇居に面した国立劇場の前庭には、神代曙や駿河桜などの希少品種の桜が多数植栽されています。桜の開花にあわせて開催されるイベントは「国立劇場さくらまつり」で、お茶の無料サービスや、伝統芸能の実演などが行われます。

公演スケジュールと絡みますが、日時によっては劇場内部が公開され、売店が営業し、館内の絵画や彫刻などの展示物が見学できます。

前庭から劇場内にかけては、車椅子で問題なく利用できるバリアフリー仕様です。イベント開催期間は年により変わりますが、概ね3月下旬から4月上旬です。

半蔵門 国立劇場

イベントの詳細は各施設のHPなどで確認してください。

(本稿は2020年2月に執筆しました)

東京都心の桜の名所バリアフリー情報 車椅子観桜お薦めスポット

東京都心部の主な桜の名所から、車椅子で観桜ができるお薦めスポット、少し注意が必要なスポット、車椅子では苦戦するスポットを紹介します。

サクラテラス

「車椅子での観桜お薦めスポット」

・東京ミッドタウン

ミッドタウンガーデンは、アップダウンの少ない舗装散策路から桜を楽しめます。檜町公園内の散策路は多少アップダウンがあるので、坂道が苦手な人は避けてください。

東京ミッドタウンの桜

例年桜の開花時期にイベントが開催されます。近年は桜のライトアップが行われます。

東京ミッドタウンの桜

・国立劇場

車椅子で散策できる前庭には「神代曙」など10種の希少種桜が植栽されています。開花の時期には「国立劇場さくらまつり」が開催され、お茶の無料サービスや、太神楽の上演などのイベントが開催されます。

半蔵門 国立劇場

・皇居東御苑

苑内には様々な種類の桜があります。「本丸」方面は坂道を上りますが、「二の丸庭園」周辺はフラットな舗装路から桜を鑑賞できます。体力の範囲で、無理のない観桜を楽しめます。

皇居東御苑の桜

・上野恩賜公園

お薦めは「上野の山」のお花見エリアではなく、「不忍池」周辺です。フラットな舗装路から桜を楽しめます。

不忍池

・芝公園

芝公園および増上寺一帯、フラットな舗装路から車椅子で桜を楽しめます。特に港区芝公園はフラットな構造です。

芝公園および増上寺一帯

・代々木公園

「桜の園」は舗装散策路からでも桜を楽しめます。また園内各所に桜があり、そして散策路に限らず、芝生エリアもフラットな路面が多いので、ルートを選べば車椅子で移動しながら桜を楽しめます。

代々木公園

・明治神宮外苑

神宮球場の周囲は、舗装路から桜を楽しめます。

明治神宮外苑

「御観兵榎」周辺は、路面は未舗装ですが、桜が楽しめるスポットです。車椅子では路面のデコボコに気をつけてください。

明治神宮外苑

・日比谷公園

園内通路の再整備が進み、デコボコした路面は減少しました。「三笠山」の斜面路以外は、車椅子で園内を散策できます。園内各所に桜がありますが、心字池周辺などが観桜ポイントです。

日比谷公園

・隅田公園

隅田川沿いに伸びる細長い公園です。園内はフラットで、車椅子で観桜を楽しめます。

隅田川沿いに伸びる細長い公園

・八重洲さくら通り

東京駅前から伸びる通りです。歩道を通りながら頭上の桜を楽しめます。

「車椅子では少し注意が必要なスポット」

・播磨坂さくら並木

その名の通り、坂道のさくら並木です。車椅子で通行すると、かなり力が必用です。体力に自信のある方向きの観桜スポットです。

・新宿御苑

多数の桜の品種が植栽され、長い期間お花見が楽しめる都内を代表する桜の名所です。

実際に車椅子で観桜に行くと、園内の移動ルートは、傷みでデコボコがある舗装路や未舗装路面、荒れた芝生路面、アップダウンなどがあり、車椅子での移動は苦労します。イメージするよりも、園内散策は快適ではありません。

それでも無理のない範囲で、車椅子で観桜を楽しむことはできます。

・旧芝離宮恩賜庭園

園内に舗装路はありません。庭園のパンフレットには「車椅子通行可能ルート」として一周可能な案内が載っていますが、あくまで決定的な段差がないというレベルで、快適なバリアフリールートではありません。

・浜離宮恩賜庭園

庭園入口から園内にかけて舗装路はなく、砂利路面と小さな段差が連続して続きます。

庭園のパンフレットに「車椅子通行可ルート」が載っていますが、あくまで頑張れば車椅子で通行可能なルートで、必ずしも舗装路ではありません。

・グランドプリンスホテル高輪

庭園はバリアフリールートが整備されていますが、段差路もあるため全域を車椅子で散策することは出来ません。レストラン「ステーキハウス桂」附近までは車椅子で行くことができます。

