東京都港区愛宕の「青松寺」は、太田道灌が開山し徳川家康が移転した古刹ですが、車椅子でお参りが出来ます。現地のバリアフリー状況を紹介します。
森ビルのツインタワーに囲まれながら、存在感のある青松寺。愛宕地区再開発事業を推進した寺院で、青松寺と森ビルが中心となり再開発が成功しました。再開発事業にかかわる地権者は70人以上。その複雑な利害関係の調整に苦労があったそうです。
愛宕通りから車椅子でアクセスする場合、最初に目に入るのは立派な「山門」です。
山門の中には「持国天」や「多聞天」など「四天王」が安置されています。こちらの「四天王」、一見して現代の製作物であることが察しられます。「せんとくん」で知られる籔内佐斗司氏の作品です。
山門への直進ルートは段差があるので、車椅子利用の場合は、山門正面の右手に迂回するとスロープルートがあります。
そこを進むとでてくるのが「誕生童子と花祭り童子」という噴水の要素もある彫像物。これも籔内佐斗司氏の作品です。
現代社会の為の仏教を追及しているお寺ということ。これからの仏教界を担う若いお坊さんたちの勉強会などが行われているそうです。
一般の人は境内には入れますが、本堂の裏手にある「墓地ゾーン」には「信徒以外の一般の人お断り」という掲示があり、行くことはできません。
観光地としては無名なので、いわゆる観光客はほとんど来ない寺院です。場所は都心の一等地。隣接する森ビルには一般向けの駐車場があり、また愛宕通りにはパーキングメーターが設置されています。地下鉄でも、車でもアクセスは便利です。バリアフリートイレは、隣接する愛宕グリーンヒルズ内にあります。
籔内佐斗司氏の作品が拝観できるお寺、熱心な現代仏教の研究拠点、そして愛宕エリア再開発の中心部です。愛宕青松寺は、車椅子でお参りが出来るお寺です。
(本稿は2021年6月に加筆修正しました)