・椿山荘

椿山荘の庭園バリアフリールートは、ホテル棟の1F庭園出入口から、下りは「冠木門」まで、バンケット棟方面は滝までの範囲です。庭園全域が傾斜面で、散策路はほぼすべて坂道です。

・小石川後楽園

園内に舗装路はありません。車椅子でまわれる範囲は限定的です。部分的に砂利が深いところ、階段、車椅子では絶対に通行できない未舗装路などがあります。

しかしながら、銘木「枝垂桜」は、園が定める「車いす通行可ルート」にあります。

小石川後楽園

・六義園

「しだれ桜」は入口の目の前なので、この桜だけをみるならストレッチャーの方でも可能です。園内はほぼ平坦な砂利道の連続ですが、デコボコのある橋や山になっている箇所があります。少し無理をして砂利道を進めば、車椅子で園内の80%くらいを回遊できます。

・清澄庭園

園内に舗装路はありません。未舗装路ながら車椅子で通行可能なルートは、お庭の約半分です。入場口からみて「大泉水」の反対側にある「涼亭」の先までが、砂利路面に苦労はしますが車椅子でなんとか移動できる範囲です。

・旧古河公園

庭園への入口を抜けると、すぐに砂利道になります。この付近は車椅子でどうにもならないほどの砂利ではありません。洋館にむかって砂利道を進みます。洋館の南側からは階段になります。

洋館の裏側を通る「馬車道」は、庭園のガイドブックでは「車椅子利用可(要介助者)」となっていますが、荒れた路面の未舗装路で車椅子での通行は苦労します。

・北の丸公園

北の丸公園までのルートはアップダウンのある通路を移動することになります。坂道を通行できる人であれば、お花見散策は可能です。千鳥ヶ淵が有名ですが、北の丸公園内にも桜はあります。

北の丸公園

・外濠公園

飯田橋から四谷まで約2km断続的に続く外濠沿いの散策路です。土手の上の歩行者専用路は、出入口に段差がある箇所や、車椅子が通行できない車止めがある箇所があるので、車椅子で散策できる範囲は限定的です。傾斜路は通りますが、市ヶ谷駅川から土手は、三輪田学園付近まで車椅子で散策できます。

外濠公園

土手の下の車道、または外堀通りの歩道からは、車椅子で桜を楽しめます。

外濠公園

飯田橋側であれば、サクラテラスからはバリアフリーに観桜ができます。

サクラテラス

・靖国神社

参道は距離のある傾斜路で、神門内の桜エリアは未舗装路面があります。また周辺エリアはアップダウンがあり、どの方面からアクセスしても坂道を通ります。

開花のピーク時は駐車場が満車になることが多く、周辺道路に観光バスが停まる影響もあり、道路が大渋滞することがあります。

・六本木ヒルズ

毛利庭園周辺は車椅子で観桜できます。

六本木ヒルズ

人気の「六本木さくら坂」は、車椅子ではつらい傾斜路です。体力に自信のある方だけの観桜です。

六本木ヒルズ

・目黒川沿い

川沿いの散策路への出入口が段差の箇所が多々あります。大混雑している状況だと、段差のある出口に押し出されるような状況になります。段差の無い箇所を選び、その時の混雑状況に応じたルートを考えて観桜する必要があります。

目黒川

・池上本門寺

小高い山の上に建つお寺です。車利用で高台にある参拝者用駐車場に停めるか、池上会館内のエレベーターを利用して境内に進みます。

境内はアップダウンやデコボコした路面があります。車椅子での移動は快適ではありませんが、多少の無理をすれば車椅子で桜を楽しめます。

池上本門寺

「車椅子では苦戦するスポット」

・旧岩崎邸庭園

正門から受付までは、車椅子で進むのが困難な、深い砂利路面の長い上り坂のアプローチです。その先も砂利路面が続きます。車椅子での移動は困難です。

ただし庭園に入れば、未舗装路ですが、固い路面なので車椅子での移動は出来ます。

・飛鳥山公園

その名の通り山の公園です。車椅子で上るには「アスカルゴ」を利用しますが、桜の開花時期はたいへん混雑します。

また、山の上の公園スペースは未舗装路面が多く、舗装通路の路面も経年劣化でデコボコがあり、傾斜があります。車椅子で快適に移動出来る公園ではありません。

・アークヒルズ周辺の桜並木

アークヒルズ自体はバリアフリー施設です。カラヤン広場周辺や、アークさくら橋から、スペイン坂の桜並木を上から眺めることが出来ます。

桜並木がある桜坂、スペイン坂、泉通りは急坂で、車椅子での通行は困難です。アークヒルズ周辺の桜並木散策は、体力に自信のある方にもお薦め出来ません。

ただし隣接する赤坂インターシティAIRのお庭は、車椅子で観桜が楽しめるバリアフリー歩道が整備されています。

赤坂インターシティAIR

ご自身やご家族の障がいの状況に応じて、都心の桜の名所にお出かけください。

(本稿は2021年3月に加筆修正しました)

文京小石川 播磨坂 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都文京区にある桜並木が有名な坂道です。

播磨坂 車椅子散策ガイド

坂ですが、車椅子での通行が出来ないほどの傾斜ではありません。道路両脇はもちろん、道路中央部に歩道が整備され、流水施設、ベンチ、オブジェなどがあり、散策が楽しめます。

播磨坂 車椅子散策ガイド

文京区の高台。住所は小石川。同じ高台の隣町が小日向(こひなた)になります。

播磨坂 車椅子散策ガイド

播磨坂の周囲1km圏内にある主な小学校をあげると、「学芸大附属竹早」「筑波大付属」「お茶の水大附属」と名門校があります。最寄駅は茗荷谷です。

播磨坂 車椅子散策ガイド

「播磨坂」とは、いかにも江戸時代からありそうな坂の名前ですが、戦後の区画整理で誕生した道です。有名な桜並木も、1960年の植栽。江戸時代に「松平播磨守」の上屋敷があったので、「播磨坂」と命名されました。

播磨坂 車椅子散策ガイド

計画道路「環状三号線」の一部として開発された坂道ですが、「環状三号線」計画はとん挫。この「播磨坂」だけが完成して終わった計画道路です。そのため、周囲の道路とは全く異質な幅広道路で、ここだけなぜこんなに立派な道なのか、不思議な存在感が面白い坂道です。

播磨坂 車椅子散策ガイド

純粋な道幅では、坂上で交わる「春日通り」よりも「播磨坂」のほうが、幅広道路です。そのため歩道幅は余裕があり、車道にはパーキングメーターが設置され、さらに道路中央部にも散策歩道がある、スペース的に贅沢な坂道となっています。

播磨坂 車椅子散策ガイド

人気のピークは「文京さくらまつり」期間。この期間は、歩行者天国が実施されます。

1960年に植えられた桜並木も、今や古木。貫禄の桜並木です。

桜の季節は、道路中央部の歩道はお花見宴会エリアになり混み合いますが、両脇の歩道、歩行者天国の歩道を通れば、満開ピークの時期でも、車椅子での通行が困難なほどの混雑ではありません。

桜の季節を外せば、混雑とは無縁な散歩道です。パーキングメーターも、満車になることはあまりありません。

播磨坂の坂下方面を進むと「小石川植物園前」の交差点。この交差点で交わる「千川通り」も、パーキングメーター設置路線です。

播磨坂 車椅子散策ガイド

播磨坂の中央部の散策路は、坂上が「洋風ゾーン」、坂下が「和風ゾーン」とされ、意匠が異なります。

播磨坂 車椅子散策ガイド

道路中央部の歩道は、1995年に整備されたもの。歩道の切れ目の段差や、車両侵入防止用の出っ張り棒など、現在のバリアフリーの常識からみれば、やや不自由な設計設備はあります。それでも、1995年の設備としては上等なバリアフリー設計です。公衆トイレにはバリアフリートイレがあります。

播磨坂 車椅子散策ガイド

このエリアは、文京区がバリアフリー化に力を入れています。

播磨坂の周辺の横道を少し散策してください。まだ周辺全域ではありませんが、段差のない完全バリアフリー歩道に改修されているエリアがあります。

基本的には傾斜地なので、車椅子での散策にはやや苦労がありますが、小石川の住宅街の散策を、バリアフリー歩道で楽しめます。

播磨坂 車椅子散策ガイド

「播磨坂」及びその周辺エリア以外の、文京高台エリアの坂道は、車椅子での散策を積極的にはお薦めできません。

例えばお隣町の小日向エリアの坂は、傾斜が急、あるいは途中で階段になる、歩道が狭い又は無いなど、土地勘なくスマホ頼りに車椅子で移動すると、ひどい目にあう可能性が高いエリアです。特に音羽方面に行くと、行き止まりが頻発します。

播磨坂 車椅子散策ガイド

車椅子で安心して散策できる文京の坂「播磨坂」。段差地形に興味のある車椅子利用者に、お薦めできる坂道です。

(本稿は2020年10月に加筆修正しました)